49 / 118
光陰流水8
しおりを挟む
万利の選んだ拠点場所は、確かにキャンプ地として、高物件だった。
適度な広さがあり、水捌けがいい。
富士山には、特別保護地区という区域が存在する。
その区域内では、動植物を採取してはいけないのである。
富士の樹海も、本来は動植物の採取はNGなのだが、ヒーロー試験のためだけに、採取を許可されている。
ヒーロー試験終了後の、ヒーロー協会による、富士の樹海へのアフターケアもバッチリだ。
そもそも青木ヶ原樹海とは、山梨県側の富士山の麓、富士箱根伊豆国立公園内に広がる森林地帯のことだ。
「キャンプ設営と食料調達に、二手に分かれた方が効率いいかな?」
彼方は妙案だと、万利に発案した。
「止めた方がいいと思うよ。樹海は迷いやすいからさ、彼方は迷子さんになっちゃうよ」
万利の意見に彼方は頷いた。確かに少し歩いただけで、現在地がわからなくなる。
富士の樹海は迷いやすいので、彼方と万利は、別行動をするのは危険だと判断をした。
つくづく思うに、万利とチームを組んで良かったと、彼方は思う。
キャンプ設営に必要な資材を集めながら、食材になりそうなモノを探す。
見つかった野草は、たんぽぽ・ドクダミ・つくし・だった。
オマケにクサイチゴを見つけることができた。
弓切り式で彼方が火を起こすと、野草に火を通すことにした。
もちろん、鉄板や鍋はないため、岩盤焼を試してみた。
うん、なんか普通に焦げた…苦い。
万利も野草を口に入れた瞬間、渋い表情をしていた。
オマケのクサイチゴは甘くて、口の中の苦味が中和された。
万利はクサイチゴを口に入れると、ほわわわーんといった幸福な表情をする。
もう夕方だ。急いでキャンプ設営しないと、すぐに夜になってしまう。
彼方はキャンプ設営をしながら、万利に疑問を問いかける。
「キャンプ設営しないの?」
万利は、キャンプ設営に必要な資材を拾うこともなく、まさか土の上で寝るんじゃ?と心配する彼方。
そんな彼方を他所に、万利は地面に腰を下ろし、体育座りをしている。
「気にしないで、大丈夫だから」
と万利は言葉を繰り返す。
彼方のキャンプ設営が終わった頃、万利はあっち向いててと、彼方にお願いをする。
彼方は不審に思いながらも、万利と逆の方を向く。
すると衣擦れの音がして、彼方、自らの鼓動が速くなるのを感じた。
十数分すると、もう大丈夫と、万利は彼方に感謝を述べる。
彼方が振り返れば、驚くことに、立派なテントが!
地面には藁のようなものが敷き詰められ、万利はちょこんと、テントから顔だけを出している。
こんな立派なテント、どうやって作ったんだと、彼方は疑問を感じた。
適度な広さがあり、水捌けがいい。
富士山には、特別保護地区という区域が存在する。
その区域内では、動植物を採取してはいけないのである。
富士の樹海も、本来は動植物の採取はNGなのだが、ヒーロー試験のためだけに、採取を許可されている。
ヒーロー試験終了後の、ヒーロー協会による、富士の樹海へのアフターケアもバッチリだ。
そもそも青木ヶ原樹海とは、山梨県側の富士山の麓、富士箱根伊豆国立公園内に広がる森林地帯のことだ。
「キャンプ設営と食料調達に、二手に分かれた方が効率いいかな?」
彼方は妙案だと、万利に発案した。
「止めた方がいいと思うよ。樹海は迷いやすいからさ、彼方は迷子さんになっちゃうよ」
万利の意見に彼方は頷いた。確かに少し歩いただけで、現在地がわからなくなる。
富士の樹海は迷いやすいので、彼方と万利は、別行動をするのは危険だと判断をした。
つくづく思うに、万利とチームを組んで良かったと、彼方は思う。
キャンプ設営に必要な資材を集めながら、食材になりそうなモノを探す。
見つかった野草は、たんぽぽ・ドクダミ・つくし・だった。
オマケにクサイチゴを見つけることができた。
弓切り式で彼方が火を起こすと、野草に火を通すことにした。
もちろん、鉄板や鍋はないため、岩盤焼を試してみた。
うん、なんか普通に焦げた…苦い。
万利も野草を口に入れた瞬間、渋い表情をしていた。
オマケのクサイチゴは甘くて、口の中の苦味が中和された。
万利はクサイチゴを口に入れると、ほわわわーんといった幸福な表情をする。
もう夕方だ。急いでキャンプ設営しないと、すぐに夜になってしまう。
彼方はキャンプ設営をしながら、万利に疑問を問いかける。
「キャンプ設営しないの?」
万利は、キャンプ設営に必要な資材を拾うこともなく、まさか土の上で寝るんじゃ?と心配する彼方。
そんな彼方を他所に、万利は地面に腰を下ろし、体育座りをしている。
「気にしないで、大丈夫だから」
と万利は言葉を繰り返す。
彼方のキャンプ設営が終わった頃、万利はあっち向いててと、彼方にお願いをする。
彼方は不審に思いながらも、万利と逆の方を向く。
すると衣擦れの音がして、彼方、自らの鼓動が速くなるのを感じた。
十数分すると、もう大丈夫と、万利は彼方に感謝を述べる。
彼方が振り返れば、驚くことに、立派なテントが!
地面には藁のようなものが敷き詰められ、万利はちょこんと、テントから顔だけを出している。
こんな立派なテント、どうやって作ったんだと、彼方は疑問を感じた。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
My Doctor
west forest
恋愛
#病気#医者#喘息#心臓病#高校生
病気系ですので、苦手な方は引き返してください。
初めて書くので読みにくい部分、誤字脱字等あると思いますが、ささやかな目で見ていただけると嬉しいです!
主人公:篠崎 奈々 (しのざき なな)
妹:篠崎 夏愛(しのざき なつめ)
医者:斎藤 拓海 (さいとう たくみ)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる