合法ロリが育ってしまったので何とか養父を誘惑したい。

リリファルシアンの泉

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3.チャラい商売人

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電話した通り、サンは家の裏手に来てくれた。
「メイメイちゃんまいどおおきにー、ってどちら様?」
「メイメイよ。色々あって大きくなったの」
「そっかぁ。メイメイちゃんそう言えば成長止まってたからなぁ。
美人さんになって良かった良かった」
「……そう、それが普通の反応よね」
「ん? どうした?
あ、ソウジの旦那はもしかしてロリコンだったのか!?」
「ソウジ様の不名誉な話はしないでちょうだい。
ねぇそれでサン、ソウジ様は大人の女性が苦手らしいのだけど、どうしたら落とせると思う?」
「ええー、それは俺は女の人大好きだから、わっかんねぇなぁ。
苦手って言っても男にしか食指が動かないとか、そういうんじゃないんだろ?」
「そういうんではないと思うのよ、何となく」
「うーんうーん、
今までの様子を見るにメイメイちゃんのことは溺愛してたから、育っても何とかなるとは思うんだけど。
心の傷が原因なら、急に迫らず待ってあげるのがいいと思う。メイメイちゃんに出来るか?」
「正直言うと難しいわ……。
でも心の傷の原因になった女性達と、同じ分類に落ちてしまったら修復不可能ということよね」
「そうそう。俺でよかったらいつでも話聞くし、何なら気晴らしにでも付き合うよ」
「そうね……。せっかく大人の姿になったんだし、何なら街にでも降りてみたいかも」
「前向きになって何より。メイメイちゃんもソウジさんも、ずっと引きこもりだったもんなぁ」
「でも街に着ていく服がないのよね。
ソウジ様が好きそうな色の布地を何枚かいただけるかしら」
「まいどありー」
私は上品な水色の布地と、地味な薄緑色の布地を買った。

*

メイメイのお嬢ちゃんに布を買って貰って、ふんふん帰ろうとしたらソウジさんに呼び止められた。
「ちょっと話せますか?」
顔が怖い顔が怖い。
「メイメイさん、突然育ちましたねー。
あれもエルフの魔法なんですか?」
「あれはメイメイが望んだことだそうです。
サンさん、貴方は何か知りませんか?
可愛かったメイメイが突然自立心を持ってしまった原因、とか」
自立心は突然持った訳じゃないと思うんだが。
「ソウジさんに釣り合う外見になりたかったんじゃないですか?」
「私の……?」
「メイメイさんと話していると、ソウジさんの話しかしませんよ」
「それは家族は私しか居ませんからね。
でもあの子が大きくなってしまって、他所に嫁に行く気ではないかと気が気ではないのです」
「ご自身でお迎えになればよろしいのでは?」
「……私は、あの、決して倒錯した性的嗜好を持っている訳ではないのですが、
大人の女性を見ると悪寒がするのです」
「へぇ、それは災難ですね。
素敵なものを見ると寒気がするだなんて」
「ですから今のメイメイの姿も、美しいと思うと同時に嫌な思い出が蘇って……」
お、メイメイちゃん良かったなー、美しいと思われてるって。
「うーん、俺は女じゃないから、わかりませんけれど。
抱かせてくれない好きになった女より、抱かせてくれる俺を好きな女の方が俺は好きっすね!」
「な、なんですって!? そんな単純な話では……
いやでも男として価値がない私はどうしたら……」
「まあまあ。そもそも、メイメイさんも一緒に生活していく上でソウジさんを好きになったんでしょう。
恋して結婚しても生活で上手くいかなかったりするもんですよ。その点は安心じゃないですか」
「ですが恋も出来ないような私相手では……」
「そこは愛の力で何とかして下さい。
あ、結婚指輪はうちで買って下さいね!!」
長々とらちのあかない相談をしていることに気づいたのだろう。
ソウジさんは慌てて礼を言って立ち去った。
あーあ、牽制されちゃったなぁ。
せっかくメイメイちゃん綺麗に成長したのに。
……まぁいっか、俺モテるし。次行こ次!

*

私は買った布地を直線縫いで簡単なワンピースに仕立てていた。
本当はもっと細かくしてもよいのだけど、
あんまり身体にフィットすると女性らしさが出てしまうものね。
せっかく新しい服が出来たので、いつもの癖でソウジ様に見せに行った。

ソウジ様は何処かから帰って来たばかりのようだ。
「ソウジ様~、新しい服を縫ったんですけど、どうでしょうか」
スカートを軽くつまんでひらっと舞ってみせてから、そう言えば三メートル以上近づいていることに気づいてちょっと後ずさった。
「その水色の服、やっぱり彼の元にお嫁に行ってしまうんですね」
ソウジ様はおいおいと泣き出した。
水色…… あ、サンの髪の色!!
ソウジ様は調度品とかくすんだ水色か好きだから、そのイメージで選んでしまった。
いやサンのことは考えてなかったんだけど、説明するのめんどくさいなコレ。
彼と恋仲じゃないことを説明するのは楽だけど、ソウジ様のことが好きって言ったら嫌悪感を持たれるかもしれないし。
私がやや呆れているとソウジ様の後ろのドアのあたりが氷のようなもので固まってきた。え、氷?
「ソウジ様、何か変です……」
ソウジ様は泣いていて気づいてない。
「ソウジ様!!」
嫌われるかもしれないがソウジ様に抱きつく。
エルフの末裔ーー 本人は魔法が使えないと思っているのがたちが悪い。
おそらく、私が成長しなかったのは、ソウジ様がそう望んでいたせいだろうと、トラウマの話を聞いてから何となく思っていた。
「魔力が暴走してます!!」
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