上 下
45 / 72
戦争介入編

45 戦闘開始

しおりを挟む
4日目の朝を迎えた。今日は何と言っても、戦うかも知れない日だ。2人には楽しんで欲しい。楽しむと言っても人殺しじゃ無いよ。戦いをだ。結果として人が死ぬってだけだ。戦いがあれば片方が生き残り、もう片方が死ぬ。それは仕方の無い事なんだ。ヒロシもハルカも人間が好きだ。だけど戦いもそれ以上に好きなんだ。だからこそ楽しんで貰いたい。

朝食が終わると、また集合が掛かった。

「総司令官様より訓示を頂く。心して聞く様に!」

・・・・・またかよ。もういいよ。昨日と同じ事を言うんだろ?

「あー、諸君、おはよう!遂にこの時が来た!テロリストを粉砕する時が!多くは言うまい。敵は5000と情報が来ておる。我が軍の半分以外だ。必ずや討ち滅ぼして凱旋しようぞ!」

「ウオオオオオ!!!」

へー、あの街の領主5000も兵を集めたんだ。中々やるじゃん。あの街の規模からしたら2000人集めるのが一杯一杯だと思ったんだけどな。もしかしたら、他の国と繋がっているのかもね。

「ねえ、マオさん、すぐに戦争が始まるの?」

「昼前くらいじゃないか?いくら何でも敵の目と鼻の先で夜営はしないだろ?夜襲されたら目も当てられないからな。」

「フーン、そうなんだ。じゃ、慌てる必要無いのね。」

「ああ、午前中はのんびり準備体操でもしてたらいいんじゃないか?」

そんな事を話てたら軍が進み出した。簡単に勝てると思ってか、兵士や冒険者の顔には緊張感が無い。まあ、そんなヤツから本当の戦いになったら死ぬんだよな。今回は俺達が殆ど倒す予定だから死ぬ事は無いとは思うけど。

出発してからヒロシとハルカは軽い組み手をしている。準備運動ってとこか。

「おーい、あんまり集中し過ぎるなよ!置いてくぞー!」

「まっ、待ってーー!」

「うわっ!あんな先に行っちゃってる!」

2人が全力疾走で走ってくる。はえーな!?そんなに体力使うと最後までもたねぇぞ?

3時間後・・・・目的地に着いたみたいだ。ちょっとだけ盛り上がった丘の上に陣を取ったみたいだな。
かなり遠くに城門が見える。
この軍は4つに分ける様だ。東西南北に城門があるからだろうな。相手は5000人、こっちは12000人それを4部隊に分けたら1部隊3000人だ。そうなると敵は1点突破して1部隊づつ潰してくんじゃないのか?
それかこっちの他の部隊が集まって来た所で、半分近くの人数を手薄になった城門から出して後ろから強襲するとか?ま、それでも勝てる見込みは薄いけどな。

俺達は南門に配属された。部隊分けが終わって、南門前に来たが当然閉まっている。さて、俺達の出番だな。と思ったら部隊長が待機とか言い出した。

「ヒロシ、ハルカ行くぞ!」

「うん!」
「待ってました!」

俺達はスッと前に出て門をファイヤーボールで吹っ飛ばした。

「ヒロシ!ハルカ!行って来い!」

「「はい!!」」

「お、お、お前達ー!な、何をやっとるかー!!!」

部隊長が怒ってる。解るよ、待機だって命令されたんだろ?勝手に部下が突入したら責任問題だもんねぇ。中間管理職は辛いよねぇ。だけど知らねえよ!俺達部外者だし。コイツらになんか言っとくべきかな?いや、面倒臭いからいいや。

俺は空へ飛び上がりヒロシ達を追った。どうやら南門はハズレだったみたいだな。ヒロシ達は・・・・・いた!西門に行ったか。残念だがそこもハズレだ。500程度しか居ない。丁度良い、アイツらの戦いぶりをちょっと見てみるか。おっ、ヒロシが得意の壁を出してるな。ん?たった3枚だけか?そんなに弱く見えたのか?500もいるんだぞ、大丈夫か?ハルカは何をしている?うおっ!?ス、スゲーな・・・・剣でバスバス斬り倒してるな。流石ミスリル合金のショートソードってとこか。それにしても切れ味エゲツねぇ・・・・・ハルカが片手で首やら胴体を切断してやがる!ヒロシは意外だな。アースバレットでハルカを援護しながら、自分の周りの敵も同時に攻撃してる。戦闘狂のヒロシなら、自分の拳でガンガン殴り殺して行くと思ったんだけどな。
ヒロシもハルカも飛ばすなぁ。あっという間に半分は倒したぞ。あと200ちょいなら楽勝か。5分もあれば終わるだろう。あれ?急に敵の戦線が崩壊したぞ?指揮官が殺られたか?敵の兵士達は逃げ出す者が出て来ている。それを見たヒロシは魔法を止めて、本来の格闘戦を始めている。ヒロシもスゲーな。北斗○拳並だぞ!殴り飛ばすとかじゃ無くて、パンチのスピードが早すぎて、殴った所が穴が開いている。うーん、敵が殺られる瞬間に『ぺげぇー!』とか『ほげえー!』とか言ってたら面白いのにな。そんな暇も無いか。拳が当たった瞬間に体の一部が無くなってるんだからな。

程無くして戦闘が終わった。それにしても・・・・スゲー。この言葉しか出て来ない。周りには死体の山、山、山。

「お疲れさん。どうだった、人間と戦ってみて。」

2人の血塗れの服を、水魔法で洗い流しながら感想を聞いてみた。

「う~ん、全然手応えが無いね。ちょっと拍子抜けだよ。」

「そうね・・・・向かって来る人間も少なかったわね。」

「じゃ、もう少し人数が多い所に行って見るか?」

2人に桃を渡しながら聞いてみた。

「相変わらず美味しいね、ダンジョンフルーツは。僕は行ってみたい。ハルカは?」

「私もまだまだ戦えるわ。それに自分の限界はどの位か知りたいから行きたいわ。」

2人共まだ殺る気満々だ。敵が弱く感じるのは仕方無い。今までこの3人で戦闘訓練して来たんだから。

「それじゃ俺に掴まれ。敵のド真ん中に落としてやる。」

「「うん!」」

俺達は上空に飛び上がり、敵兵の塊を探した。城に一番近い北門に2000近くが見える。

「あそこに落とすぞ。いいか?」

「うん!」
「あれなら倒し概がありそうね!」

俺は北門の上に行きゆっくりと下に降りて行き50m位の高さから2人を敵兵のド真ん中に落とした。
2人は嬉しそうに笑いながら落ちて行った。





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である

megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

冷宮の人形姫

りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。 幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。 ※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。 ※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので) そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。 だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。 十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。 ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。 元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。 そして更に二年、とうとうその日が来た…… 

処理中です...