45 / 64
改稿前の内容です。
16~削除予定。
7 遠征前の下準備
しおりを挟む
模擬戦の閉幕から、白馬が目が覚めたのは二日後のことだった。
瞼を開けると、そこは病的なほどに白く染められた部屋で、僕は眠っていたようだ。
ベッドから身を起こして周りを確認をすると、白馬を心配そうに見つめる傭推と目が合った。
「やぁ、白馬君。お目覚めかい?うちの医療班は優秀だから、もう痛くないでしょ?」
怪我?そう言えば、ボスにぼこぼこにされたような?
「痛くはないですが?何だか記憶が曖昧で?」
「まあ、あれだけ派手にヤられれば、記憶をなくすよね」
少しくらい手加減してくれてもいいのに……。
「それはそうと、お目覚めしたばかりで悪いけど、ボスが話があるそうだから呼んで来るね」
「あ、はい」
話ってなんだろ?また何かの厄介事に巻き込まれないといいけど。
傭推はそう言って部屋の外へ消えた。二十分後…。ドアが開いて狂花が入ってくる。
「黒水、元気ー?」
手をブンブン振りながら入ってきた。白馬はゲンナリしながら模擬戦での不満を言う。
「模擬戦ですよね?僕を殺す気ですか!少しは手加減して下さい」
「殺す気なら死んでるよ。それより、聞きたい事があるんだろ。えーと、確か私のスリーサイズだっけ?上から84の…」
白馬は顔を真っ赤にしながら、慌てて否定の声を上げる。
「違います。僕が聞きたいのは、神についてです。ボスが知ってること全て教えて下さい」
「違うのか。まあ、良いけど。私の知ってることで良ければ教えてやるよ」
『まず、神とは運、才能、畏怖による創造、権力、徳の高い存在が崇拝されることによって生まれる』
『神とは奇跡による神格化、いわゆる偶然である。更に言えば運によるものだ』
『例えば、火を発明した人間が崇められるように、理解を越えた存在に対する畏怖の念を抱くこと、それすなわち神であると』
『大昔では、王や英雄を神格化する時代があった。神が敗れると悪神または邪神となり、勝利したモノが新たな神になる』
『私達の敵は、畏怖による創造によって生まれた神だ』
『畏怖による創造をわかりやすく話せば、小さい頃にトイレに行くのが怖いと感じたことはないか?』
『人間は闇に恐れ、光を称える』
『夜道を歩いて、暗闇に何かがいる、それを怖いと感じる。それも畏怖による創造だ』
『更に言えば、人間は自然という圧倒的な存在を感じ取って神は生まれた。これもまた畏怖による創造である』
『現代神は宗教における様々な神が居て、互いに信じる神が絶対であり、それ以外は悪神だと考える』
「私達の敵を簡単に話すと、いくつもの想像の集合体による神と戦うわけだ」
「でも、そんな敵に勝てるんですか?」
「勝算は無いかもしれない。しかし、挑まなければ負けはない。だが、勝つ事も出来ない」
「確かにそれはそうですが……」
「不安になるのはわかる。だから神の子を集めながら、お前には限界を越えてもらう」
限界を超える……この人簡単に言ってくれるなぁ。
「だが、その前にアンナプルナへ遠征に行く」
「遠征?僕が付いていって大丈夫なんですか?」
「もちろんお前を連れていくにはまだ早い。そのために遠征に行って大丈夫なレベルまで、お前には死ぬほど修行をつけてやる」
「……努力します」
「うん、頑張れ。今日はとりあえず、飯食って休め。明日から修行だ。私は寝る」
狂花はそう言って部屋の外へ消えた。
もし、ラノベやアニメの主人公なら、こんな時どうするんだろう?
僕は神について、もっと知らなければいけない気がする。
だけど、今はもう少し寝よう。白馬は布団を被り、眠りについた。
瞼を開けると、そこは病的なほどに白く染められた部屋で、僕は眠っていたようだ。
ベッドから身を起こして周りを確認をすると、白馬を心配そうに見つめる傭推と目が合った。
「やぁ、白馬君。お目覚めかい?うちの医療班は優秀だから、もう痛くないでしょ?」
怪我?そう言えば、ボスにぼこぼこにされたような?
