不天退帰

七星北斗

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18.何でここに?

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 敵兵を後ろから襲撃したら、十分で方がついちゃった。

「敵影なーし、どうする?ゲームでもする?」

「ヨユーすぎて、パナいっしょ」

「パナい、パナイ、パイナップル。暇だからアニマルハンターやるっしょ?」

「うぃー」

 ごそごそとバックから取り出したのは、携帯ゲーム機である。

「アスモデウスさんにマモンさん、ゲーム何ってやってていいんですか?」

「いいんじゃない?」

「テキトーぐらいがベリーハッピーってね」

「怒られても知りませんよ」

「大丈ブイ」

「おお、レアアニマルのキングパンダ激熱」

 捕獲だー、と騒ぐ二人を他所に周りも気が抜けたのか、炭酸ジュースを片手に宴会を始めてしまった。

 有馬の兵士たちは、呆気に取られて唖然としている。

「どう収拾するんだよ」

 しかしおかしい、龍造寺の兵士が少なすぎる。今回の作戦が読まれていた!高橋会長の作戦が筒抜けだったということなのか?

 嫌な予感がする。まさかと思うが、我々の中に裏切り者がいるかもしれない。

 でもまあ、あっちには会長とレヴィアタンさんに、ルシファーさんがいるから大丈夫だな。

 考えすぎかもしれないが、妙に今回の戦争は、きな臭いというか。

「雑務君、焼きそばパン買ってきて。五分で、早く」

「あーしわ、ブルーベリーヨーグルトに炭酸ニンニクミルク。雑務、駆け足」

「わかりましたよ」

 何で僕が、小間使いのようなことをしなければならないのか。

 しかし焼きそばパンはわかるが、ヨーグルトに炭酸ニンニクミルクってチョイスおかしいだろ。

 シュワシュワで辛くて、牛乳でマイルドに…考えてたら、意外と合うかもしれないと思ってしまった。いや、そんわけはないと思い直す。

「このキングパンダ体力バグってない?」

「時間やばいよー、ピンチだよー」

「お困りですか?」

「あ、貴女は…誰っ!?」

「マルチ参加承認お願いします」

「ああ、はい」

「うん」

 この人は、誰だろう?

 って、エイム激ヤバっ、地雷の置き方上手いし。

「今です捕獲檻を仕掛けてください」

「言われずとも」

 キングパンダは、仕掛けた檻の中へおずおずと入った。捕獲完了をお知らせする。

「おめでとうございます」

「ありがとー」

「あざーす」

「あの一つお願いが」

「何?」

「捕獲したキングパンダを、もふらせていただいてもいいですか?」

 顔を見合わせた二人は、しょうがないなーと。自らのギルド控え室へ招待する。

「もふもふー」

 ゲームで遊び、きゃっきゃとはしゃぐ姿は、子供のようで見ていて和む。

「ところで貴女は誰?」

「私は、有馬ヘナと申します」

「有馬ヘナ…どこかで聞いたことがあるような?」

「あーしも、そんな気がしてきた?」

 …有馬ヘナ、長崎の君主じゃね?
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