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目覚め
しおりを挟む「…ん」
あれ…?私、魔法士団に魔力検査しにきて…それで…?
「「「ベリーチェ(様)!!!」」」
あれ?お父様にお母様、それにユシファンまで…
あぁ、そっか、私倒れたのか。私の検査結果はどうなったんだろ?
「ベリーチェ様、目覚められてよかったです。
ベリーチェ様が倒れられた原因は、魔力暴走だと考えられます。
ベリーチェ様は自己防衛力が普通の方よりとても高いみたいで、急に体内に他者の魔力が入ってきて自衛しようとし、魔力が暴走してしまったみたいです。普段はこんなことはないのですが…申し訳ありません。配慮が足りませんでした。」
魔力が…暴走?
ということは私、適性あるの!?
「あ、あの!私に魔力適性があるってことですか!?」
「はい。魔力暴走した時点で、魔力がないことはありえません。
…ですが。分からないのです。
魔力検査したら普通、その方の魔力がどの属性かや、魔力量、スキルなどが記録されるのですが、貴方の記録は名前だけ。
名前だけしか記録に残らないというのは魔力適性がない人と同じ現象なのです。」
「え…そんなことって…」
「今までの歴史の中で、魔力があるが記録に残らなかった方はいません。
こちらでも色々調べてみます。
今日のところはおかえり頂いて構いません。何か分かればすぐに連絡致します。
でももし、魔力に関してなにか分かったり、問題があればすぐに魔法士団に来てくださいね」
「わかりました…。」
魔力自体はあるのに魔力が記録されないなんて…。やっぱり、ゲームのようにベリーチェは魔法使えないのかも…。
なんだか落ち込みながらトボトボ馬車へ向かっていると、
「ベリーチェ。本当に大丈夫かい?なんだったら配慮が足りなかった魔法士団に圧をかけてもいいんだぞ?」
「そうよ、ベリーチェちゃん。そうしましょう。
今回は大丈夫だったけど、もしかしたら頭を打ったり怪我してたかもしれないのよ」
「私も賛成です。
いくら実例がないとはいえ、大切な公爵家の令嬢を預かっていたんです。あちらに責任を問うべきです。」
…お父様。お母様。そしてユシファン。
みんなベリーチェに対して過保護すぎでしょ!?
「いいえ。心配をして下さるのは嬉しいのですが、私が唯一の例外だった訳ですし、お母様のいうように今回は怪我してません。
これから今回のようなことが起こらないように対策が成されるでしょうから大事にはしないでくださいませ。」
「ベリーチェがそういうならいいが…」
「それより私、お買い物がしたいです!
早く行きましょう!!」
そういってお父様とお母様を馬車に押し込み、ユシファンの手を引いて馬車に乗って街まで移動した。
その間ユシファンは
「私は納得してませんからね」
と少し怒っていた
本当に過保護な執事だこと!
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