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新魔王の明るい家族計画

13 家族

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鬼を倒して(気絶させてるだけ)魔王城に戻って来た。俺はオークの綾瀬○るかと同じ部屋に鬼を持って来た。
オークの綾瀬○るかは既に目覚めており、自分の肉体と置かれている状況に戸惑っている様だった。
部屋に俺と鬼が居る事に気付くと、敵意丸出しで吠えて来る。

「フッ、フゴーー!ブモー!!」

肉体が人間そのものになってるので、全然迫力がなく、怖くない。それに怯えもある様に聞こえる。

「よしよし、怖かったな。ビックリしちゃったんだろうな。済まなかったな。これから俺と一緒に暮らしてくれ。頼む。」

俺はにオークの綾瀬○るかを真っ直ぐ見つめて静かに言った。

するとオークの綾瀬○るかは興奮してたのが、少し治まり、吠えなくなった。怯えはある様だが。

気を失っている鬼を、オークから離した所に降ろして体を確認する。コイツは雄だな。下半身にかなりご立派なモノが見受けられる。
コイツは魔物としては人間に近いが、どうしようか・・・・
このまま人の言葉を教えた方が良いのかな?理解してくれるのか解らないんだよな。一生懸命教えたのに覚えませんでした。じゃ、辛すぎるからなあ。それならばオーク同様、完全に人型にしてしまった方が良いんじないのか・・・・・?
それの方が脳の大きさも大きくなるだろうし、学習能力も段違いの様な気がする。

自然の理りから一番掛け離れてる俺が言うのも何だが、自然のままの方が良い様な気もする。
俺は暫くその場で立ち尽くし、どっちが良いのか考えた。考えた結果、人間に改造する事に決めた。
理由としては、オークが鬼の自分より人間に近い形になっている事に、嫉妬するかも知れないと思ったからだ。俺は思い立ったらやる事が早い。

若い頃の舘ひ○しをイメージして魔法で鬼の肉体を細胞レベルから改造していく。鬼の肉体がグニグニ動いて変化していく。何か気持ち悪いな。5分程で完全に人間に変わった。見た目は『あぶ○い刑事』に出演していた頃の舘ひ○しだ。う~む、渋い!サングラス掛けてやりたい!
起きたら絶対暴れ出すので、オークの時同様魔法で檻を作って対策をしておく。

独りぼっちだった俺に家族が出来た・・・・・





世の中のお母さまご苦労様です。俺は異世界に来て初めて、子育てって大変なんだなと感じて折ります。
バカでかい3歳児を只今2人育てて折ります。(いや、1歳児か?)
力が飛んでも無く強いから、肉体強化して挑まないと生傷が絶えません。小便、う○こは垂れ流しだし、飯は手掴みで食べるし、言葉を教えようとしても、中々覚えようとしないし・・・もう大変です。

あ、2人の名前はオークが『はるか』で鬼が『ひろし』になりました!
独りでいた時には考えられない位忙しい日々を送って折ります。

1ヶ月経ってやっと俺を「魔王」と呼ぶようになりました。オークも、鬼も自分の名前は理解してるみたいで、呼ぶと俺に顔を向けてくれます。コレがまた可愛いんだよね~ムフフフ。

やっと最近はるかは、マーキングをしない様になりました。最初はここは自分の縄張りだと主張するかの様に、そこら中に小便を垂れ流していたものです。ひろしは「魔王ご飯」とねだる様になりました。
ひろしは賢いです。もうちゃんと決められた所で、トイレをする様になりました!もう感動です。思わず涙を流してしまいました。
まだまだ子育てはこれかからです。頑張りますよ!





・・・・・あれから10年位はたったのだろうか。
もうはるかもひろしも、日常会話は普通に出来る。
やっぱり人型に改造して正解だったな。
2人には色々教えたさ。言葉は勿論、礼儀作法、格闘武術、読み書きなど・・・・・2人とも言葉を覚えてからは飲み込みが早かった。自然界では覚えられない事は面白がって凄い早さで覚えていった。

「魔王、何処かいくの?」

「ああ、人間の街に買い物にな。」

「ふーん、またお留守番?」

「お前達にはまだ少し早いな。でもいつか必ず連れていってやるから今回は我慢しろ。」

「つまんなーーい」

「ひろしと外で狩りでもしたら良いじゃないか。」

「ひろしは足が早すぎて追い付けないもん。」

「それじゃ本を読んで人間の事を勉強したら良いんじゃないか?」

「えーー、解んない事出てきたら、魔王いないと解んないじゃん。」

もう本当に、言ってる事が小学生の6年生だ。体は大人だが。

「やる事は自分で決めなさい。それじゃあ、行ってくる。」

「はーい。お土産よろしく。」

俺は城から出て飛び上がり、人間の街を探しに行く。なぜ探すのかって?この大陸の全ての街を見たいじゃないか。前回は北方面に行ったから、今回は西に行ってみるか。西と言えば、あのドライアド元気かな?帰りにでも訪ねてみよう。
さあ、西方面の海岸近くまで行ってみよう!

そう言えば、ひろしが居なかったな。







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