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元王女は踊るより振り回す
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「…母上…。来ちゃったかー…。誰だ教えたやつ…。」
ぽつりと父がこぼした一言は、いつも通り祖母の耳に届くことはなかった。そしてここまで興奮した祖母が話を聞かない事を良く知っていた三人はとりあえず嵐が過ぎ去るのを待つしかないのだと、静かにしていることにした。
「いいわ!いいわよ!!ティナ!うふふふふふ。本当、あの父子にはちょっとイライラしてたのよ。よくも私のティナを縛り付けてくれたわ。おかげで私はなかなか会えなかったのよ!
ちょっと後でダメ押ししつつ、指をさして大笑いしてきてやるわ!!!」
おーほほほほほっ!と悪役もびっくりな大笑いをしていたかと思ったら、今度はテオドールの存在に気付いたらしい。
「あら?あらあらあらあら?そこにいるのはテオじゃない?ここで何してるの?」
「ご無沙汰しております、大叔母上。お元気そうで何よりです。」
「しばらく見ないうちに大きくなったわねえ。嫌だわ、男の子って。あんなに可愛かったのに大きくなると可愛げって言うものが行方不明になるんだから。」
「おかげさまで。」
「それであなた、ここで何してるの?」
「ティナに求婚しに来たのと、今後の対策を練りに来たんですよ。」
「あなたまだ諦めてなかったの。まあそうね。いいことだわ。頑張りなさいな。
ところで、今後の対策って何のこと?」
「第二王子がティナに振られたのに、まだ諦めていないようなので、また囚われる前にティナの今後を考えておこうかと。」
「まあ!あのお利口ぶった第二王子ね。まったく、道理を弁えないのは親子そろって同じね。
なら結論は簡単。ティナ、さっさと荷物まとめて、領地へ行くわよ。確か、今夜は夜会があったわね。出ちゃだめよ。面倒なことになるから。」
揃いも揃って不敬な言葉がポンポン出てくる。隣国の王家の血筋は皆こうなのかもしれない。いや…どちらも王族だからいいのか…?いやいやそんな訳がない、外交問題になったらどうするんだと、クリスティーナはもう何も考えたくない気持ちになった。
そして第一王子の婚約者に収まってしまってから疎遠になってしまったはとこたちの顔を思い浮かべ、ああ…彼らも大きくなったんだろうなー元気かなーと現実逃避しそうになっていると、思いもよらぬ提案に驚いて思考が戻ってきた。
「お、おばあ様…そうは言いましても今夜は第二王子殿下の立太子に関する発表が…。あと、あの5人組の処理がまだ残ってますのよ…。さすがに今すぐは…。」
「馬鹿ね。そんなことしてたらまたなし崩しにされるわよ。後は私と父親に任せて、さっさとテオとここを出なさい。テオと婚約は結ぶのよね?その手続きも進めておくわ。」
「え、いえ、あの…私は醜聞だらけですし、テオ兄さまの足を引っ張ってしま…」
「醜聞だらけなのは王家であってクリスティーナではないでしょう?それに、たとえ引っ張ったとしても、テオがそんなこと気にするわけがないでしょう。むしろこの子はそれを逆手にとってなんだかんだと好きにやるわ。あなたも昔っからテオのことが好きなのだから、観念して結婚しなさい。」
「はぁ…。」
「さすが、大叔母上だ。よくわかっていらっしゃる。」
「…母上の醜聞具合に比べたら全然可愛いもんだしな…」
ベシッと扇子で叩かれて悶絶していた父は祖母に睨みつけられ、慌てて目を逸らし口をつぐむ。それを横目に祖母は続けた。
「テオは我が兄に似ていますからね。
いいこと?ティナ。あなたが今すぐできることは、王都から撤退することよ。今夜の夜会で立太子の発表をすることをあなたはもうすでに知っているのだから、わざわざ出る必要はないわ。
そもそも昨日の件だって、どうせあの能天気坊主の頼みを聞いてやった結果でしょう?これまでのことを考えても、これ以上、配慮してやる義理はないわ。こちらとしては義理は果たしたの。
夜会に出れば、あの腹黒気取りに、自分の婚約者はクリスティーナだと宣言されるか、みんなの前で求婚されて断れなくされるかのどちらかよ。そうなったらあなたは能天気坊主との約束をなし崩しに無しにされて、これ幸いと王家に囚われてしまうわ。
