59 / 72
新たな仲間編
59 フェアリンとのんびり旅
しおりを挟む
妖精達をドライアドに押し付けて旅立とうとした時、フェアリンちゃんが飛んできた。
「魔王様、私だけは連れて行ってくれるでしょ?」
「何でだ?何でお前だけ連れて行くんだ?」
「だってー、私が魔王様の大きな力を感じて魔王様を呼びに行ったんだもん。当たり前じゃない。」
コイツは俺を魔王と知ってもへりくだる事は無く、彼氏か何かの様に話掛けてくる。こんな相手なら一緒に居ても疲れる事は無いのかな。
「・・・・お前の名前は何と言うんだ?」
「名前なんて無いわよ。ただの妖精よ。」
そうなんだ・・・・。森に住む者には種族名しか無いんだな。俺も種族名の魔王だし。てか自分の名前忘れただけだが。俺って自分の名前嫌いだったのかな?
「そうなのか。それじゃ、お前の名は今からフェアリンだ。行くぞ。」
「えっ!いいの!やったー!私の名前・・・フェアリン♪ウフフッ魔王様に名前貰っちゃった!もう魔王様とつがいだね♪」
訳の分からない事を言ってるが、明るくて面白いヤツだな。俺はフェアリンを連れて空へ飛び上がった。フェアリンを胸のポケットに入れて、軽く樹海の上を飛んでからテレポートでフェアリンと出会った森の上に跳んだ。
「あれ?あたしが居た森だ!魔王様、どうなってるの?」
「ん?ああ、一瞬で移動する魔法を使ったんだよ。」
「ええっ!?スゴーイ!魔王様スゴーイ!」
なんだろ・・・・本当に驚いてると思うんだが、頭の悪い女子高生に言われてる感がハンパ無い。
テレポートしてからは、ゆっくりと人里を探して飛んだ。
「フェアリンは森から出た事は無いのか?」
「無いよ。だって、人間に見つかると捕まるもん。」
そうだった。フェアリン達は襲われてたんだった。今日は街に行くのはやめよう。
「そうだったな。今日は行かないが、人間の街に行かなくてはならない時がある。その時は鳥籠の中に隠れて居てくれ。」
「うん。分かった。あの中の森、何も居ないからつまんないけど、安全だもんね。」
それは我慢して貰うしかない。俺が作った森だからな。でもダンジョンフルーツは食べられるぞ。前にハルカに種を植えて貰ったからな。
そろそろ晩飯の時間かな。辺りが赤く染まって来た。街道沿いに飛んでいたが、街道から離れて何も無い草地に降りて今日の小屋を作った。
「魔王様スゴーイ!人間の巣が一瞬で出来た!」
やっぱりなんか嬉しく無い。でも人間の巣って言うのは笑える。確かに家の中で子作りするもんな。
「さて、飯にするか。フェアリンは普段何を食べていたんだ?」
「私?んー、果物とか、魔物の死骸や人間の死骸とか?」
うっ・・・・な、中々ヘビーな食生活してんな。可愛い見かけだから果物は分かるとしても、死骸って・・・・
でもそうだな。俺達と変わらないって事だよな。うん。
「じゃあ、今から飯を作るから待ってろ。」
「えっ?狩りに行くの?私もいくよ!」
「・・・・違うぞ。人間はな、魔物や野菜を焼いたり、味を変えたりして食べるんだ。それを今からやるんだよ。」
「えー、焼くの?肉が固くなっちゃうよ!森火事の時焼けた魔物の肉食べたけど、固くて美味しく無かったもん。」
うっわー・・・・・生食専門かよ。でも俺も刺身とか食べてたから変わんねーか。
「まあ、ちょっと待ってろ。」
俺は鍋を取り出してインスタントスープの粉を入れて野菜、肉を入れて煮込んだ。今日は薄味にしとくか。フェアリンは味付けに慣れてないから、濃い味付けは辛く感じるだろう。それと煮込んでる間色々聞かないとな。
「なぁ、フェアリンは魔法は使えるのか?」
「んー、分かんない。でも遠くの仲間と話す事は出来るよ。」
おお、テレパシーは使えるのか!
