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婚約破棄
しおりを挟む卒業パーティーにはパートナーと出席する人が多い中、私は1人で堂々と会場に入った。
入るとすぐにクスクスとベルリーナを嘲笑う声が出て聞こえる。
「あら、ベルリーナ様。お一人ですか?…あぁ、ごめんなさい。殿下はプリシア様と、でしたね」
「プリシア様に嫉妬して虐めなんてしないで大人しくしてればいいものを」
ベルリーナは大人しくしてたけどね。
まあ何言っても、プリシアが被害者だと思っている人には通じないでしょうけど。
「しかも今日は随分とお洒落されたみたいで。貴方には貴方の心のようにくらーい色がお似合いですわ」
そういってその女はアイスコーヒーが入ってるであろうグラスをベルリーナにかけた。
「あらぁ、真っ白のドレスだったのにごめんなさぁい~手が滑ってしまってっ…!?」
「いえ、私にはかかっておりませんので。
それより早くお着替えされた方が宜しいのでなくて?もうパーティーは始まりますわよ」
「な、なんで――!?」
私は無視して会場の奥へと進んだ。
ほんの仕返しのつもりで本当に手元が狂うように魔法をかけただけだけれど、案外あのお方の驚いた顔は愉快でしたね。
「みなさん!ジルベルト殿下とプリシア様がいらっしゃったわよ!」
そう聞こえてそちらに目を向けた瞬間、プリシアと目があった。一瞬だが、ニタァと気味の悪い笑みを私に向かって浮かべた。
その時、ジルベルトが開始の挨拶を始めた。
「皆、卒業おめでとう。
これから卒業を祝うパーティーを始めたいと思うが、その前に。みんなも知っての通り、執拗にプリシアを虐め抜いた、この場にそぐわない者がいる。よって、みなで罪人を裁こう!!
――――ベルリーナ!!!
君はプリシアを虐め、酷い時には池に落としたこともあるそうじゃないか!!
この学園の池は深い。
池に落とすなんて、立派な殺人未遂だ。
犯罪者と結婚することはできん!
よって、ベルリーナとは婚約破棄し、プリシアと新たに婚約することを宣言する!」
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