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プロローグ

森の生活

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私の名前はモフィと言う。

種族は、コーギー。

この世界にたった一匹しか居ない地球産の犬種けんしゅであ~る。

森の中を短い脚でちょこちょこ進み、知り合いのウサギさん一家の家族と挨拶したり、木登りの練習をしてみたり(登れるわけではない)、小川で水浴びをしたり、ときにはウサギさん達と仲間を守る訓練をしたり、とそんな毎日を送っている。


  
「わ~ふっ!!(気を付け!!)」

森の中の日の光りが当たる広場にて、この森に住んでいるウサギ達が集まっていた。
俺の掛け声でウサギ達は、キュィと綺麗に整列する。

うむ。

初めの頃よりだいぶ良くなった。

しかもこのウサギちゃん、なんと角があるのだ。羨ましい。俺には爪と牙しかないのに!!

さらに、訓練のお陰?か角が2本ある奴もチラホラ…
なんやカッコえぇやないけぇ~…

「わぅわっう~~ワンワン!!(今日は角を使って前に教えた関節への攻撃をする訓練だ!!)」
※次回から主人公の鳴き声を消します※

ちょうど良くひとの足の形をした木(低いところで曲がってしまっている木)を標的にして刺突しとつする訓練だ。敵の動きを制限、又は動きを止め、敵から逃げたり反撃するために最低限必要な行為だ。

彼らは、こんなにも可愛いのに人からすると討伐対象なのだという。向こう(人)がこちらを攻撃しなければ、隣で草食ってるだけで害は無いと言うのに……

なんか不憫ふびんになり、こういう対処を教えている。

実際にこちらの声は聞こえている(っぽい)のだが、向こうは鳴き声しか聞こえない。
それでもキチンと伝えた通り行動してくれているので知能は高いのだと思われる。

おぉ角2本のヤツが木の根の根元を押さえているうちにまだ角1本のヤツが攻撃している。

凄いな…。もう応用し始めている。

やはり知能が高い。これなら、敵が1~2体ならなんとかなる。

ついでに、敵の中の子供に当たる奴(攻撃適正の無い者)がたまに来るが、そ奴らには攻撃せずに可愛い鳴き声で近寄り奴らに、自分は敵では無いと教えて(魅了して)やるのだ。
そうすることで、その子供が大きくなるとこちらを味方してくれるハズ…。

なぁに可愛く鳴いて、足元行ってすり寄れば…一発よ♪

今日はこのくらいでいいだろう。

そうだ、この世界になぜ地球産コーギーである私が居るのか、その辺のところ話していこうと思う。
私の話し方が変わる出来事も…。
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