『こんな感じか?』
『!?魔王様スゴーイ!』
・・・・そのスゴーイは口癖なのか?バカにしてないのは解るんだが・・・・・素直に喜べん。
「妖精は雌しか居ない様だったけど、どうやって増やしていくんだ?」
「えっとね、基本的には体が衰えてきたら繭を作って中で体を作り直すの。仲間が減ってきたら2~3人で繭を作って、自分の体を作り直すと同時に、一部を使って新しい命を生み出すんだよ。」
ほほう、面白い生体してんな。しかも自分で体を作り直すとか半永久的に生きていられるんじゃないか?いや、体が小さい分、そこまででは無いのか?
100~200年位は生きていられるのかな。
そんな話をしてたら鍋が煮えた様だ。味見をしてみると、となんとも言えない味。薄味過ぎたか?これでフェアリンの味覚を試してみよう。
「飯か出来たぞ。あっしまった!食器が無いのか。ちょっと待ってろ。」
体長15cm位のフェアリンに合う食器なんて作るしかない。土から親指の先くらいの深皿とスプーンとフォークを作って、細かくした具とスープを注いだ。
「ちょっと食べて見てくれ。」
スープとフォークの使い方を教えながらフェアリンにスープを食べて貰った。
「もぐもくもぐ・・・・不思議な味するね。でもこれ好きだよ。お代わり!」
気に入ったみたいだな。次はもう少し味を濃くしてみよう。それからフェアリンはお代わりを3回要求して、漫画のようにお腹が膨れていた。
「はー、食べたーー!魔王様、色んな味がして楽しいね!」
色んな味が楽しい?そうか!フェアリン達は1回の食事で1つの物しか食べて来なかったんだな。複数の物を食べるって事を知らなかったんだ。自然の中で生きるって大変だもんな。
俺もスープの味を濃くして鍋を美味しく食べて、その後は小屋に入って体を休めた。フェアリンか一緒に寝るとか言ってたが、寝てる時に潰してしまいそうだから鳥籠に入ってもらった。ちょっと恨めしそうな顔をしていたがそんなもんは知らん。安全第一だ。
「魔王様、私だけは連れて行ってくれるでしょ?」
「何でだ?何でお前だけ連れて行くんだ?」
「だってー、私が魔王様の大きな力を感じて魔王様を呼びに行ったんだもん。当たり前じゃない。」
コイツは俺を魔王と知ってもへりくだる事は無く、彼氏か何かの様に話掛けてくる。こんな相手なら一緒に居ても疲れる事は無いのかな。
「・・・・お前の名前は何と言うんだ?」
「名前なんて無いわよ。ただの妖精よ。」
そうなんだ・・・・。森に住む者には種族名しか無いんだな。俺も種族名の魔王だし。てか自分の名前忘れただけだが。俺って自分の名前嫌いだったのかな?
「そうなのか。それじゃ、お前の名は今からフェアリンだ。行くぞ。」
「えっ!いいの!やったー!私の名前・・・フェアリン♪ウフフッ魔王様に名前貰っちゃった!もう魔王様とつがいだね♪」
訳の分からない事を言ってるが、明るくて面白いヤツだな。俺はフェアリンを連れて空へ飛び上がった。フェアリンを胸のポケットに入れて、軽く樹海の上を飛んでからテレポートでフェアリンと出会った森の上に跳んだ。
「あれ?あたしが居た森だ!魔王様、どうなってるの?」
「ん?ああ、一瞬で移動する魔法を使ったんだよ。」
「ええっ!?スゴーイ!魔王様スゴーイ!」
なんだろ・・・・本当に驚いてると思うんだが、頭の悪い女子高生に言われてる感がハンパ無い。
テレポートしてからは、ゆっくりと人里を探して飛んだ。
「フェアリンは森から出た事は無いのか?」
「無いよ。だって、人間に見つかると捕まるもん。」
そうだった。フェアリン達は襲われてたんだった。今日は街に行くのはやめよう。
「そうだったな。今日は行かないが、人間の街に行かなくてはならない時がある。その時は鳥籠の中に隠れて居てくれ。」
「うん。分かった。あの中の森、何も居ないからつまんないけど、安全だもんね。」
