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3章 第4部 逃走劇
151話 ルナたちの状況
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透とルナはレイジたちが逃走を開始してから、十六夜学園生徒会室で待機していた。現在伊吹がこちらに向かっているため、彼女の到着を待っている状況だ。
しばらく待っていると生徒会室の扉が開き、執行機関のエージェント長瀬伊吹があわてて入ってきた。
「ルナ、そっちの状況は今どうなっている?」
「カノンの件の対処は、すべて私に一任されました。なのでこれよりカノンを連れ戻すため動かなければなりません。伊吹の方はなにかつかめましたか?」
「いや、厳しい状況だ。那由他やレーシスが事前に様々な小細工をやっていてな。逃走手段も監視カメラへの裏工作で不明。執行機関の人員も何人か消えているから、どこかに立てこもり守りを固めているかもしれん」
額に手を当て、頭を悩ませる伊吹。
さすがになにも考えていない逃走ではないらしい。アポルオンの巫女の逃走という前代未聞の行為ゆえ、それ相応の計画を練っているのであろう。。
「あいつら昨日から忙しそうに動いていて、少し嫌な予感がしていたんだ。那由他がいる以上、向こうは年密な計画のもと動いているはず。さらにレーシス・ストレイガーは、裏方の仕事のスペシャリスト。打てる妨害対策は全部使ってくるだろう。完全に後手に回るしかない状況だ」
「――そうですか……。――ですが一つ、カノンたちが次にとる行動に心当たりがあります」
口惜しそうにする伊吹に、ルナは思考し光明をさす。
「なに!? ほんとか? ルナ!?」
「はい、現状カノンたちの捜索で、こちらの目は現実に向いている。となればアビスエリアで動きやすくなると思いませんか?」
「アビスエリアだと?」
「アイギス側からすれば、まずこの機にカノンをエデンから自由にするよう動くと思います。彼女を縛る最後の鎖。あれをアビスエリアの十六夜島から出て、引きちぎろうとするはず」
ルナは敵の策に惑わされず、冷静に分析を。
「確かにこちらの混乱の隙をつく、最善の手だろうな。那由他ならやりかねん。よし、その線でいこう。今から動かせる人員を選出してくる」
どうやらルナたちの方針は決まったらしい。くわしい内容はわからないが、レイジたちはアポルオンの拠点であるアビスエリアでなにかをしでかすとのこと。
現実でのカノンの捜索に躍起となっている今だと、こちらはエデンの方に目を向けるよゆうがない。なのでエデンでなにかあったとしても、駆けつけるのが遅くなってしまうだろう。確かに理にかなった見事な作戦である。
「伊吹、わかっているとは思いますが、エージェントの選出は慎重にお願いしますね。革新派、さらにはアイギス側の息がかかった者たちがいれば、情報が筒抜けになる恐れがありますので」
「わかっている。保守派側の、信頼できる奴らだけに声をかけるつもりだ。ただ、そのせいであまり戦力は用意できなくなってしまうが……。――はぁ……、やはり身内同士の争いとなるとやりづらい。どこに敵の息がかかっているかわからんからな。やはり透みたいな信頼できる戦力を、急きょ用意する必要があるなこれは」
伊吹は歯がゆそうに不満を。そして今後のことについて、真剣に思考し始めた。
一応透は今のアポルオンの現状について、話を聞かされている。革新派という派閥が今のアポルオンのあり方に刃向かい、裏で暗躍しているとか。なのでいくらアポルオン側の戦力であろうと、その者がどの派閥についているかで事態が急変する恐れが。ゆえにそうやすやすと戦力を投下できないというわけだ。
「厳しい状況ですが頑張りましょう。アビスエリアでカノンを確保。最悪強制ログアウトしてもかまいません。この事態を一時収束できれば、後から彼女を逃がさない監視体制を整えられますから。ここが踏ん張りどころですね」
ルナは席から立ち上がり、手をぐっとにぎりしめる。
「そうだな。じゃあ、透、話は理解できただろ? これよりアポルオンの巫女のデュエルアバター確保に動く。いい働きを期待しているぞ」
「了解した。伊吹の期待を裏切らないよう頑張るよ」
伊吹の期待を込めた視線に、敬礼しながら力強く答える。
「では、伊吹、透、アビスエリアに向かう準備をお願いします」
こうして透たちはエデンのアビスエリアへ向かう準備をするのであった。
しばらく待っていると生徒会室の扉が開き、執行機関のエージェント長瀬伊吹があわてて入ってきた。
「ルナ、そっちの状況は今どうなっている?」
「カノンの件の対処は、すべて私に一任されました。なのでこれよりカノンを連れ戻すため動かなければなりません。伊吹の方はなにかつかめましたか?」
「いや、厳しい状況だ。那由他やレーシスが事前に様々な小細工をやっていてな。逃走手段も監視カメラへの裏工作で不明。執行機関の人員も何人か消えているから、どこかに立てこもり守りを固めているかもしれん」
額に手を当て、頭を悩ませる伊吹。
さすがになにも考えていない逃走ではないらしい。アポルオンの巫女の逃走という前代未聞の行為ゆえ、それ相応の計画を練っているのであろう。。
「あいつら昨日から忙しそうに動いていて、少し嫌な予感がしていたんだ。那由他がいる以上、向こうは年密な計画のもと動いているはず。さらにレーシス・ストレイガーは、裏方の仕事のスペシャリスト。打てる妨害対策は全部使ってくるだろう。完全に後手に回るしかない状況だ」
「――そうですか……。――ですが一つ、カノンたちが次にとる行動に心当たりがあります」
口惜しそうにする伊吹に、ルナは思考し光明をさす。
「なに!? ほんとか? ルナ!?」
「はい、現状カノンたちの捜索で、こちらの目は現実に向いている。となればアビスエリアで動きやすくなると思いませんか?」
「アビスエリアだと?」
「アイギス側からすれば、まずこの機にカノンをエデンから自由にするよう動くと思います。彼女を縛る最後の鎖。あれをアビスエリアの十六夜島から出て、引きちぎろうとするはず」
ルナは敵の策に惑わされず、冷静に分析を。
「確かにこちらの混乱の隙をつく、最善の手だろうな。那由他ならやりかねん。よし、その線でいこう。今から動かせる人員を選出してくる」
どうやらルナたちの方針は決まったらしい。くわしい内容はわからないが、レイジたちはアポルオンの拠点であるアビスエリアでなにかをしでかすとのこと。
現実でのカノンの捜索に躍起となっている今だと、こちらはエデンの方に目を向けるよゆうがない。なのでエデンでなにかあったとしても、駆けつけるのが遅くなってしまうだろう。確かに理にかなった見事な作戦である。
「伊吹、わかっているとは思いますが、エージェントの選出は慎重にお願いしますね。革新派、さらにはアイギス側の息がかかった者たちがいれば、情報が筒抜けになる恐れがありますので」
「わかっている。保守派側の、信頼できる奴らだけに声をかけるつもりだ。ただ、そのせいであまり戦力は用意できなくなってしまうが……。――はぁ……、やはり身内同士の争いとなるとやりづらい。どこに敵の息がかかっているかわからんからな。やはり透みたいな信頼できる戦力を、急きょ用意する必要があるなこれは」
伊吹は歯がゆそうに不満を。そして今後のことについて、真剣に思考し始めた。
一応透は今のアポルオンの現状について、話を聞かされている。革新派という派閥が今のアポルオンのあり方に刃向かい、裏で暗躍しているとか。なのでいくらアポルオン側の戦力であろうと、その者がどの派閥についているかで事態が急変する恐れが。ゆえにそうやすやすと戦力を投下できないというわけだ。
「厳しい状況ですが頑張りましょう。アビスエリアでカノンを確保。最悪強制ログアウトしてもかまいません。この事態を一時収束できれば、後から彼女を逃がさない監視体制を整えられますから。ここが踏ん張りどころですね」
ルナは席から立ち上がり、手をぐっとにぎりしめる。
「そうだな。じゃあ、透、話は理解できただろ? これよりアポルオンの巫女のデュエルアバター確保に動く。いい働きを期待しているぞ」
「了解した。伊吹の期待を裏切らないよう頑張るよ」
伊吹の期待を込めた視線に、敬礼しながら力強く答える。
「では、伊吹、透、アビスエリアに向かう準備をお願いします」
こうして透たちはエデンのアビスエリアへ向かう準備をするのであった。
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