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ダンジョン攻略編

30 ボス戦

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俺達は10階層のボス部屋の扉の前にいる。

「ヒロシ、準備はいいな?」

「うん、大丈夫!」

「ハルカはどうだ?鳥籠の中に入っていても良いぞ。」

「嫌よ!もう大丈夫!逃げたりしないから。」

「・・・・別に逃げても構わないんだ。寧ろ、危なくなったら逃げろ。命の方が大事だ。無謀な事はするんじゃ無いぞ!」

「・・・・・分かったわ。」

「それじゃ行くぞ!」

石で出きている扉を開けると・・・・・岩だらけの砂漠だった。足元が砂よりは踏ん張りが効いていいが、岩や石がゴロゴロしていて咄嗟の時には辛いかも知れない。
そんな事より魔物だ。ボスを探さないと!既に狙われてるかも知れない。

「ヒロシは上を、ハルカは周りを警戒しろ。まだ探知魔法に反応が無いから何処から来るか分からん。」

「「了解!!」」

他の階層より2回り位小さいこの階層には魔物の反応が無い。どう言う事だ?俺達は周りを見渡せる中心へと警戒しながら歩き出した。
もうすぐ中心部に辿り着くといった所でその中心部付近に光の柱が立ちのぼった。光の柱からは体長3m位の魔物が2匹出てきた。見た目はライオン、尻尾は蛇の魔物・・・・こいつは『ぬえ』だな。俺達にはそこまで強敵じゃない。グリフォンみたいに飛ばれたらキツいが、飛ばないなら何とかなる。

「ヒロシは右のヤツをハルカは左のヤツを攻撃しろ。」

「分かったわ!」
「ヨシ!行くぞ!」

「尻尾に気を付けろよ!」

ヒロシは左手の盾を前に翳してゆっくり進んで行く。壁は使わない様だ。ぬえはヒロシの出方を見ている様だ。動かないぬえを見てヒロシが走り出した!ぬえのすぐ側まで来た時、得意のパンチを繰り出すが空振り、逆にぬえがヒロシの左腕に噛みついた。マズイ!と思ったが、小盾があった為、ぬえの牙がヒロシの腕には到達しなかった。これがヒロシの作戦だったのか、左腕の小盾を噛まれたまま右手でタテガミを掴み、ぬえの顎に膝蹴りを喰らわせた。
膝蹴りが強烈過ぎてぬえの口の中の小盾を砕き、ヒロシの腕に牙が突き刺さる。

「グワッ!・・・・痛てーー!!!!」

アホだ・・・・まあ、作戦としては間違っていないが、攻撃の強さを加減しないと・・・・

ぬえの顎も折れた様だ。ヒロシは右手でぬえの口を開き、左腕を引き抜いた。
あーあ、あれじゃ左腕使い物にならないだろうに・・・
おっ、ヒロシがキレたぞ!アースバレットを連射して、ぬえの目を潰しやがった。次は渾身の蹴りかよ・・・エグイわ・・・・ありゃ頭蓋骨が砕けてるわ。えっ?まだ攻撃するのか?うわっ、頭にストンピングの嵐かよ・・・あーあ頭がグチャグチャだよ。死んでるから止めてやれよ。

ハルカは・・・・全然攻撃が当たって無いな。それ処か、何発が攻撃を喰らってるじゃん。それでも目が死んでない。まだいけそうだな。あっ剣を取られた・・・・逃げた・・・・ふぅ、仕方無い俺の出番だな。最近お気に入りの魔法レーザーでぬえの頭を貫き仕留めました。レーザーって何って?水魔法を極限まで細く早く鋭く打ち出したものだ。何でも切れるんだぜ。

それから魔石を取り出すと、ぬえの死体は消えて魔方陣が2つ現れた。上の矢印と下の矢印。勿論上を選択する。

「2人共集合!帰るぞ。」

3人で上の矢印の魔方陣に乗るとダンジョンの1階層に出た。えっ?9階層に出るんじゃないの?ま、いいや。9階層の村人は3割しか戻って来ないとか言ってたけど、それって負けて逃げ帰ったヤツらじゃないの?殆どは勝ってここに送られて来たんじゃ・・・・・

おっとそれより、ヒロシの怪我だ。回復魔法で治してやらないと。ヒロシの左腕を綺麗に治してからみんなで着替えて街に戻って来た。

「ダンジョンはどうだった?」

「僕は楽しかったけど、最後のヤツは失敗しちゃった。力くらべで勝ちたかったんだ。」

「わたしは・・・・もっと戦えないとマオさんとヒロシの足手まといになる事が分かったわ。魔王城に帰ったら訓練する!」

「そうか、でもまだもう少し街に居るから楽しんで来い。」

「「うん、有り難う!」」

それから3日街に滞在して、山の様な2人のお土産をアイテムボックスに収納して我が家に帰った。




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