異世界犬生 ~モフィの冒険

太もも大使

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一章 異世界転(犬)生

人間、怖い!

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歓迎された日の夜は大きなウサギちゃんの家に泊めてくれた。大木のうろを改造したファンタジックな住まいで、大きなウサギちゃんと一緒に丸まって眠っ……れない。今日はたくさん動いたんだけど、燃費いいのかな?
それでもなんとか目をつむった。

モフモフに包まれて、寝れては居ないが疲れても居ないのでよしとしよう。

日が出始めた頃に目を開けると、集団で近くの湖に行って水を飲む。

ごくごくごく…  プハ~♪

ガチャガチャ…   ガチャガチャ……

ん?森には不釣り合いな音が聞こえる。それに鉄臭い。

僕らの居る集団の前の森から鎧を着た人間が出てきた。

「おぉラッキーホーンラビットの群発見~♪ご馳走に一匹狩っていこう…」

異世界初人間と遭遇!なんだけど…

あれ?    剣抜いて近付いて来てる!?

ちょっとちょっ…

振り上げられた剣が例の家族(小隊)のお父さん(隊長)に向かって落とされた。

ザシュッ

「キュィ~………」  がくっ…。

モフモフ切るたぁ~とはとんでもねぇヤツだ!!

「ワン!!」

「うぉっ、なんだぁ?こんなヤツ見たことねぇぞ?」

「グルルルル…ワンワン!!」

「うるせぇ…切るか!」

お父さん(隊長)ウサギを捌こうとしていた剣を下から上に向かって振り上げるように切り裂いてきた!

「グゥ…………?」

右の脇腹から左の肩を通るように切り裂され…ていない。痛くない!?なんで?まぁ今はいい!

「キングウサギちゃん!今です!!」

「ギィィィ~~!!」

ドシドシドシドシ!
土煙を上げてキングウサギちゃんがタックルをかます。

指揮しきスキル】獲得

「うわっ!巨体と赤い瞳?デスホーンラビットが居る群かよ!?何でこんな浅瀬に?!ヤベェ!」

尻餅を付いて這いずるように逃げていった人間を無視して切られたお父さん(隊長)ウサギの元へと来ると、血で濡れたウサギの周りに家族(小隊の仲間)が寄り添っていた…。

「くぅ~ん……」

俺が人間にもっと注意を向けていれば………

穴を掘ろうと近付くと耳がピクピク動いている!?
まだ死んでない!?

キョロキョロ見回してヨモギっぽいのを見付けた。(回復ポーションの原料とは知らない)

ヨモギを口に含んで湖の水を少しだけ足してモグモグと混ぜ合わせる。

【調合】スキル獲得。

お父さん(隊長)ウサギの切られた所へ、ペッと吐き出し舌で広げると傷口が少し光った…

え!?

死にかけていたウサギちゃんが復活しました!

凄いよ異世界!!

助けた御礼なのかペコペコ頭を下げて家族(小隊)で喜んでいた。

良かった~~♪

称号【救命者】獲得












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