85 / 91
2章5部 ミルゼ教の儀式
vsクリスタルガーゴイル
しおりを挟む
現在アルスタリア前線基地跡地内で、復活した災禍の六大魔獣の一体であるクリスタルガーゴイルとの戦闘が開始されていた。
「ガァーーーーーッ!」
クリスタルガーゴイルは翼を羽ばたかせ飛翔。そして鋭利な爪を振りかぶり、ダイブしながらシンヤたち目掛けて突撃を。
「速い!?」
図体がでかいわりに思いのほか俊敏であり、シンヤたちの対応が遅れてしまう。
「とめてみせるー、たてよ、まもれー」
イオは前に出て、魔法で三メートルほどの巨大な盾を生成。クリスタルガーゴイルの攻撃を迎え打つ。
そしてクローと大盾が激突。なんとか受け止めることに成功した。
しかし防ぎ切ったかのように見えたが、徐々にヒビが。ダイブしてきた勢い、さらに巨体から繰り出される爪撃の威力はすさまじく、しだいに盾は押されていき。
「っ!? 受け止めきれないー!?
盾が破壊され、クリスタルガーゴイルの攻撃が襲い掛かってくる。
だが時間を稼いでくれたため、シンヤたちは後ろに飛び引き回避することに成功した。イオに関してはシンヤが抱きかかえ跳躍、一緒に逃れたという。
「このやろう! くらいやがれ! アインバレット!」
シンヤは後方へ着地と同時に、リボルバーの銃口を敵へ。引き金を引く。
さすがに身体がクリスタルで構成されているため、硬いはず。通常弾では効かないと判断していた。なので先ほどからシンヤの新必殺技、マナを凝縮した高威力の弾丸の一撃、アインバレットをいつでも撃てるようにスタンバっていたのだ。
必殺の弾丸は空を切り裂き、標的をぶち抜こうと飛翔する。
さらにレティシアもシンヤと同時に動いており、すでにカタナを振りかぶりながら敵の目の前まで飛びかかっていたという。
先に弾丸が猛威を振るおうとするが。
「ガァー!」
クリスタルガーゴイルは翼で身を包み、ガードしだしたのだ。
アインバレットは翼に直撃。さらに続けてレティシアの渾身の横一閃が炸裂する。
しかし。
「はじかれただと!?」
そう、シンヤの銃撃。さらにレティシアの斬撃どちらも、クリスタルで構成された翼に防がれてしまったのだ。しかも翼自体は二人の猛攻を受けても、軽く傷ついた程度。その強度のすさまじさはもはや計りしれなかった。
「それなら極光の斬撃で!」
トワもシンヤたちに続き攻撃を仕掛けようと。地を思いっきり蹴り、そのまま大振りしながら放たれた矢のごとく敵へ迫る。
「え?」
頼みの綱といっていい彼女の攻撃は、空振りに。なぜならクリスタルガーゴイルは、トワの攻撃が届く前に上空へと逃げたのだから。
しかもそれだけでは終わらない。クリスタルガーゴイルは即座に攻撃に転じ、シンヤたち目掛けて、猛スピードで突撃してくる。
「躱せ! みんな!」
その空中からの強襲を、みなギリギリ回避する。
対してクリスタルガーゴイルはそのまま上空へ舞い上がり、大きく旋回していた。
「くそ、あいつ、想像以上に厄介だぞ! 硬いのはもちろんだが、ああも飛び回られたら手出しができない」
シンヤとレティシアの攻撃を軽く凌いで見せたのもそうだが、飛び回ること自体反則レベルといっていい。上空に逃げられたら先ほどのトワみたいに、攻撃そのものが当たらないのだから。しかもあのようにヒットアンドアウェーされると、手だしするのが非常に困難であった。
そういってる間にも、クリスタルガーゴイルが再びシンヤたちへ強襲してくる。
「でも突っ込んでくるのがわかってるならー」
イオが再びシンヤたちの前へ。また盾で防いでくれるのかと思いきや。
「たいけんよ、なぎはらえー」
彼女は魔法でマナで生成された四メートルほどの巨大な淡い緑色の大剣を生成する。そして大剣を空中でフルスイング。バットで投げられたボールを打ち返すかのように、クリスタルガーゴイルへ斬りかかった。
「うまい!」
タイミングはバッチリ。マナの大剣は完全に標的をとらえており、このままいけばカウンターの要領で特大の斬撃をお見舞いできるはず。
「ガァーッ!?」
しかし斬撃が敵の胴体に入る前に、クリスタルガーゴイルが急遽翼を前へ展開。さきほど見せたように、身を包み守りだした。
マナの大剣は翼でガードするクリスタルガーゴイルを斬りながら、はじき飛ばす。
「くっ、またガードしやがった」
見た感じ翼はまだまだ健在。浅く傷を与えた程度である。
クリスタルガーゴイルが地面に足を付け、翼を再び展開し態勢を整えようとした瞬間。
「レティシア!?」
「はぁーーーっ!」
なんとレティシアがすでに敵の懐に、潜り込んでいたのだ。
どうやら彼女は持ち前の俊足で、瞬く間に間合いを詰めたらしい。はじかれていった瞬間からこの刹那の隙を見さだめ、動いていたに違いない。さすが凄ウデの冒険者だ。
レティシアはカタナをサヤから抜き放ち、抜刀。目にも止まらぬ高速の二連撃で、クリスタルガーゴイルの胴体を十字に斬り裂いた。
「ガァ~~~ッ!?」
クリスタルガーゴイルの胴体には、十字の斬撃の傷跡が。どうやら身体の部分はそこまで強度はないらしく、攻撃さえ入ればなんとかダメージは与えられそうだ。
「くっ、翼ほどじゃないけど、やっぱり硬い」
普通の敵ならば、深々斬り裂いていたほどの一撃だったのだろう。レティシアはくやしそうに、つぶやく。
「ガァーッ!」
クリスタルガーゴイルは、即座に今だ空中にいるレティシア目掛けてウデを振り下ろす。
レティシアは攻撃にすべて専念していたため、無防備状態。鋭利な爪が彼女を引き裂こうとするが。
「させないぜ! アインバレット!」
その光景を攻撃察知により事前に見切っていたシンヤが、すでに動いていた。敵のクリスタルのクローの軌道上に、必殺の弾丸を放っていたのだ。
これにより敵の攻撃を止めることに成功する。
「ありがと! さすが、シンヤ! 信じてた!」
その間にレティシアは地面に着地し、距離をとる。
どうやらシンヤのカバーが入るのを見越した上での、突貫だったようだ。
「今度は逃がさないんだから! はぁぁぁ!」
シンヤたちの猛攻はまだ終わらない。
というのもトワが、クリスタルガーゴイルの頭上をとっていたのだ。そして大振りで縦に振り下ろされる極光の斬撃。
しかしクリスタルガーゴイルは翼で身を包み、ガードされる。
「そんな効かないなんて!?」
今度は当たる極光の一撃であったが、傷を与えるだけ。クリスタルの翼で阻まれてしまった。ソウルアーマーの大盾のときのように、いくら魔のモノに対して効果抜群の極光でも、防がれてしまってはたいしたダメージは与えられないようだ。
「くっ、トワの極光の力でも、あの翼はやれないのかよ」
クリスタルガーゴイルは上空に飛び立つ。
「ガァァーーーッ!」
そしてクリスタルガーゴイルは翼にマナをまとわせ、全力で羽ばたいてきた。
「やばい!?」
シンヤは攻撃察知で、いち早く敵の攻撃を見抜く。
クリスタルガーゴイルは風の魔法で、シンヤたちをまとめてなぎ払おうとしていたのだ。問題はあまりに全体攻撃すぎて、回避のしようがないことであり。
「みんな全体技がくるぞ」
忠告した瞬間、荒れ狂う暴風が放たれる。ここのアルスタリア前線基地の防壁など軽く砕くほどの強烈な突風が、まるで巨大なムチのように前方をなぎ払った。
「くっ!?」
これには全員が吹き飛ばされ、ダメージをくらってしまう。
「みんな無事か」
「ええ、なんとかね」
「――うぅ……、あちこちイタイよ」
「まだいけるー」
よろよろと立ち上がるシンヤたち。
「ガァーーーーーッ!」
クリスタルガーゴイルは上空でおたけびをあげる。そしてシンヤたちの回りを旋回しだした。
こちらを射貫く視線はまるで狩人のものであり、シンヤたちの動きを見さだめている。どうやらさきほどまでの反撃により、警戒させ本気にさせたみたいだ。
「ガァーーーーーッ!」
クリスタルガーゴイルは翼を羽ばたかせ飛翔。そして鋭利な爪を振りかぶり、ダイブしながらシンヤたち目掛けて突撃を。
「速い!?」
図体がでかいわりに思いのほか俊敏であり、シンヤたちの対応が遅れてしまう。
「とめてみせるー、たてよ、まもれー」
イオは前に出て、魔法で三メートルほどの巨大な盾を生成。クリスタルガーゴイルの攻撃を迎え打つ。
そしてクローと大盾が激突。なんとか受け止めることに成功した。
しかし防ぎ切ったかのように見えたが、徐々にヒビが。ダイブしてきた勢い、さらに巨体から繰り出される爪撃の威力はすさまじく、しだいに盾は押されていき。
「っ!? 受け止めきれないー!?