「痛くはないですが?何だか記憶が曖昧で?」
「まあ、あれだけ派手にヤられれば、記憶をなくすよね」
少しくらい手加減してくれてもいいのに……。
「それはそうと、お目覚めしたばかりで悪いけど、ボスが話があるそうだから呼んで来るね」
「あ、はい」
話ってなんだろ?また何かの厄介事に巻き込まれないといいけど。
傭推はそう言って部屋の外へ消えた。二十分後…。ドアが開いて狂花が入ってくる。
「黒水、元気ー?」
手をブンブン振りながら入ってきた。白馬はゲンナリしながら模擬戦での不満を言う。
「模擬戦ですよね?僕を殺す気ですか!少しは手加減して下さい」
「殺す気なら死んでるよ。それより、聞きたい事があるんだろ。えーと、確か私のスリーサイズだっけ?上から84の…」
白馬は顔を真っ赤にしながら、慌てて否定の声を上げる。
「違います。僕が聞きたいのは、神についてです。ボスが知ってること全て教えて下さい」
「違うのか。まあ、良いけど。私の知ってることで良ければ教えてやるよ」
『まず、神とは運、才能、畏怖による創造、権力、徳の高い存在が崇拝されることによって生まれる』
『神とは奇跡による神格化、いわゆる偶然である。更に言えば運によるものだ』
『例えば、火を発明した人間が崇められるように、理解を越えた存在に対する畏怖の念を抱くこと、それすなわち神であると』
『大昔では、王や英雄を神格化する時代があった。神が敗れると悪神または邪神となり、勝利したモノが新たな神になる』
『私達の敵は、畏怖による創造によって生まれた神だ』
『畏怖による創造をわかりやすく話せば、小さい頃にトイレに行くのが怖いと感じたことはないか?』
『人間は闇に恐れ、光を称える』
『夜道を歩いて、暗闇に何かがいる、それを怖いと感じる。それも畏怖による創造だ』
『更に言えば、人間は自然という圧倒的な存在を感じ取って神は生まれた。これもまた畏怖による創造である』
『現代神は宗教における様々な神が居て、互いに信じる神が絶対であり、それ以外は悪神だと考える』
「私達の敵を簡単に話すと、いくつもの想像の集合体による神と戦うわけだ」
「でも、そんな敵に勝てるんですか?」
「勝算は無いかもしれない。しかし、挑まなければ負けはない。だが、勝つ事も出来ない」
「確かにそれはそうですが……」
「不安になるのはわかる。だから神の子を集めながら、お前には限界を越えてもらう」
限界を超える……この人簡単に言ってくれるなぁ。
「だが、その前にアンナプルナへ遠征に行く」
「遠征?僕が付いていって大丈夫なんですか?」
「もちろんお前を連れていくにはまだ早い。そのために遠征に行って大丈夫なレベルまで、お前には死ぬほど修行をつけてやる」
「……努力します」
「うん、頑張れ。今日はとりあえず、飯食って休め。明日から修行だ。私は寝る」
狂花はそう言って部屋の外へ消えた。
もし、ラノベやアニメの主人公なら、こんな時どうするんだろう?
僕は神について、もっと知らなければいけない気がする。
だけど、今はもう少し寝よう。白馬は布団を被り、眠りについた。
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~
飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。
彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。
独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。
この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。
※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。
ヒツネスト
天海 愁榎
キャラ文芸
人間の想いが形となり、具現化した異形のバケモノ━━『想獣』。
彼らは、人に取り憑き、呪い、そして━━人を襲う。
「━━私と一緒に、『想獣狩り』をやらない?」
想獣を視る事ができる少年、咸木結祈の前に現れた謎の少女、ヒツネ。
二人に待ち受ける、『想い』の試練を、彼ら彼女らは越える事ができるのか!?
これは、至って普通の日々。
少年少女達の、日常を描く物語。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる