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6.蜘蛛
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「あ……
いえ、私ももちろん、高熱を出すつもりで居たんですよ、うん」
「あ、アークのことが嫌いな訳ではないんだよ。
でもそういうことは恋人とやることだから、アークも嫌でしょ」
あ、何でここで同意を求めてしまったんだろう。
ここで嫌だと言われたらそれはそれで泣きそうになるだろうに。
「それについてはコメントを控えさせていただきます」
うまく回答を逃げられた!?
そうか、まぁキスに対してどう思うかは個人差があるかもしれない。
「犬に噛まれたのと同じって人も居るしね……」
「僕はどうしたら死亡フラグを回避出来るのか全然わかりません」
「そうだ、それ、大丈夫なの?」
「全然大丈夫じゃないです。
でも楽しいですよ、ヒロさんのおかげで」
何故自分が死ぬかもしれない状況で明るく微笑むことが出来るんだ、この吸血鬼は。
アークは頭のネジが一本抜けてしまったような妙な明るさのまま、人間に擬態するフリも忘れ私の手を引いて歩いている。
おかげで魔物に全然あわない。
「はは…… 敵に送られた塩も有効活用出来ない…… どうすればいいんだ……」
内容はよくわからないけれど、アークは死亡フラグのことで悩んでいるんじゃないかな。
「ねぇアーク、私に何か出来ることある?」
「ああヒロさん、そうですね……
左目の治療を試してみましょうか」
「わかったよ」
アークの死亡フラグと左目の治療とどう関係があるのかわからないけれど。
森の中の小屋にアークは案内してくれた。
中はベッドやソファーが置いてあるぐらいだけど、埃もなくて綺麗だ。
魔法でもかかっているのかな。
「そうだ。
ヒロさんは歩いて疲れたでしょう。
目の状態を見る前にひとまず休んで下さい」
「そんなに体力なくはないよ。でもありがとう」
「すみません、人間の体力がよくわからなくて」
アークに赤いジュースを渡される。
ちょうど喉乾いていたから飲み干したけど、これあの人間用の実では?
「あ、これ飲むと人間は眠くなるんだった……
一度仮眠をとって下さい。魔力と馴染んだ方が術がかけやすくなりますから」
「うーん、この実ってアークの魔力から出来ているの?」
「まぁ、ここの維持管理は私の魔力なので、そんなようなもんですかね」
「これ飲むとアークに親しみを感じる? 近づきたくなる? 気がするの。
うまく言えないんだけど」
「え、そんな効果があるの? まぁ魔力のやりとりしていたらそうか……
そういう風に身体が変わるの嫌ですか?
そうしたらもう飲まない方がいいとおもいますが」
「今の所は大丈夫かな」
でもあんまり長居すると、駄目かも。
お酒みたいなリピートしたくなる感じ。
私はお酒のことすっかり忘れていられる人だから、多分大丈夫だと思うけど。
2時間ぐらい眠って起きたんだろうか。
また身体が変わっている気がする。
不調を感じていた肩が軽くなっているような。
「起きましたね、ヒロさん。じゃあ左目をよく見せて下さい」
ベッドに腰掛けている私にアークが近づいて、左目を覗きこむ。
至近距離で見ても吸血鬼の瞳孔は縦長だったりしないんだね。
今は平時だからかもしれないが。
「どれぐらい弾かれるかなぁ……
恋仲なら楽なんですが」
「えっと?」
何でもないことのようにさらっと言う。
意識してるのは私だけか。
「魔力が身体の内側に入ることに抵抗されない関係の方が楽なんです」
「ああ、私が弾かなければいいんだね。
それなら大丈夫だと思う」
抵抗、境界をなくす、受け入れる、か。
「ええ、ヒロさん、魔力抵抗の操作随分上手いんですね。
そのまま保っていて下さい、やってみます。
目は閉じていて下さい」
目を閉じていたらイメージの中に紫色の身体の蜘蛛が現れた。
悪意は感じないけど、すごい外見だな。
蜘蛛苦手じゃなくて良かった。
蜘蛛が私の視界の途切れる所よりも近づいてきて、口から出した糸を前足で操って何かを一生懸命治してる。
ふふ、何かアークが恋仲なら~とかいうから身構えてたけど、蜘蛛じゃない。
蜘蛛なら別に男の人って感じしないから、視界よりも中に入られても恥ずかしくないなぁ。
蜘蛛が懸命に何かを治している姿を見ていると、だんだん可愛らしく見えてきた。
しばらくすると蜘蛛は治療を終えたようで、ぴょんと後ろに跳ねるとそのまま立ち去って行った。
「よし、終わりました。どうですか」
目覚めて最初に見たアークは汗だくだった。
右目を隠して確認してみるけど、よく見える。
「よく見えるよ」
「良かった!」
アークは少年のように無邪気に笑った。
吸血鬼なのにここまで邪気がなくて大丈夫かな?
「アークは、蜘蛛なの?」
「うぇ、確かにそうかもしれません。何故か糸が出せますし」
「目を閉じてる間、ずっと蜘蛛が目の治療してたんだけど」
「それはビジュアル的に厳しいですね…… ヒロさん、よく嫌悪感消せましたね」
「うーん、でも蜘蛛はアークだったよ」
「僕は蜘蛛男なのか……
ヒロさん、実態はそうかもしれませんが、虚構をよく見つめていて下さい。
このイケメンの方の僕を」
「アークは美形だけどイケメンって感じじゃなくない?」
「えぇ…… とにかく僕のような不定形の魔物は好かれたい相手のイメージの影響を受けやすいですから。
ヒロさんに都合が良いイメージをずっとしていて下さいね」
アークは私に好かれたいのか。
そうだよな、私に好かれればずっとご飯にありつけるし。
「わかった。
ねぇアーク、治療してお腹空いたんじゃない?」
「いいえ、ヒロさん今戦士の服じゃないですか。
肩を見せにくいので、着替えてからにしましょう」
「それもそうね」
アークは何故かほっとした顔になった。
今朝の洗濯物を一人で取り込んでいると、懲りずに水魔が出てきた。
「お前らなんでくっつかないの?」
「わりと距離は近いと思うけど」
「そのゼロ距離でなんでカップルにならないの? 恋人居た方が幸せじゃん」
「だから、アークは私のことは好みじゃないんじゃないかなって、この間話したじゃない」
「ほーん…… なぁ、もしかして姫さんの周りの男って、突然結婚してくれって言ったり、突然押し倒してきたりした?」
「え、何でわかるの」
「……」
水魔は哀れむような瞳で私を見る。
えぇ、なんかアークにもそんな目で見られたことがあるような。
「これは吸血鬼の旦那も大変だ……。
姫さん、だいたいの男は姫さんに対してすっごい、常に、下心があると思って接してあげな。
そうじゃないと可哀想だから」
「ええっ それじゃあ失礼な態度とることになっちゃわない?」
「うーん、それじゃあ意中の相手には早いとこ自分から告白してやった方がいいと思うぞ。
そうじゃないと吸血鬼ヤンデレ化くっころ展開とか」
最後の方何を言ってるかわからなかった。
「まぁ面白いことになる前にどうにかしろよ、じゃあな!」
水魔は水に戻った。
私がアークの居る小屋に戻るとアークはすぐに駆け寄ってきた。
「また水魔が出たでしょう。変なことされませんでしたか?」
「お話していただけだけど、何を言っていたか難しくてわからなかったの」
「はて?
あれであの水魔も長生きですから、実はすっごい博識とかあるかもしれませんが。
僕は難しい話はされたことないですね」
「あ、まだ日が高いから水浴びしてきていいかな?」
「いえ、水辺は水魔が出るので。
僕が毎日清浄化の魔法かけてるので許してください」
すでにかけてたのか。
いえ、私ももちろん、高熱を出すつもりで居たんですよ、うん」
「あ、アークのことが嫌いな訳ではないんだよ。
でもそういうことは恋人とやることだから、アークも嫌でしょ」
あ、何でここで同意を求めてしまったんだろう。
ここで嫌だと言われたらそれはそれで泣きそうになるだろうに。
「それについてはコメントを控えさせていただきます」
うまく回答を逃げられた!?
そうか、まぁキスに対してどう思うかは個人差があるかもしれない。
「犬に噛まれたのと同じって人も居るしね……」
「僕はどうしたら死亡フラグを回避出来るのか全然わかりません」
「そうだ、それ、大丈夫なの?」
「全然大丈夫じゃないです。
でも楽しいですよ、ヒロさんのおかげで」
何故自分が死ぬかもしれない状況で明るく微笑むことが出来るんだ、この吸血鬼は。
アークは頭のネジが一本抜けてしまったような妙な明るさのまま、人間に擬態するフリも忘れ私の手を引いて歩いている。
おかげで魔物に全然あわない。
「はは…… 敵に送られた塩も有効活用出来ない…… どうすればいいんだ……」
内容はよくわからないけれど、アークは死亡フラグのことで悩んでいるんじゃないかな。
「ねぇアーク、私に何か出来ることある?」
「ああヒロさん、そうですね……
左目の治療を試してみましょうか」
「わかったよ」
アークの死亡フラグと左目の治療とどう関係があるのかわからないけれど。
森の中の小屋にアークは案内してくれた。
中はベッドやソファーが置いてあるぐらいだけど、埃もなくて綺麗だ。
魔法でもかかっているのかな。
「そうだ。
ヒロさんは歩いて疲れたでしょう。
目の状態を見る前にひとまず休んで下さい」
「そんなに体力なくはないよ。でもありがとう」
「すみません、人間の体力がよくわからなくて」
アークに赤いジュースを渡される。
ちょうど喉乾いていたから飲み干したけど、これあの人間用の実では?
「あ、これ飲むと人間は眠くなるんだった……
一度仮眠をとって下さい。魔力と馴染んだ方が術がかけやすくなりますから」
「うーん、この実ってアークの魔力から出来ているの?」
「まぁ、ここの維持管理は私の魔力なので、そんなようなもんですかね」
「これ飲むとアークに親しみを感じる? 近づきたくなる? 気がするの。
うまく言えないんだけど」
「え、そんな効果があるの? まぁ魔力のやりとりしていたらそうか……
そういう風に身体が変わるの嫌ですか?
そうしたらもう飲まない方がいいとおもいますが」
「今の所は大丈夫かな」
でもあんまり長居すると、駄目かも。
お酒みたいなリピートしたくなる感じ。
私はお酒のことすっかり忘れていられる人だから、多分大丈夫だと思うけど。
2時間ぐらい眠って起きたんだろうか。
また身体が変わっている気がする。
不調を感じていた肩が軽くなっているような。
「起きましたね、ヒロさん。じゃあ左目をよく見せて下さい」
ベッドに腰掛けている私にアークが近づいて、左目を覗きこむ。
至近距離で見ても吸血鬼の瞳孔は縦長だったりしないんだね。
今は平時だからかもしれないが。
「どれぐらい弾かれるかなぁ……
恋仲なら楽なんですが」
「えっと?」
何でもないことのようにさらっと言う。
意識してるのは私だけか。
「魔力が身体の内側に入ることに抵抗されない関係の方が楽なんです」
「ああ、私が弾かなければいいんだね。
それなら大丈夫だと思う」
抵抗、境界をなくす、受け入れる、か。
「ええ、ヒロさん、魔力抵抗の操作随分上手いんですね。
そのまま保っていて下さい、やってみます。
目は閉じていて下さい」
目を閉じていたらイメージの中に紫色の身体の蜘蛛が現れた。
悪意は感じないけど、すごい外見だな。
蜘蛛苦手じゃなくて良かった。
蜘蛛が私の視界の途切れる所よりも近づいてきて、口から出した糸を前足で操って何かを一生懸命治してる。
ふふ、何かアークが恋仲なら~とかいうから身構えてたけど、蜘蛛じゃない。
蜘蛛なら別に男の人って感じしないから、視界よりも中に入られても恥ずかしくないなぁ。
蜘蛛が懸命に何かを治している姿を見ていると、だんだん可愛らしく見えてきた。
しばらくすると蜘蛛は治療を終えたようで、ぴょんと後ろに跳ねるとそのまま立ち去って行った。
「よし、終わりました。どうですか」
目覚めて最初に見たアークは汗だくだった。
右目を隠して確認してみるけど、よく見える。
「よく見えるよ」
「良かった!」
アークは少年のように無邪気に笑った。
吸血鬼なのにここまで邪気がなくて大丈夫かな?