それに、立太子するならすでにほぼ婚約者な令嬢がいるのでしょう?もしそんなことが本当に起きたら、そのご令嬢とご実家の面目もたたず、最悪な関係になるわよ。後から撤回は難しいし、撤回できたところでもう一度婚約者として立ってくれはしないでしょう。そんな事になったら貴女が嫁ぐしか無くなってしまう。
だから、出てはだめ。あなたがいなければ、あの腹黒気取りは宣言できない。
どうせ世間知らずな坊ちゃんたちに与えたい罰についてはすでに提案済みなんでしょう。ならあなたがすることはもうないわ。あなたがすべきは王都から脱出して、羽を伸ばして疲れを癒すこと。そして、坊ちゃんたちの末路を遠い土地から笑い飛ばすことだけよ。
念のためテオとさっさと婚約を結んでおけばなお安全よ。」
クリスティーナはさすがにそこまでは想定していなかった。
昨夜の夜会であれだけ王家の醜聞を晒したのだから、翌日もそんなことが起きる可能性を考えてもみなかった。だが、こうして言われてみれば、むしろその求婚によって昨夜の醜聞を覆い隠すことを考え付くものがいないとも限らない。電撃的で、感動的な物語を作ることは容易なのだ。ここは祖母の言う通り、さっさと撤退するのが良いだろう。
「わかりました。おばあ様のご指示に従います。
テオ兄さま、本当に私でいいのですか?」
問いかけられたテオドールはクリスティーナの小さな手を握り込み、自身の口元に持っていく。
「もちろん。そのために僕は力を付けたんだ。君を昔も今も変わらず愛し続けているよ。一緒に幸せになろう?」
「はい…!私もテオ兄さまを心から愛しています。」
テオはクリスティーナをその腕の中に囲い込んだ。ようやく自分の腕に愛する存在を抱え込むことができたことに心から安堵し、幸せを噛みしめた。
「では叔父上、手配通り手続きをお願いします。」
「わかった。ティナ、幸せになるんだよ。
陛下にはティナの婚約の自由は約束させてある。安心してくれ。」
そういうと、父はぴらっと一枚の紙を差し出した。よく見れば婚約に必要な書類で、既に王のサインが入っている。あとはテオドールとクリスティーナがサインをすれば婚約が成立するようになっていてクリスティーナは心底驚いた。
「お、お父様…なんていうものを…!」
「ん?ああ。だってこれも婚約時の条件に組み込んでいたからね。有効期限が一応あったから、さっさと決まって良かったよ。さあサインして。
婚姻の日取りについては後日ね。あらかた片付いたら私も領地に向かう。あちらの国にも一度顔を出しておこう。
とりあえず領地で待っててくれ。気を付けて向かうんだよ。私はこの書類を貴族院に提出してくる。」
「あら。じゃあ私も行くわ。あの能天気坊主に釘を刺しておかなくっちゃ。久しぶりだからちょっと楽しみだわ。」
「母上…ほどほどにお願いしますよ。私が宰相につかなくてはならなくなった原因はあなただということをくれぐれも忘れないで下さいよ…!」
「もう!わかってるわよ!」
父が宰相に収まった原因が祖母によるものだということは知っていたものの、その詳細を知らなかったクリスティーナは一体何があったのやらと首をかしげ、質問をしようとしたところ、筆頭執事のダンがノックをし、入室の許可を願ってきた。
「入っていいぞ。」
「失礼いたします。
大旦那様が到着されましたのでお連れいたしました。」
「ミシェル…君もいい年なんだから、いい加減落ち着いてくれ。ジョルジュ、すまん。このじゃじゃ馬は年を食ってもじゃじゃ馬のままだ。まだ何もやらかしてないか?」
「ええ。父上。幸い未遂です。これから陛下のもとへテオ君とクリスティーナの婚約の書類を提出しに行こうかと考えていました。」
「まさかミシェルもついていこうとしていないだろうな…?ミシェル?」
急に静かになった祖母を不思議に思って室内を見渡すと姿が見えない。あれ?と思いながら探していると、父は頭を抱え、祖父はやられたという顔をし、テオドールはニヤニヤ笑っていた。
ダンを見れば、なんだか申し訳なさそうな顔をして祖母の行方について言及する。
「すでにお部屋を出られております…御者が可哀想な事になる前にどうぞお急ぎください…。」
こうして嵐は去っていった。
ぽつりと父がこぼした一言は、いつも通り祖母の耳に届くことはなかった。そしてここまで興奮した祖母が話を聞かない事を良く知っていた三人はとりあえず嵐が過ぎ去るのを待つしかないのだと、静かにしていることにした。
「いいわ!いいわよ!!ティナ!うふふふふふ。本当、あの父子にはちょっとイライラしてたのよ。よくも私のティナを縛り付けてくれたわ。おかげで私はなかなか会えなかったのよ!