それは我慢して貰うしかない。俺が作った森だからな。でもダンジョンフルーツは食べられるぞ。前にハルカに種を植えて貰ったからな。
そろそろ晩飯の時間かな。辺りが赤く染まって来た。街道沿いに飛んでいたが、街道から離れて何も無い草地に降りて今日の小屋を作った。
「魔王様スゴーイ!人間の巣が一瞬で出来た!」
やっぱりなんか嬉しく無い。でも人間の巣って言うのは笑える。確かに家の中で子作りするもんな。
「さて、飯にするか。フェアリンは普段何を食べていたんだ?」
「私?んー、果物とか、魔物の死骸や人間の死骸とか?」
うっ・・・・な、中々ヘビーな食生活してんな。可愛い見かけだから果物は分かるとしても、死骸って・・・・
でもそうだな。俺達と変わらないって事だよな。うん。
「じゃあ、今から飯を作るから待ってろ。」
「えっ?狩りに行くの?私もいくよ!」
「・・・・違うぞ。人間はな、魔物や野菜を焼いたり、味を変えたりして食べるんだ。それを今からやるんだよ。」
「えー、焼くの?肉が固くなっちゃうよ!森火事の時焼けた魔物の肉食べたけど、固くて美味しく無かったもん。」
うっわー・・・・・生食専門かよ。でも俺も刺身とか食べてたから変わんねーか。
「まあ、ちょっと待ってろ。」
俺は鍋を取り出してインスタントスープの粉を入れて野菜、肉を入れて煮込んだ。今日は薄味にしとくか。フェアリンは味付けに慣れてないから、濃い味付けは辛く感じるだろう。それと煮込んでる間色々聞かないとな。
「なぁ、フェアリンは魔法は使えるのか?」
「んー、分かんない。でも遠くの仲間と話す事は出来るよ。」
おお、テレパシーは使えるのか!
『こんな感じか?』
『!?魔王様スゴーイ!』
・・・・そのスゴーイは口癖なのか?バカにしてないのは解るんだが・・・・・素直に喜べん。
「妖精は雌しか居ない様だったけど、どうやって増やしていくんだ?」
「えっとね、基本的には体が衰えてきたら繭を作って中で体を作り直すの。仲間が減ってきたら2~3人で繭を作って、自分の体を作り直すと同時に、一部を使って新しい命を生み出すんだよ。」
ほほう、面白い生体してんな。しかも自分で体を作り直すとか半永久的に生きていられるんじゃないか?いや、体が小さい分、そこまででは無いのか?
100~200年位は生きていられるのかな。
そんな話をしてたら鍋が煮えた様だ。味見をしてみると、となんとも言えない味。薄味過ぎたか?これでフェアリンの味覚を試してみよう。
「飯か出来たぞ。あっしまった!食器が無いのか。ちょっと待ってろ。」
体長15cm位のフェアリンに合う食器なんて作るしかない。土から親指の先くらいの深皿とスプーンとフォークを作って、細かくした具とスープを注いだ。
「ちょっと食べて見てくれ。」
スープとフォークの使い方を教えながらフェアリンにスープを食べて貰った。
「もぐもくもぐ・・・・不思議な味するね。でもこれ好きだよ。お代わり!」
気に入ったみたいだな。次はもう少し味を濃くしてみよう。それからフェアリンはお代わりを3回要求して、漫画のようにお腹が膨れていた。
「はー、食べたーー!魔王様、色んな味がして楽しいね!」
色んな味が楽しい?そうか!フェアリン達は1回の食事で1つの物しか食べて来なかったんだな。複数の物を食べるって事を知らなかったんだ。自然の中で生きるって大変だもんな。
俺もスープの味を濃くして鍋を美味しく食べて、その後は小屋に入って体を休めた。フェアリンか一緒に寝るとか言ってたが、寝てる時に潰してしまいそうだから鳥籠に入ってもらった。ちょっと恨めしそうな顔をしていたがそんなもんは知らん。安全第一だ。
0
お気に入りに追加
113
あなたにおすすめの小説
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる