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二章
致命の攻撃!まさかの敗北…
しおりを挟むゆっくり目を開けると、そこには見上げるほどの巨体で全身を鱗に覆われた、大きな大きなトカゲさん…
いや、この大きさのトカゲみたいなのは所謂ファンタジー定番の【ドラゴン】!!
今までに無い緊張感!
圧迫した空気感!
カッコいい翼!
ゴツい顔!
巨大な体躯!
長いしっぽ!
滲み出る強者の佇まい!
……乗りたい!
いやいや、そうじゃない。逃げなければ、流石にこれは死ぬだろう。
ドラゴンさんは、手始めに口から何か吐き…
え?俺匂う?違うか…
「これで終いじゃ!」
ゴゥ!!
ゲロじゃなければ…そぅ、ドラコンブレスだ!!
カッコいい。
転生何日目か忘れたけど、これは死ぬだろう。
転生させてくれた女神?すまなかった…
目を閉じて待っていたが、身体に当たる風は有るものの、何かが来る気配は無い。
風が止んだので、そっと目を開ける。
大きな口を開けたままこちらを見ているドラゴンと、しっかりお座りして尻尾を揺らしている無垢なワンコは~…
出逢った…じゃなくて、どっかのドキュメンタリーみたいな感じ出したけど、そうじゃない。
「どういうことだ??」
「わぅん?」
思わずドラゴンさんと一緒に頭にハテナを浮かべて首傾げちゃったじゃないか!
そりゃあビックリしたけど、もしかしたら単なるドッキリかもしれないよね?会話出来ないから意味が無いけど…お礼に出来ることと言ったらコレしかあるまい!
そう思ってポテポテと歩いてドラゴンさんの足元に近寄る。ドラゴンさんは、おっかなびっくりしつつワンコの行動を見守った…もしくは警戒した。
そしてワンコは、ドラゴンを見上げながら足にしがみつき…
耳をピンと立て、
口から舌を出し、
背筋を伸ばして、
尻尾をフリフリ…
そして無垢な眼で見つめる。
これぞ、奥義!【可愛いは正義】の完成であった…
実際はカッコいいブレスもう一回見たい!と強請っているだけだったりする…
「なんじゃ…この可愛さは…」
この攻撃(誘惑)に負けてしまったのはまさかのドラゴンさんであった。
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