ちょっと後でダメ押ししつつ、指をさして大笑いしてきてやるわ!!!」
おーほほほほほっ!と悪役もびっくりな大笑いをしていたかと思ったら、今度はテオドールの存在に気付いたらしい。
「あら?あらあらあらあら?そこにいるのはテオじゃない?ここで何してるの?」
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「しばらく見ないうちに大きくなったわねえ。嫌だわ、男の子って。あんなに可愛かったのに大きくなると可愛げって言うものが行方不明になるんだから。」
「おかげさまで。」
「それであなた、ここで何してるの?」
「ティナに求婚しに来たのと、今後の対策を練りに来たんですよ。」
「あなたまだ諦めてなかったの。まあそうね。いいことだわ。頑張りなさいな。
ところで、今後の対策って何のこと?」
「第二王子がティナに振られたのに、まだ諦めていないようなので、また囚われる前にティナの今後を考えておこうかと。」
「まあ!あのお利口ぶった第二王子ね。まったく、道理を弁えないのは親子そろって同じね。
なら結論は簡単。ティナ、さっさと荷物まとめて、領地へ行くわよ。確か、今夜は夜会があったわね。出ちゃだめよ。面倒なことになるから。」
揃いも揃って不敬な言葉がポンポン出てくる。隣国の王家の血筋は皆こうなのかもしれない。いや…どちらも王族だからいいのか…?いやいやそんな訳がない、外交問題になったらどうするんだと、クリスティーナはもう何も考えたくない気持ちになった。
そして第一王子の婚約者に収まってしまってから疎遠になってしまったはとこたちの顔を思い浮かべ、ああ…彼らも大きくなったんだろうなー元気かなーと現実逃避しそうになっていると、思いもよらぬ提案に驚いて思考が戻ってきた。
「お、おばあ様…そうは言いましても今夜は第二王子殿下の立太子に関する発表が…。あと、あの5人組の処理がまだ残ってますのよ…。さすがに今すぐは…。」
「馬鹿ね。そんなことしてたらまたなし崩しにされるわよ。後は私と父親に任せて、さっさとテオとここを出なさい。テオと婚約は結ぶのよね?その手続きも進めておくわ。」
「え、いえ、あの…私は醜聞だらけですし、テオ兄さまの足を引っ張ってしま…」
「醜聞だらけなのは王家であってクリスティーナではないでしょう?それに、たとえ引っ張ったとしても、テオがそんなこと気にするわけがないでしょう。むしろこの子はそれを逆手にとってなんだかんだと好きにやるわ。あなたも昔っからテオのことが好きなのだから、観念して結婚しなさい。」
「はぁ…。」
「さすが、大叔母上だ。よくわかっていらっしゃる。」
「…母上の醜聞具合に比べたら全然可愛いもんだしな…」
ベシッと扇子で叩かれて悶絶していた父は祖母に睨みつけられ、慌てて目を逸らし口をつぐむ。それを横目に祖母は続けた。
「テオは我が兄に似ていますからね。
いいこと?ティナ。あなたが今すぐできることは、王都から撤退することよ。今夜の夜会で立太子の発表をすることをあなたはもうすでに知っているのだから、わざわざ出る必要はないわ。
そもそも昨日の件だって、どうせあの能天気坊主の頼みを聞いてやった結果でしょう?これまでのことを考えても、これ以上、配慮してやる義理はないわ。こちらとしては義理は果たしたの。
夜会に出れば、あの腹黒気取りに、自分の婚約者はクリスティーナだと宣言されるか、みんなの前で求婚されて断れなくされるかのどちらかよ。そうなったらあなたは能天気坊主との約束をなし崩しに無しにされて、これ幸いと王家に囚われてしまうわ。
それに、立太子するならすでにほぼ婚約者な令嬢がいるのでしょう?もしそんなことが本当に起きたら、そのご令嬢とご実家の面目もたたず、最悪な関係になるわよ。後から撤回は難しいし、撤回できたところでもう一度婚約者として立ってくれはしないでしょう。そんな事になったら貴女が嫁ぐしか無くなってしまう。
