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第十四話 ダンジョン間引きクエスト⑨

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「今日はここで一晩過ごす。交代で見張り番と休憩を取るように。」

 やっと明日で終わるんだな。まだ2日しかたってないが、内容が濃すぎて、もっと日にちが過ぎた様に感じた。見張り番をこなした後、泥の様に眠った。






休憩が終り、俺達は階段前に集合している。

「全員揃ったか?今から15階層に入る。中の魔物の量次第だが、そんなには長居しないつもりだ。軽く間引きして帰ろう!」

「第1部隊を前に隊列を組んで進め。」

 俺達は15階層への階段を降り始めた。
15階層の入り口でスタン隊長が、中の様子を伺っている。ほぼ誰も来ない階層だからな。確認はしっかりしないとな。
 スタン隊長から大丈夫のサインが出たので、隊列整えて進み出したその時ーー
目の前が眩しいオレンジ色の光りに包まれた。
(うぉ?何んだ何んだ?)
 前を歩いていた第1部隊の半分が見えない。後続の人が転んでいる。何か黒い炭の様なものに躓いたみたいだ。

「グギャャォォォー!」腹に響く鳴き声が轟く。

「ドドド、ドラゴンだー!」

 さっきのはドラゴンのブレスなのか!でもなぜフィールドにドラコンが居るんだ?ボス部屋に居るんじゃないのか?
 俺は驚き過ぎてその場にフリーズしてしまった。
ほかの冒険者、騎士は恐慌状態に陥り、てんでパラバラに逃げまどっている。

「ウギャーー!」
「た、助けてー!」
「あわわ・・・」

 ドラゴンは15階層の入り口に立ち塞がり、食事を楽しむかの様に冒険者逹を襲ってている。
 あまりの光景に、動けなくなった者が何人か見てとれる。その中にレイラ隊長の姿もあった。
「ハッ」っと、俺は我を取り戻し、レイラ隊長の元まで走り腕を掴んだ。

「隊長!逃げましょう!」

「あ、あ、あ・・・」

ダメだ、レイラ隊長は思考停止している。俺は腰のショートソードで、隊長のヘルムを軽く殴った。

「隊長ここはもうダメです。逃げますよ!」

「わ、わかった、いこう!」

 レイラ隊長も我を取り戻し、二人でフィールドの奥へ走る。何回も振り返りながら、ただ奥へと走った。無我夢中で走った。
途中、魔物を見かけたが無視して、ただ奥へと走った。
 どの位走ったのか・・・最奥に着いたのだろうか、ゴツゴツとした岩肌の壁が見えた。

「ハァハァ、た、隊長、あの壁まで行って横穴を探しましょう!」

「ハァハァ、分かった、ハァ、ハァ」

 数分後、何とか岩壁に辿り着いた。そして息を整えてから壁づたいに歩き出した。
(部隊は全滅だろうな・・・バイス逹も殺られてしまったのだろうか・・・)
 そんな事を思いながら横穴を探した。レイラ隊長の限界が近そうだ。重い鎧を着てあれだけ走ったんただ当たり前だろう。
暫く歩いていると、あるものを見つけた。

「レイラ隊長、あれ!」

と指を指す。

「扉?・・ボス部屋のような・・・」

「取り合えず行って見ましょう。中に魔物が居るかもしれませんが、ここに居てもドラゴンに食われるだけですし。」

「そうだな。行こう!」

 剣を片手にゆっくりと重いを扉を押して行く。少し開いた所で、頭だけ突っ込み中の様子を伺う。中は薄暗く、奥の方は見えないが、手前の方は危険が無さそうだ。

「問題無さそうです。魔物も見当たりません。」

「そ、そうか。中に入って休みたいな。入るぞ。」

俺達は、中に入り扉の側で腰を下ろした。二人とも既に限界だった。口の中の水分は無く、喉がカラカラだ。俺は防具を外し、上着と肌着を脱ぎ、肌着を口元に持っていき思いっきり絞った。ショッパイ汗が口の中を潤す。ふぅ、生き返る。

「すまない。鎧を外すのを手伝って貰えないか?」

 そう言ってレイラ隊長はヘルムを頭から外した。汗に濡れた肩より少し短い位の髪が現れ、次に鼻筋の通った美しい顔がお目見えした。

お、おぉー!美しい!ドストライクだ!背が高いから、筋肉ゴリラまでとはいかなくてくも、あまり綺麗なイメージは無かった。

「ハイヨロコンデー」

レイラ隊長の横にいき、鎧の留め具を外し鎧を頭から引き抜いた。

「ありがとう。」

 お礼を一言いうと、鎧の下に着ていた上着を脱いだ。
その時!俺の脳内スカウターが発動した。あの2つの膨らみは・・・カシャカシャチーン!Eカップいや、Fカップのおっぱいだ!
 俺の真似をして肌着の汗を飲むのか?と言う事は・・・丸見えに!
隊長の手が下にのびる。え?下?ズボン?
(オラ、ワクワクがとまんねーぞ!)
隊長はズボンのポケットからポーションを出して飲んだ。
(あーキラーアントの時2本渡したわ・・・)
ガックシである。
俺達は交代で休む事にした。






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