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存在を世界に知らしめちゃおうかな編

68 戦闘開始

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何とか軍隊に追い付いた。別に追い付いたからってどうにかする訳では無いが。
軍隊は北西に向かって行軍している。人数は5000程度だろうか?軍隊としては小規模だな。何処かで合流でもするのだろう。俺は兎に角、戦闘が始まる場所を知りたいんだ。それは何故かって?この世界では戦争は長引かないからだ。長くても1週間程度で終わってしまう。理由は簡単だ。補給が間に合わないのだ。兵士の人数が多い程補給物資は沢山必要になる。しかし持っていける物資は限られる。後から補給部隊が来るだろうが、途中で魔物や盗賊に襲われれば、まともに戦地に届かないのだ。

そう言う理由もあり、本隊に空から付いて行っている。
それから3日進んだ所の平原で陣を敷いた。どうやらここで戦う様だ。う~ん・・・・戦うにはいい場所なんだんだが、相手が乗ってくるのか?確かに相手の国の山は目と鼻の先なんだけど・・・・相手は補給し放題なんじゃないか?

「魔王様、まだ人間に付いて回ってんの?私飽きたよ。」

「それなら樹海に戻るか?暫くはこのままだと思うぞ。」

「えー、それも嫌!でもこの後面白くなるんでしょ?それならもうちょっと待つよ。」

全く我儘娘が!思った事を口に出し過ぎなんだよ!人を不快にするって事を覚えろよな。
少しだけイラッとしたが何とか抑えて、これから人間がどうなるのか観察を続けた。
次の日から続々と他の街からの援軍が集まり、2日後には2万の軍勢が平原にはあった。
その間に敵のオルフェ国は山から降りて来て、迎撃の準備を整えていた。さあ、面白くなって参りました!明日にでも戦端が切って落とされそうな雰囲気だ。

その日の夜、俺達は離れた場所で小屋を作って休んでいたんだが、遠くからワーワーと騒いでいる声が聞こえたから小屋を出て空から見てみる。すると、サトノ国の陣営が攻撃されたみたいで、所々燃えていたりする。もう少し近くで見ようと飛んで行くと、カタパルトから火が付いた石がビュンビュン飛んで来る。オルフェ国の夜襲か。サトノ国の兵士達は混乱して逃げているだけでまだ纏まりが無い。追い討ちをかける様に矢がヒュンヒュンと飛んで来て兵士に刺さる。中々やりますな、オルフェ国は。
おおー、いつの間にかサトノ国の陣営は囲まれてんじゃないか!其処ら中から矢が飛んで来てるぞ。
あーあー、サトノ国大丈夫か?バンバン兵士が倒れてくぞ。おっ、あっちの方でやっと兵士が陣形を組んで反撃を始めたな。面白くなりそうだ。

「ねぇねぇ、何で人間同士で殺し合ってるの?戦争ってそう言う物だと思うんだけど、同族で殺し合う意味がよく分からないんだけど。」

さっきまで寝ていたフェアリンが、戦いを目の当たりにして基本的な質問をしてきた。

「そうだな、言うなればアレだ、縄張り争いだな。魔物にもあるだろ?ここは俺達の縄張りだから来るなってやつが。後、新しく来たヤツが縄張りを奪っていくってのもさ。」

「あー、それなら分かる!そう言う事かぁ!じゃあこのままどんどん殺し合って全滅したらいいのに。」

何か凄い事を言ってる様な気がするが、フェアリン達は人間に殺されそうになってたからそう思っても仕方無い事と思う。

しかしサトノ国の連中は夜襲があるとは思って無かったのか、右往左往するだけでやられっぱなしだな。斥候は放っていたんだろが、見つかって殺られたってとこか。斥候がちゃんと戻って報告していれば、準備もそれなりに出来て迎撃出来ていたと思うんだよ。おっ?さっき陣形を整えた部隊が何とかオルフェ国の囲みに穴を開けて外にでたぞ。でもあれじゃ人数が少ないな。大丈夫か?そう思っていると、サトノ国の陣営の中から魔法が飛んで来た。魔法使いが居たのか!成る程、これがサトノ国の秘密兵器なんだな。それで余裕をかましてしたと。
何人魔法使いが居るのか分からないが、魔法攻撃のお陰で所々穴が開いてそこから兵士が逃げて行く。

「ねぇ、魔王様、もうあれダメじゃない?逃げてる人が一杯いるよ?」

「どうだろうな。多分やられてる方が元々の人数が多いからな。それが何処かで集まればまだ反撃は出来るんじゃないか?」

「ふーん、そうなんだ。」

それから夜明けまで一進一退の攻防が続いて、膠着状態になった。朝日が登ると戦闘の惨状が良く見えて来た。こりゃスゲーわ。其処ら中に転がる死体で歩けるのか?って位だ。サトノ国の陣営は完全に崩壊しているが、中隊か小隊クラスの隊長が纏め上げている部隊が点々と8隊あるのが分かる。一方のオルフェ国の方は一ヵ所に纏まり陣形をしっかりとって攻撃に備えている。人数的にはまだサトノ国が多いか。でも8隊に別れてしまってるから1隊づつ撃破していけば或いは勝てるか?いや、挟み撃ちにあったらキツいか。そう言やあの町の別動隊はどうなったのかな?居るのか?まだ居ないよな。居たとしても隠れてるか。ここぞって時に出て来ないと意味ないもんな。

「動かないねー。」

「いや、動け無いんだよ。ほら、良く見てみろ。あそこに固まっているヤツらは沢山居るだろ?アイツらは周りにいる敵の小隊クラスヤツらが沢山居るから攻められないんだ。挟み撃ちされたら動きが取れなくなるからな。周りの小隊は人数が少なくて攻め込めない。仲間の小隊の方へ動けば狙われるからな。」

「ふーん、良く分かんないや。でもいつかは動くよね?」

「ああ、そりゃな。動いた方が負けるかもな。」

もう暫く膠着状態が続くと思われたが、以外と早く展開が動いた。





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