「アークは、蜘蛛なの?」
「うぇ、確かにそうかもしれません。何故か糸が出せますし」
「目を閉じてる間、ずっと蜘蛛が目の治療してたんだけど」
「それはビジュアル的に厳しいですね…… ヒロさん、よく嫌悪感消せましたね」
「うーん、でも蜘蛛はアークだったよ」
「僕は蜘蛛男なのか……
ヒロさん、実態はそうかもしれませんが、虚構をよく見つめていて下さい。
このイケメンの方の僕を」
「アークは美形だけどイケメンって感じじゃなくない?」
「えぇ…… とにかく僕のような不定形の魔物は好かれたい相手のイメージの影響を受けやすいですから。
ヒロさんに都合が良いイメージをずっとしていて下さいね」
アークは私に好かれたいのか。
そうだよな、私に好かれればずっとご飯にありつけるし。
「わかった。
ねぇアーク、治療してお腹空いたんじゃない?」
「いいえ、ヒロさん今戦士の服じゃないですか。
肩を見せにくいので、着替えてからにしましょう」
「それもそうね」
アークは何故かほっとした顔になった。
今朝の洗濯物を一人で取り込んでいると、懲りずに水魔が出てきた。
「お前らなんでくっつかないの?」
「わりと距離は近いと思うけど」
「そのゼロ距離でなんでカップルにならないの? 恋人居た方が幸せじゃん」
「だから、アークは私のことは好みじゃないんじゃないかなって、この間話したじゃない」
「ほーん…… なぁ、もしかして姫さんの周りの男って、突然結婚してくれって言ったり、突然押し倒してきたりした?」
「え、何でわかるの」
「……」
水魔は哀れむような瞳で私を見る。
えぇ、なんかアークにもそんな目で見られたことがあるような。
「これは吸血鬼の旦那も大変だ……。
姫さん、だいたいの男は姫さんに対してすっごい、常に、下心があると思って接してあげな。
そうじゃないと可哀想だから」
「ええっ それじゃあ失礼な態度とることになっちゃわない?」
「うーん、それじゃあ意中の相手には早いとこ自分から告白してやった方がいいと思うぞ。
そうじゃないと吸血鬼ヤンデレ化くっころ展開とか」
最後の方何を言ってるかわからなかった。
「まぁ面白いことになる前にどうにかしろよ、じゃあな!」
水魔は水に戻った。
私がアークの居る小屋に戻るとアークはすぐに駆け寄ってきた。
「また水魔が出たでしょう。変なことされませんでしたか?」
「お話していただけだけど、何を言っていたか難しくてわからなかったの」
「はて?
あれであの水魔も長生きですから、実はすっごい博識とかあるかもしれませんが。
僕は難しい話はされたことないですね」
「あ、まだ日が高いから水浴びしてきていいかな?」
「いえ、水辺は水魔が出るので。
僕が毎日清浄化の魔法かけてるので許してください」
すでにかけてたのか。
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