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どうせなら欲しいものを作ろう

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ユシファンに事業の話をしてから数日後、屋敷にカインとマティアスを時間をずらして呼ぶことにした。
なぜこの2人なのかって?
それは私がこれから始める事業に最も適している人物だからだ。
…分かってる。攻略対象者に自分から関わりにいってることを。でもこれだけは諦められない。だって私の将来が関わっているから!

「さて、マティアス。今日はお忙しい中来てくれてありがとう。
さっそくだけど事業の話をしたいの。ユシファンから聞いているでしょ?」

「一応聞いているけど、なんで呼ばれたのかは分からない。僕が何の役にたつの?」

「いい質問ね、マティアス。マティアスには植物について教わりたいわ。特に香りについて。」

何を隠そうマティアスは植物大好き系男子なのだ。人相手だと本性を隠しているから植物に囲まれている時が1番気が楽なんだそう。
マティアスの魔法属性は氷だが、好きすぎるあまりか土の適性もあるらしい。

「香り?つまり植物の香りを使ったモノを作るっていうこと?」

そう、私は″香水″を始めとした、香りもの商品を流行らせようと思っている。この世界には香りを身に纏うといった習慣がない。
毎日お風呂には入っているが石鹸もほぼ無臭なため、つまらないのだ。
どうせなら毎日いい匂いを纏っていたい。

「そういうこと。マティアスには色々な香りがする植物を。
そして魔法が使える知り合いには香りが持続する保存魔法について協力してもらいたいと思ってるわ。
この2人の知識を合わせて香りモノを商品化したいの。
暇な時だけでいいから頼めるかしら?」

「まぁ、得意分野だしここに遊びに来るついでだったら全然いいよ。
そのかわり試作品ができたら1番に見せてよ?」

「ええ!!約束するわ!ありがとう!!」

マティアスは次回までに人受けが良さそうな植物を持ってきてくれると約束してくれて、帰っていった。
次はカインね。忙しいって理由で断られそうだけどカインしか頼れる人がいない。どうにかして協力してもらわなきゃ!
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