灰被りステップガール 聖女が嫌でメイドを始めたら屋敷を訪れた騎士様に求愛されてしまいました。婚約破棄したいけど……もう遅い?

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全員キャスティングがおかしいシンデレラ

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 ねぇ、ステップガールって知ってる?

 みんなはメイド、メイドと一括ひとくくりで言っているけど、本当は仕事の内容で呼び名が違うんだってさ。

 たとえば、家政婦長ならハウスキーパー。
 乳母や子どもの世話をするならナースメイド、ご飯を作る人はキッチンメイド、みたいにね。

 まぁ現代日本で一生を終えた私なんて、メイド喫茶に居るお姉さんしか知らなかったんだけど。

 この世界に転生してから、そういう違いがあるんだってある人から教えてもらったんだ。


 そんな数あるメイドさんの中でもステップガールっていうのは、いわばサクラ要員。
 簡単に言っちゃえば、プライドの高いお貴族様が自分の財力を自慢するために臨時で雇う、数合わせのメイドさんみたいな感じかな?


 実際の仕事はいたってシンプル。

 お屋敷の前で雇い主やお客様を来るときは出迎えて、帰る時に見送るだけ。

 たったそれだけでお給料が貰えるんだから、結構割のいいアルバイトだと思うのよね。


 それで私はそのステップガールをやってるってわけ。

 勤務は週に二日で、朝と夕方の合わせてたったの六時間。

 それだけじゃ流石に生活ができないから、他の屋敷でも掛け持ちをしている。

 もちろん、そこでも私の仕事はステップガール。
 そんなこんなでこの仕事をもう一年ぐらい続けているから、お陰様でそれなりに板についてきたと思う。


 今も私は着慣れたメイド服に身を包み、職場である大きなお屋敷の前で雇い主の帰りを待っているところ。

 あ、ちょうど雇い主たちが帰ってきたわ!!



「お帰りなさいませ、旦那様、お嬢様」

「うむ、今戻った」
「ふんっ、暇そうにぼーっとしちゃって。随分と楽な仕事のようで羨ましいわね、サラ」


 ……うるさいな。

 楽なのは事実だけど、それを他人に言われるのは何となくしゃくだ。
 それに楽で良いんだよ、こっちはそれが目的でこの仕事をやっているんだからね!




 少しだけ自己紹介をさせてもらうと、私は転生者だ。前世の私はいわゆる社畜で、過労で死んだ。


 貯金もロクに使わずに昇天しちゃって、推しのアイドルにもっと貢げばよかったー!!
 なぁんて思って目覚めれば、まさかの異世界転生。

 しかも、かなり若返った身体で。


 なんでも、新しく用意した身体に不思議な魔法で魂を呼び寄せたらしい。
 おかげで私はピッチピチに若返り、サラという名前の十六歳ぐらいの女の子に生まれ変わった。

 ――聖女という余計なオマケつきで。


『お願いです、聖女様。この世界に蔓延はびこる悪を浄化してくださいませ』


 私を召喚したらしい魔法使いの人は、国中に広がる悪い気のよどみ(瘴気とも言うらしい)を浄化して欲しいと言っていた。

 この世界には魔法があって、特に転生者は聖なる魔法が使えるようになるらしい。

 その浄化の力を目当てにわざわざ死んだ私の魂を呼び寄せたみたいなんだけど……。
 前世でエリートな社畜だった私には、ピーンと来てしまったんだよね。


 ――あ、コレはまたコキ使われてポイ捨てされるパターンのヤツや……!!


 馬以外にマトモな移動手段も無いこの世界で、それなりに広い国を回らなくちゃならないって絶対に過酷だ。

 しかもそれを別の世界から連れて来るって、外部委託の派遣社員を浪費する気満々じゃないの!!


 新しい人生を貰えた恩はあるけれど、二度も過労死なんてやってられるか!!


『い、いやです!! 私、絶対に聖女になんてなりません!!』


 だから私は聖女になるのを断固拒否させてもらった。

 世界とか国の危機なんて知ったことか!!


 やるというまで解放しません、という感じだったので、仕方なく私は強硬手段に出ることにした。
 まるで子どものようにヤダヤダヤダと駄々をね、床を転げまわったのだ。

 その際あまりに全力で暴れ回ったおかげで、口を大きく開けて呆然とする魔法使いさんたち。
 そりゃ聖女なんて肩書きの人間に仕立てようと思った女が、突然そんなことをし始めたら困惑もするよね。

 だけどこっちは文字通りの命懸け。
 私はこの隙を狙って、その場から脱兎のごとく逃げ出した。


 ――まぁ、そのあとは何やかんやありまして。

 行き場の無かった私は偶然とある人に拾われて、この屋敷のステップガールをしているというワケなんだけど。




「サラ、この後は私の婚約者であるジーク殿下がいらっしゃるわ。くれぐれも、粗相そそうのないように頼むわよ?」
「……承知いたしました」


 私がお世話になっているこの家は侯爵家で、かなり上位のお貴族様。

 でも、この御令嬢様は高飛車過ぎて好きになれない。

 まるで元の世界に居たクソ上司みたいで、性格がメチャクチャ悪い。

 嫁になったら間違いなくしゅうとめとケンカするタイプね。


 それにこの子、この国の次期国王になる予定のジーク王子のことをって言っていたけど、それは真っ赤な嘘。本当は数ある候補の中の一人にすぎないのよ。

 なのにこの子は、絶対に自分が将来の王妃になるって信じ切っているみたい。

 まぁ自信満々なのは良いことだし、見た目も良いのは認めるよ。

 だけどねぇ……。




 王子様が来ると言われてから数時間後、王家の紋章がついた立派な馬車がやって来た。
 中からは驚くほどの金髪のイケメンが降りてきて、屋敷の中へ颯爽さっそうと入っていく。

 私はそんな彼にホエ~と見惚れつつも、ちゃんとステップガールとしてお出迎えをした。
 顔が良いだけなら前世でも推しが居たし、そういう見た目だけな相手にはガチ恋しない勢なんだよね、私。


 そのあと王子様が帰る時にまたお見送りをしなきゃなんで、それまでずっと待機だ。


「ねぇ、騎士様はどう思います~?」
「ん? 何のことだ?」


 私は庭の石畳に座り、花壇をう蟻を眺めながら隣りにいる騎士様に尋ねてみた。

 その騎士様は短く刈られた銀髪をガリガリとむしり、眠そうにふわぁ、と長い欠伸あくびをしている。

 彼は王子様の護衛。だけど屋敷の中へまでは同行せずに、私と一緒にここでサボっていた。


「何って、王子様の話ですよ。聞いてなかったんですか!?」
「んぁー、わりぃ。天気が良くてぼーっとしてたわ」
「まったく……相変わらずですわね、騎士様は」


 この騎士様は王子様が来る度に会う、私の顔なじみ。

 庭先でフラフラとしていた私に話し掛けてきたのがキッカケで、それからこうして一緒に時間を潰すようになった。


 最初の頃は私も彼に「護衛なのに、そんな緩くていいの?」と聞いたんだけどね。王子様の護衛なんて、とっても重要な任務だろうし。

 そうしたら「四六時中も気を張っているとさ、コッチも疲れるんだよ」だって。

 それでいいのか、騎士様……と思ったけど、どうやら王子様の許可はちゃんと取っているらしい。

 王子様にとっちゃ令嬢とイチャイチャしているところを邪魔するな、ってだけかもしれないけれど。


 それに私たちは不真面目なようでも、ちゃんと仕事はしている。

 あくまでも仕事でこの場に居るのであって、それ以上はお互いに踏み込まないようにしていた。


 だから私は彼の名前も知らないし、彼も私のことを知らない。
 恋人や結婚しているのかどうかさえ分からない。


 そんな騎士様も、一般的に見たら中々のイケメンさんだ。だからそういう相手がいても、なんらおかしくは無い。

 そりゃあ王子様ほどのオーラは感じられないし、なんだか性格もぶっきらぼうだけど。

 その代わり一緒に居てあまり気を遣わない分、私は断然こっちの方が好みかな?


「いったいどれだけの嫁候補が居るのかは知りませんけど、節操無さすぎません? 女だっていつまでも若いわけじゃないんですから、あんまり期待だけさせるのも可哀想じゃないですか~」


 あの子の事は好きにはなれない。
 でも同じ女としてチャラい男にもてあそばれるのは、見ていて何となく気分が悪い。

 王子はさっさと正妃と側妃を決めて、国の為の仕事をしっかりとしてくれ。

 国のトップが色ボケして、組織が丸ごと総崩れ~なんて私は嫌だからね。


「ふっ、ははは!! た、たしかにな!! キミの言う通りではある。間違いない!!」


 私の歯に衣着せぬ物言いがツボに入ったのか、騎士様は大声を上げて笑っている。

 自分の上司をけなされているというのに、あんまり怒ったりはしないようだ。

 いや、相手が私だから気を遣ってくれているだけかも?


「この国の王子に対してそんな不敬なことを言う奴なんて、そうそう居ないぞ?」
「だってしょうがないじゃないですか。というより、居ないんです? そういうキチンといさめてくれるような人は」


 そう言うと、騎士様は「ふむ、居ないことは無いな」と急に真面目な表情になった。


「母上と乳母代わりだった魔女様は厳しくしつけけていたな。なにか悪さをすれば、容赦なく尻を叩かれていた」
「お尻っ……? そう、なんですか??」


 騎士様が言ったことは、私にとっては何となく意外だった。

 私がこのステップガールを始めてから、もう一年ぐらいが経つ。その間に他の屋敷でも今日みたいな光景を何度も見ていた。

 あの王子ってどの令嬢に対してもベタベタとしていたし、普段から女遊びをしているような人だと思っていたんだけど。


 そのくせ、メイドたちには興味が無いのか挨拶しても知らんぷり。ぶっちゃけ、私にとってはあの王子にはあんまり良いイメージが無いのだ。



「うーん……」


 ちゃんと叱ってくれる人がいるなら、もう少し紳士的な態度をすると思うんだけどなぁ。

 それに騎士様が言っていた魔女って、もしかしたら私が良く知っている人かもしれない。

 あの人がお目付け役だったら、絶対にあんなチャランポランな性格にはならないはず。


 ――ま、いっか。王子様なんて雲の上の人、私には関係のない話だしね!!




 その後も私は話題を変え、騎士様とおしゃべりをした。

 城での話や城下町での話。
 最近の流行りや面白かったことなど。


 楽しい時間はあっという間に過ぎ、夕方ごろになってやっと王子様が屋敷から出てきた。


 ……なんだか来た時と違って、服が乱れていたような?
 侯爵令嬢とナニかやっていたのかしら。


 ともかく私は何にも気付かないフリをして、お見送りの挨拶をする。

 やっぱり王子様は私になんて目もくれず、さっさと馬車へと戻っていった。


「ふぅ、まぁいいわ。今日はこれで仕事は終わりね……なにかしら? 騎士様まで、わざわざお別れの挨拶?」


 帰りに街で夕飯でも食べていこうかしら、なんて考えていたら、さっきまで一緒に居た騎士様が私のもとへとやってきた。

 別に忘れ物とかじゃないと思うけれど、なんだろう?


 彼は頬をきながら少し何を言おうか言いよどんだ後、意を決して口を開いた。


「今日もありがとう。いつもは退屈なんだが、キミが居てくれると楽しい時間を過ごせる」
「えぇ、こちらこそ。次に此方こちらへいらっしゃる時には、私特製のクッキーでも用意してお待ちしておりますわ」


 お礼なんて珍しいわね。っていうか、そんなこと言われたの初めてだわ。

 私は私で、歓迎の意味を込めて返答する。
 どうせまた彼は暇だと言って、屋敷の外でサボるでしょうから。

 そんな私の言葉に、彼はキョトンとした後「手作りか、それは嬉しいな」と微笑んだ。


「なぁ……今更なんだが、キミの名前を教えてもらってもいいか?」
「あらあら。今まで名乗りもせず、大変失礼いたしましたわ。私の名はサラ。皆さんを気持ち良く迎え、お見送りをするステップガールですわ」


 本当に今日はどうしたのかしら?
 なんだかナンパみたいで恥ずかしいじゃないの。


 照れ隠しに、ちょっとだけ芝居臭いカーテシーで礼をとってみる。

 それがまた彼のツボにまったのか、笑いをこらえるのに必死の様子だ。


「クッ、ククク……。で、ではサラ。話し相手のお礼と、親愛の印にコレを受け取って欲しい」
「え? お礼、ですか?? これは……ピアス?」


 騎士様が私の手を取ると、その中に金色の小さなピアスを置いた。

 それはクローバーの形をしていて、中心には何か紅く綺麗な石が嵌まっている。


「いや、こんな高価そうなものは……」
「……頼むよ。なんなら今度会った時まで、預かってくれるだけでもいいんだ」


 うーん、じゃあそういうことなら?
 彼としてもまた会って話し相手になって欲しいから、その口実にするってだけなのかもしれないし。


 ……なにより、私も楽しかったからね。
 彼となら、いつでも気軽にお話したい。

 そんなこと、恥ずかしくて面と向かっては言えないけれど。


「分かりましたわ。ではその時まで、大事に取っておきます」
「そうか、良かった……」


 騎士様はホッとした表情になると、握っていた私の手に唇を落とした。


「えっ……? あ、あの??」
「では、また近いうちに会おう!! 楽しみにしているぞ!!」



 アワアワと戸惑う私を置いて、今度こそ彼は馬車に乗って去っていってしまった。

 どうしよう、まさかあんなキスをするなんて……!?

 あまりに唐突過ぎて、何も出来なかった……。


「……嫌じゃなかったっていうのが、なんだか悔しい。っていうか私、騎士様の名前聞いてなくない!?」


 ま、いいか。
 どうせまた直ぐに会える気がするしね。

 私はそう思い直し、手をさする。

 不思議と柔らかいあの唇の感触は、いつまでも消えることは無かった。





 それから騎士様と再会することも無く、三ヶ月ほどが経った。

 いつも通り私はステップガールとして、お屋敷で立派に勤めて……いたんだけど。


 ある日、王城から来たという使者に何故か拘束され、馬車に詰め込まれて誘拐されてしまった。

 で、これまたどうしてか私は王城の豪華な一室にご案内。
 
 その部屋で騎士様や私の恩人と再会できたのは良かったんだけど……


「それで、どうして私が王子様の結婚相手になるって話になっちゃったんですかぁああぁあぁ!?!?」


 ああ、うん。
 私もちょっとオカシイなって思っていたよ?

 騎士様にしては妙にロマンチックだし、王子にしては頭まで下半身で出来てるドアホウだなって思っていましたよ!!


「どうして!! 私が王妃なんかに!! そんな大変なこと、私やりたくありません!!」
「悪いが、サラ。今更になって婚約破棄をしようとしても、もう遅い」
「そんなラノベのタイトルみたいなこと言わないでください、ジーク王子!! このっ、ペテン王子っ!!」


 ――もうお分かりだろうか。

 そう、あの騎士様がホンモノのジーク王子だったのだ。


 この詐欺王子、もといジーク王子は婚約者選びに疲れ果て、影武者に婚約者候補の相手をさせていたらしいのだ。

 あの女遊びにうつつを抜かしていたのは影武者の方で、それを見抜けなかった彼女たちは王妃失格なのだそうだ。

 王子をいさめられない馬鹿は王妃にはなれないと、そういうことらしい。


 何て理不尽!! 可哀想すぎる!!
 それも、私がお世話になっている魔女様まで共犯となっていたというのだから、余計にタチが悪い!!


「魔女様もどうして王子を騎士にけさせたんですか! そんな魔法の無駄遣いをして!!」
「ふぁっ、ふぁっ。ワシはサラのことを気に入っとるからの。きっとジークも惚れるに違いないと思ったのじゃよ」
「はあぁあぁ!? じゃ、じゃあ最初からワザとだったんですか!?」


 私が知り合いも居ないこの世界で困っていた所を、公爵家の当主であり強力な魔法使いである魔女様が助けてくれた。

 どうしても聖女になんてなりたくなかった私を見かねて、ステップガールという仕事を紹介してくれた大恩人が魔女様だったのだ。


「まぁ、これで晴れてワシの養子となったんじゃし。聖女の役目も果たせば、文句を言う者は誰も居らんじゃろ」
「やっぱり私を聖女として使うつもりだった!?」


 というより、聖女コキ使い計画はこの魔女様が発案だったらしい。

 だから偶然私を助けたんじゃなくって、自分が加担していた計画で迷惑をかけたから世話をしてくれたっていうのが事の真相だったのだ。

 なんだよもう、全部この人が悪いんじゃないか!!


 ……でも国を代表する貴族として、魔女様もやはり瘴気は放ってはおけないらしい。

 私を王妃とすれば、国のトップもそう雑に扱わないだろうから、と魔女様は気を遣ってくれたみたいだけど……。


「瘴気を払うのは各地に居る貴族の視察ついでにやればえぇ。そもそも、サラはジークが嫌いかえ?」
「えっ。サラ、俺のこと嫌いなの……?」


 うっ、そう言われると私も答えづらいものがあるんですけど……。


「嫌いじゃ、ないですけど……でも、もっと段階を踏んで欲しかったっていうか……」


 たしかに、付き合うならこういう人がいいなーとか、筋肉触らせてくれないかなーとかは思ったよ?

 でも普通なら告白して、交際を重ねてからプロポーズとかするじゃない?


「……ってあれ? どうして二人とも、顔を見合わせているの??」
「サラ……まさかお主……」
「そんな……サラ、もしかして異世界では婚約の方法が違うのか!?」

「……えっ?」
「サラ、お主はジークから四葉のピアスを受け取ったじゃろ? アレを受け取るのは婚約を受けるのと同義なのじゃよ……」


「ええええっ!?」



 アレは婚約指輪ならぬ、婚約ピアスだったってこと?

 知らなかったとはいえ、私はそれを受け取っちゃったワケで……。


「ごめん、サラ。俺はただ、キミに『おかえりなさい』って言ってもらえるような関係になりたかっただけなんだ」


 怒られた犬のようにシュン、としながら私の顔をのぞくジーク王子。

 やめてよ、別に貴方にそんな顔をさせたかったんじゃなくって、ただ私の心の準備が……。


「す、末永くよろしくお願いします……」




 こうして私は何だかんだ言って、また忙しい人生を歩むことになってしまった。

 聖女として国中を回って瘴気を払ったり、王妃として政務を手伝ったり。



 そんな生活を数年間続けて、ある程度のことは落ち着いた。

 だから、聖女の役目は一旦終わり。
 なぜなら、お腹の中に彼との大事な赤ちゃんがいるから。


 今の私は王妃でも聖女としてでもなく、彼だけのステップガールとして王城の入り口で送り迎えをする毎日。

 思っていた人生とはかなり違っちゃったけれど、私はとっても幸せです。




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