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存在を世界に知らしめちゃおうかな編
65 フェアリンの我儘
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夕方にフェアリンが目を覚ました。一瞬自分が何処に居るのか分からずにキョロキョロしていたが、目の前の俺に気付きフッと目を逸らした。
「フェアリン、何で鳥籠に入れられたか分かるか?」
「・・・・・・分かんない」
「それはな、お前が人間に狩られると俺が寂しいからだ。それにフェアリンが居なくなったら俺は仲間達に何と言えばいい?俺はそんな悲しい報告をしたくないぞ。フェアリンが俺の言う事を守れないなら樹海に返す。でも、ちゃんと俺との約束事を守るならあと1度だけチャンスをやろう。どうだ?」
「・・・・・・分かった」
もう完全に拗ねた子供だ。でもここで怒っても逆効果だ。俺はハルカで苦労したからな。しかし約束事を守る事を覚えさせれば、この先強力な仲間として役に立つ。これもハルカで実証済みだ。フェアリンなら諜報活動なんかで活躍しそうだし。
「じゃあ、約束事その1、勝手に俺の側を離れない。その2、人間に近づかない。その3、危ない事はしない。解ったか?」
「・・・・うん。魔王様の側を離れない、人間に近づかない、危ない事はしない。」
「ヨシ。ちゃんと守れよ。腹はどうだ?減ってないか?」
「お腹減った。」
「ヨーシ、飯を食べに行こう。フェアリンは鳥籠の中だぞ。でも人間の食べ物をちゃんと鳥籠に入れてやるからな。俺が作るよりも旨いかも知れないぞ。」
「ほ、本当?魔王様よりも?」
「ああ、本当だとも。ただフェアリンには味が濃いかも知れないがな。」
「人間の食べ物食べてみたい!魔王様早く行こう!」
どうやら食べ物屋でフェアリンの機嫌が直ったみたいだ。小さい子供のあやし方の基本だな、食べ物で釣るのは。
町中は仕事を終えた冒険者や、買い物に来た奴等でかなり賑わっている。これは城門がある街にもひけを取らない賑わいだ。食堂か酒場に空席はあるだろうか。マズイな。食堂や酒場の入り口で空席が無いか見て回るが、やはり満席ばかりだ。7~8軒回ってやっと空席がある食堂を見つけて席に着いた。
「らっしゃい!何にする?」
「お勧めの定食があればそれをくれ。」
「はいよ!今日は兎の良いのが沢山手に入ったから、兎のスープと兎のもも焼きの定食で良いかい?」
「ああ、頼む。」
兎か、久し振りだな。この世界に来たばかりの頃良く食べたな。前の世界で鶏肉に近いと聞いていたから、間違い無いだろうと思って、狩り捲って食べたんだよな。本当に鶏肉に近い感じで中々旨かった。ちょっとだけ筋肉質で堅かったが、噛みごたえがあって俺は好きだ。
そう言えばフェアリンの食器が1つしか無かったな。スープともも焼きを一度に渡せ無い。テーブルの裏側の木材を魔法を使ってスープ皿を作った。
「お待ちどー。兎定食ね!」
おお、かなりボリュームがある。これで銅貨12枚なら安い。早速スープを一口・・・・ウ~ム微妙だ。調味料は塩のみなのか?確かにこの世界では調味料は貴重だけど・・・・俺はバレない様に、インスタントスープの素(野菜)を兎のスープに少し混ぜてかき回して飲んでみた。んん~!旨い!これだよこれ!野菜の旨味と兎の旨味が合わさって、最高のハーモニーを奏でている。これならフェアリンも満足するハズ!フェアリン用のスープ皿にスープと煮込まれた肉を、もうひとつの皿にもも焼きを小さく切った物を乗せて、鳥籠に入れた。
『フェアリン待たせたな!兎のスープともも焼きだ。食べてみてくれ。』
『どこ?あ、あった!美味しそーだね!このスープ良い香りするね。』
さ、どうだ?クチに合うか?