盾が破壊され、クリスタルガーゴイルの攻撃が襲い掛かってくる。
だが時間を稼いでくれたため、シンヤたちは後ろに飛び引き回避することに成功した。イオに関してはシンヤが抱きかかえ跳躍、一緒に逃れたという。
「このやろう! くらいやがれ! アインバレット!」
シンヤは後方へ着地と同時に、リボルバーの銃口を敵へ。引き金を引く。
さすがに身体がクリスタルで構成されているため、硬いはず。通常弾では効かないと判断していた。なので先ほどからシンヤの新必殺技、マナを凝縮した高威力の弾丸の一撃、アインバレットをいつでも撃てるようにスタンバっていたのだ。
必殺の弾丸は空を切り裂き、標的をぶち抜こうと飛翔する。
さらにレティシアもシンヤと同時に動いており、すでにカタナを振りかぶりながら敵の目の前まで飛びかかっていたという。
先に弾丸が猛威を振るおうとするが。
「ガァー!」
クリスタルガーゴイルは翼で身を包み、ガードしだしたのだ。
アインバレットは翼に直撃。さらに続けてレティシアの渾身の横一閃が炸裂する。
しかし。
「はじかれただと!?」
そう、シンヤの銃撃。さらにレティシアの斬撃どちらも、クリスタルで構成された翼に防がれてしまったのだ。しかも翼自体は二人の猛攻を受けても、軽く傷ついた程度。その強度のすさまじさはもはや計りしれなかった。
「それなら極光の斬撃で!」
トワもシンヤたちに続き攻撃を仕掛けようと。地を思いっきり蹴り、そのまま大振りしながら放たれた矢のごとく敵へ迫る。
「え?」
頼みの綱といっていい彼女の攻撃は、空振りに。なぜならクリスタルガーゴイルは、トワの攻撃が届く前に上空へと逃げたのだから。
しかもそれだけでは終わらない。クリスタルガーゴイルは即座に攻撃に転じ、シンヤたち目掛けて、猛スピードで突撃してくる。
「躱せ! みんな!」
その空中からの強襲を、みなギリギリ回避する。
対してクリスタルガーゴイルはそのまま上空へ舞い上がり、大きく旋回していた。
「くそ、あいつ、想像以上に厄介だぞ! 硬いのはもちろんだが、ああも飛び回られたら手出しができない」
シンヤとレティシアの攻撃を軽く凌いで見せたのもそうだが、飛び回ること自体反則レベルといっていい。上空に逃げられたら先ほどのトワみたいに、攻撃そのものが当たらないのだから。しかもあのようにヒットアンドアウェーされると、手だしするのが非常に困難であった。
そういってる間にも、クリスタルガーゴイルが再びシンヤたちへ強襲してくる。
「でも突っ込んでくるのがわかってるならー」
イオが再びシンヤたちの前へ。また盾で防いでくれるのかと思いきや。
「たいけんよ、なぎはらえー」
彼女は魔法でマナで生成された四メートルほどの巨大な淡い緑色の大剣を生成する。そして大剣を空中でフルスイング。バットで投げられたボールを打ち返すかのように、クリスタルガーゴイルへ斬りかかった。
「うまい!」
タイミングはバッチリ。マナの大剣は完全に標的をとらえており、このままいけばカウンターの要領で特大の斬撃をお見舞いできるはず。
「ガァーッ!?」
しかし斬撃が敵の胴体に入る前に、クリスタルガーゴイルが急遽翼を前へ展開。さきほど見せたように、身を包み守りだした。
マナの大剣は翼でガードするクリスタルガーゴイルを斬りながら、はじき飛ばす。
「くっ、またガードしやがった」
見た感じ翼はまだまだ健在。浅く傷を与えた程度である。
クリスタルガーゴイルが地面に足を付け、翼を再び展開し態勢を整えようとした瞬間。
「レティシア!?」
「はぁーーーっ!」
なんとレティシアがすでに敵の懐に、潜り込んでいたのだ。
どうやら彼女は持ち前の俊足で、瞬く間に間合いを詰めたらしい。はじかれていった瞬間からこの刹那の隙を見さだめ、動いていたに違いない。さすが凄ウデの冒険者だ。
レティシアはカタナをサヤから抜き放ち、抜刀。目にも止まらぬ高速の二連撃で、クリスタルガーゴイルの胴体を十字に斬り裂いた。
「ガァ~~~ッ!?」
クリスタルガーゴイルの胴体には、十字の斬撃の傷跡が。どうやら身体の部分はそこまで強度はないらしく、攻撃さえ入ればなんとかダメージは与えられそうだ。
「くっ、翼ほどじゃないけど、やっぱり硬い」
普通の敵ならば、深々斬り裂いていたほどの一撃だったのだろう。レティシアはくやしそうに、つぶやく。
「ガァーッ!」
クリスタルガーゴイルは、即座に今だ空中にいるレティシア目掛けてウデを振り下ろす。
レティシアは攻撃にすべて専念していたため、無防備状態。鋭利な爪が彼女を引き裂こうとするが。
「させないぜ! アインバレット!」
その光景を攻撃察知により事前に見切っていたシンヤが、すでに動いていた。敵のクリスタルのクローの軌道上に、必殺の弾丸を放っていたのだ。
これにより敵の攻撃を止めることに成功する。
「ありがと! さすが、シンヤ! 信じてた!」
その間にレティシアは地面に着地し、距離をとる。
どうやらシンヤのカバーが入るのを見越した上での、突貫だったようだ。
「今度は逃がさないんだから! はぁぁぁ!」
シンヤたちの猛攻はまだ終わらない。
というのもトワが、クリスタルガーゴイルの頭上をとっていたのだ。そして大振りで縦に振り下ろされる極光の斬撃。
しかしクリスタルガーゴイルは翼で身を包み、ガードされる。
「そんな効かないなんて!?」
今度は当たる極光の一撃であったが、傷を与えるだけ。クリスタルの翼で阻まれてしまった。ソウルアーマーの大盾のときのように、いくら魔のモノに対して効果抜群の極光でも、防がれてしまってはたいしたダメージは与えられないようだ。
「くっ、トワの極光の力でも、あの翼はやれないのかよ」
クリスタルガーゴイルは上空に飛び立つ。
「ガァァーーーッ!」
そしてクリスタルガーゴイルは翼にマナをまとわせ、全力で羽ばたいてきた。
「やばい!?」
シンヤは攻撃察知で、いち早く敵の攻撃を見抜く。
クリスタルガーゴイルは風の魔法で、シンヤたちをまとめてなぎ払おうとしていたのだ。問題はあまりに全体攻撃すぎて、回避のしようがないことであり。
「みんな全体技がくるぞ」
忠告した瞬間、荒れ狂う暴風が放たれる。ここのアルスタリア前線基地の防壁など軽く砕くほどの強烈な突風が、まるで巨大なムチのように前方をなぎ払った。
「くっ!?」
これには全員が吹き飛ばされ、ダメージをくらってしまう。
「みんな無事か」
「ええ、なんとかね」
「――うぅ……、あちこちイタイよ」
「まだいけるー」
よろよろと立ち上がるシンヤたち。
「ガァーーーーーッ!」
クリスタルガーゴイルは上空でおたけびをあげる。そしてシンヤたちの回りを旋回しだした。
こちらを射貫く視線はまるで狩人のものであり、シンヤたちの動きを見さだめている。どうやらさきほどまでの反撃により、警戒させ本気にさせたみたいだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
16
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる