異世界犬生 ~モフィの冒険

太もも大使

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一章 異世界転(犬)生

もふもふに癒されて…

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地球時間     日本       夏


俺はジムで海開きの為に身体を鍛えていた。
冬場に付いた脂肪を取り除くのさ。

明日から海水浴に行って、必ず彼女をゲットする!!そう意気込んで、ここのところ毎日大学の後に身体を鍛えるのが日課だった。

インストラクターの男性が水分補給は小マメに取るように言っているが今日は、小銭を忘れてしまったので、スポーツドリンクは持ってきていない。少しなら大丈夫だろう……

「ちゃんと飲まないとだめよ?♪」

隣でバイクを漕いでいた女性に声をかけられた。手にはスポーツドリンクが握られている。
さっきまで隣は空いていたハズだけど、そんなに長い時間集中していたか?

「あ、ありがとうございます。すみません、車に置いてきちゃって…」

ごくごく飲むと、やっぱり水分補給は大事だと身体が訴えていた事に気付かされた。

「もうひと頑張りよ♪」

そう言ってくれたので、精一杯の笑顔を見せると汗を拭うフリをして顔を隠された。
そんな俺の顔変かな?
そしてさっさと別のトレーニングへと戻っていった。その後ろ姿に頭を下げ、自分もトレーニングをし直した。



入った頃は油ぎッシュなおじさん達がチラホラ居るジムだったのだが、最近は若い女性も増えてきた。やっぱり女性も気を付けているのだ。と、自分も気を引き締めて行こうと決意を改めた。

今日のトレーニングは、ココまでにして明日に備えて寝ようかな。

「ふぅ~……終わった。お疲れさまでした。」

タオルで汗をぬぐってから、キチンと頭を下げて挨拶をし、シャワーを浴びて受付で今月の利用料を払う。

女性が増えてきて、より一層体つきを気にし始めた。

「今月は会員感謝月間ですので、2割引きになります。」

「え?そうなんですか?助かります。」



いつもより少ない金額を払って外に出ると日が沈んでいる時間だった。





次の日、天気予報は快晴との事で早速海へ出掛ける。駐車場で友人1人と集合し、

さぁ今年こそ!念願の彼女を!!

「出発~♪」



☆☆☆☆☆



惨敗だった。8割家族連れで、残り2割は彼氏を連れて来ていた。

もう1人の友人は何気に余っていた人と仲良くなって、帰りぎわにとてもイイ顔で女性と腕を組んで去っていった。

今年もか……と項垂うなだれて、帰ってくる途中になんとなく見回すとすたれたペットショップがあった。こんなところにあっまたか?まぁいい。動物に癒されて明日また頑張ろうと思うと自然と足が向いた。



「いらっしゃ~せ~……」

やる気の無い店員を無視して店内を見て回ると、ふれあい広場と言う所にコーギーが一匹だけ居た。
広場の真ん中にポツンとお座りして居る。なんと無しに見るとつぶらな瞳でじっと見ていた。

無性むしょうに撫でたくなり広場に入って近付いた。


そぉっと手を近付ける…。

もふぁ~~と手に当たる感触がなんとも言えず癒される。
コーギーは目を細めて気持ち良さそうに撫でられ続けている。
ずっと撫でていると明日も頑張ろうと言う気持ちになる。

毛並みが気持ち良くて、勝手にモフィと名付け今年の夏に彼女が出来なければこのモフィを買おうと意気込み、最後に一撫ひとなでして店を出る。

「じゃあね…モフィ♪」







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