『んまぁーーい!このスープ私が食べた中で一番美味しい!』
『そうか、良かったな。ゆっくり食え。』
ふう、これで俺も安心して食事が出来る。旨くなったスープを楽しみながら、少し堅いもも焼きにかぶり付く。最高だ。俺はフェアリンのお代わりのテレパシーを無視して食事を味わった。
部屋に帰ってからフェアリンを出すとブーブー五月蝿かったからアイテムボックスから桃を出して皮を剥いて食べさせてやった。このダンジョン産の桃は俺の大好物でもある。リンゴみたいに堅いのだが、甘味が強く水分も多い。喉の乾きと腹を満たせてくれる最高のフルーツだ。これを食べたお陰でフェアリンも機嫌を直してくれた。
満足したフェアリンは窓から通りを見ていた。
「に、人間ってあんなに一杯いるんだね。魔王様が出ちゃダメって言ったのが解った・・・・・」
人の多さにビビったみたいだ。
「やっと解ってくれたか。妖精1人なんかあっと言う間に捕まるからな。気を付けてくれよ。」
「・・・・うん。」
その日はフェアリンを鳥籠に戻さず、枕の上に寝かせてやった。俺は枕が無くて寝づらかったが、腕を枕にして何とか眠った。明日は山岳地帯のオルフェ国を見に行こう。
「フェアリン、何で鳥籠に入れられたか分かるか?」
「・・・・・・分かんない」
「それはな、お前が人間に狩られると俺が寂しいからだ。それにフェアリンが居なくなったら俺は仲間達に何と言えばいい?俺はそんな悲しい報告をしたくないぞ。フェアリンが俺の言う事を守れないなら樹海に返す。でも、ちゃんと俺との約束事を守るならあと1度だけチャンスをやろう。どうだ?」
「・・・・・・分かった」
もう完全に拗ねた子供だ。でもここで怒っても逆効果だ。俺はハルカで苦労したからな。しかし約束事を守る事を覚えさせれば、この先強力な仲間として役に立つ。これもハルカで実証済みだ。フェアリンなら諜報活動なんかで活躍しそうだし。
「じゃあ、約束事その1、勝手に俺の側を離れない。その2、人間に近づかない。その3、危ない事はしない。解ったか?」
「・・・・うん。魔王様の側を離れない、人間に近づかない、危ない事はしない。」
「ヨシ。ちゃんと守れよ。腹はどうだ?減ってないか?」
「お腹減った。」
「ヨーシ、飯を食べに行こう。フェアリンは鳥籠の中だぞ。でも人間の食べ物をちゃんと鳥籠に入れてやるからな。俺が作るよりも旨いかも知れないぞ。」
「ほ、本当?魔王様よりも?」
「ああ、本当だとも。ただフェアリンには味が濃いかも知れないがな。」
「人間の食べ物食べてみたい!魔王様早く行こう!」
どうやら食べ物屋でフェアリンの機嫌が直ったみたいだ。小さい子供のあやし方の基本だな、食べ物で釣るのは。
町中は仕事を終えた冒険者や、買い物に来た奴等でかなり賑わっている。これは城門がある街にもひけを取らない賑わいだ。食堂か酒場に空席はあるだろうか。マズイな。食堂や酒場の入り口で空席が無いか見て回るが、やはり満席ばかりだ。7~8軒回ってやっと空席がある食堂を見つけて席に着いた。
「らっしゃい!何にする?」
「お勧めの定食があればそれをくれ。」
「はいよ!今日は兎の良いのが沢山手に入ったから、兎のスープと兎のもも焼きの定食で良いかい?」
「ああ、頼む。」
兎か、久し振りだな。この世界に来たばかりの頃良く食べたな。前の世界で鶏肉に近いと聞いていたから、間違い無いだろうと思って、狩り捲って食べたんだよな。本当に鶏肉に近い感じで中々旨かった。ちょっとだけ筋肉質で堅かったが、噛みごたえがあって俺は好きだ。
そう言えばフェアリンの食器が1つしか無かったな。スープともも焼きを一度に渡せ無い。テーブルの裏側の木材を魔法を使ってスープ皿を作った。
「お待ちどー。兎定食ね!」
おお、かなりボリュームがある。これで銅貨12枚なら安い。早速スープを一口・・・・ウ~ム微妙だ。調味料は塩のみなのか?確かにこの世界では調味料は貴重だけど・・・・俺はバレない様に、インスタントスープの素(野菜)を兎のスープに少し混ぜてかき回して飲んでみた。んん~!旨い!これだよこれ!野菜の旨味と兎の旨味が合わさって、最高のハーモニーを奏でている。これならフェアリンも満足するハズ!フェアリン用のスープ皿にスープと煮込まれた肉を、もうひとつの皿にもも焼きを小さく切った物を乗せて、鳥籠に入れた。
『フェアリン待たせたな!兎のスープともも焼きだ。食べてみてくれ。』
『どこ?あ、あった!美味しそーだね!このスープ良い香りするね。』
さ、どうだ?クチに合うか?
『んまぁーーい!このスープ私が食べた中で一番美味しい!』
『そうか、良かったな。ゆっくり食え。』
ふう、これで俺も安心して食事が出来る。旨くなったスープを楽しみながら、少し堅いもも焼きにかぶり付く。最高だ。俺はフェアリンのお代わりのテレパシーを無視して食事を味わった。
部屋に帰ってからフェアリンを出すとブーブー五月蝿かったからアイテムボックスから桃を出して皮を剥いて食べさせてやった。このダンジョン産の桃は俺の大好物でもある。リンゴみたいに堅いのだが、甘味が強く水分も多い。喉の乾きと腹を満たせてくれる最高のフルーツだ。これを食べたお陰でフェアリンも機嫌を直してくれた。
満足したフェアリンは窓から通りを見ていた。
「に、人間ってあんなに一杯いるんだね。魔王様が出ちゃダメって言ったのが解った・・・・・」
人の多さにビビったみたいだ。
「やっと解ってくれたか。妖精1人なんかあっと言う間に捕まるからな。気を付けてくれよ。」
「・・・・うん。」
その日はフェアリンを鳥籠に戻さず、枕の上に寝かせてやった。俺は枕が無くて寝づらかったが、腕を枕にして何とか眠った。明日は山岳地帯のオルフェ国を見に行こう。
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