上 下
15 / 22

目覚め

しおりを挟む

「…ん」

あれ…?私、魔法士団に魔力検査しにきて…それで…?

「「「ベリーチェ(様)!!!」」」

あれ?お父様にお母様、それにユシファンまで…
あぁ、そっか、私倒れたのか。私の検査結果はどうなったんだろ?

「ベリーチェ様、目覚められてよかったです。
ベリーチェ様が倒れられた原因は、魔力暴走だと考えられます。
ベリーチェ様は自己防衛力が普通の方よりとても高いみたいで、急に体内に他者の魔力が入ってきて自衛しようとし、魔力が暴走してしまったみたいです。普段はこんなことはないのですが…申し訳ありません。配慮が足りませんでした。」

魔力が…暴走?
ということは私、適性あるの!?

「あ、あの!私に魔力適性があるってことですか!?」

「はい。魔力暴走した時点で、魔力がないことはありえません。
…ですが。分からないのです。
魔力検査したら普通、その方の魔力がどの属性かや、魔力量、スキルなどが記録されるのですが、貴方の記録は名前だけ。
名前だけしか記録に残らないというのは魔力適性がない人と同じ現象なのです。」

「え…そんなことって…」

「今までの歴史の中で、魔力があるが記録に残らなかった方はいません。
こちらでも色々調べてみます。
今日のところはおかえり頂いて構いません。何か分かればすぐに連絡致します。
でももし、魔力に関してなにか分かったり、問題があればすぐに魔法士団に来てくださいね」

「わかりました…。」

魔力自体はあるのに魔力が記録されないなんて…。やっぱり、ゲームのようにベリーチェは魔法使えないのかも…。
なんだか落ち込みながらトボトボ馬車へ向かっていると、

「ベリーチェ。本当に大丈夫かい?なんだったら配慮が足りなかった魔法士団に圧をかけてもいいんだぞ?」

「そうよ、ベリーチェちゃん。そうしましょう。
今回は大丈夫だったけど、もしかしたら頭を打ったり怪我してたかもしれないのよ」

「私も賛成です。
いくら実例がないとはいえ、大切な公爵家の令嬢を預かっていたんです。あちらに責任を問うべきです。」


…お父様。お母様。そしてユシファン。
みんなベリーチェに対して過保護すぎでしょ!?

「いいえ。心配をして下さるのは嬉しいのですが、私が唯一の例外だった訳ですし、お母様のいうように今回は怪我してません。
これから今回のようなことが起こらないように対策が成されるでしょうから大事にはしないでくださいませ。」

「ベリーチェがそういうならいいが…」

「それより私、お買い物がしたいです!
早く行きましょう!!」

そういってお父様とお母様を馬車に押し込み、ユシファンの手を引いて馬車に乗って街まで移動した。
その間ユシファンは
「私は納得してませんからね」
と少し怒っていた
本当に過保護な執事だこと!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした

葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。 でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。 本編完結済みです。時々番外編を追加します。

【完結】側妃は愛されるのをやめました

なか
恋愛
「君ではなく、彼女を正妃とする」  私は、貴方のためにこの国へと貢献してきた自負がある。  なのに……彼は。 「だが僕は、ラテシアを見捨てはしない。これから君には側妃になってもらうよ」  私のため。  そんな建前で……側妃へと下げる宣言をするのだ。    このような侮辱、恥を受けてなお……正妃を求めて抗議するか?  否。  そのような恥を晒す気は無い。 「承知いたしました。セリム陛下……私は側妃を受け入れます」  側妃を受けいれた私は、呼吸を挟まずに言葉を続ける。  今しがた決めた、たった一つの決意を込めて。 「ですが陛下。私はもう貴方を支える気はありません」  これから私は、『捨てられた妃』という汚名でなく、彼を『捨てた妃』となるために。  華々しく、私の人生を謳歌しよう。  全ては、廃妃となるために。    ◇◇◇  設定はゆるめです。  読んでくださると嬉しいです!

【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜

高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。 婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。 それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。 何故、そんな事に。 優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。 婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。 リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。 悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。

宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました

悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。 クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。 婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。 そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。 そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯ 王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。 シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯

【完結】お世話になりました

こな
恋愛
わたしがいなくなっても、きっとあなたは気付きもしないでしょう。 ✴︎書き上げ済み。 お話が合わない場合は静かに閉じてください。

攻略対象の王子様は放置されました

白生荼汰
恋愛
……前回と違う。 お茶会で公爵令嬢の不在に、前回と前世を思い出した王子様。 今回の公爵令嬢は、どうも婚約を避けたい様子だ。 小説家になろうにも投稿してます。

妹がいなくなった

アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。 メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。 お父様とお母様の泣き声が聞こえる。 「うるさくて寝ていられないわ」 妹は我が家の宝。 お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。 妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?

処理中です...