だから、出てはだめ。あなたがいなければ、あの腹黒気取りは宣言できない。
どうせ世間知らずな坊ちゃんたちに与えたい罰についてはすでに提案済みなんでしょう。ならあなたがすることはもうないわ。あなたがすべきは王都から脱出して、羽を伸ばして疲れを癒すこと。そして、坊ちゃんたちの末路を遠い土地から笑い飛ばすことだけよ。
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クリスティーナはさすがにそこまでは想定していなかった。
昨夜の夜会であれだけ王家の醜聞を晒したのだから、翌日もそんなことが起きる可能性を考えてもみなかった。だが、こうして言われてみれば、むしろその求婚によって昨夜の醜聞を覆い隠すことを考え付くものがいないとも限らない。電撃的で、感動的な物語を作ることは容易なのだ。ここは祖母の言う通り、さっさと撤退するのが良いだろう。
「わかりました。おばあ様のご指示に従います。
テオ兄さま、本当に私でいいのですか?」
問いかけられたテオドールはクリスティーナの小さな手を握り込み、自身の口元に持っていく。
「もちろん。そのために僕は力を付けたんだ。君を昔も今も変わらず愛し続けているよ。一緒に幸せになろう?」
「はい…!私もテオ兄さまを心から愛しています。」
テオはクリスティーナをその腕の中に囲い込んだ。ようやく自分の腕に愛する存在を抱え込むことができたことに心から安堵し、幸せを噛みしめた。
「では叔父上、手配通り手続きをお願いします。」
「わかった。ティナ、幸せになるんだよ。
陛下にはティナの婚約の自由は約束させてある。安心してくれ。」
そういうと、父はぴらっと一枚の紙を差し出した。よく見れば婚約に必要な書類で、既に王のサインが入っている。あとはテオドールとクリスティーナがサインをすれば婚約が成立するようになっていてクリスティーナは心底驚いた。
「お、お父様…なんていうものを…!」
「ん?ああ。だってこれも婚約時の条件に組み込んでいたからね。有効期限が一応あったから、さっさと決まって良かったよ。さあサインして。
婚姻の日取りについては後日ね。あらかた片付いたら私も領地に向かう。あちらの国にも一度顔を出しておこう。
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「あら。じゃあ私も行くわ。あの能天気坊主に釘を刺しておかなくっちゃ。久しぶりだからちょっと楽しみだわ。」
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「もう!わかってるわよ!」
父が宰相に収まった原因が祖母によるものだということは知っていたものの、その詳細を知らなかったクリスティーナは一体何があったのやらと首をかしげ、質問をしようとしたところ、筆頭執事のダンがノックをし、入室の許可を願ってきた。
「入っていいぞ。」
「失礼いたします。
大旦那様が到着されましたのでお連れいたしました。」
「ミシェル…君もいい年なんだから、いい加減落ち着いてくれ。ジョルジュ、すまん。このじゃじゃ馬は年を食ってもじゃじゃ馬のままだ。まだ何もやらかしてないか?」
「ええ。父上。幸い未遂です。これから陛下のもとへテオ君とクリスティーナの婚約の書類を提出しに行こうかと考えていました。」
「まさかミシェルもついていこうとしていないだろうな…?ミシェル?」
急に静かになった祖母を不思議に思って室内を見渡すと姿が見えない。あれ?と思いながら探していると、父は頭を抱え、祖父はやられたという顔をし、テオドールはニヤニヤ笑っていた。
ダンを見れば、なんだか申し訳なさそうな顔をして祖母の行方について言及する。
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