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(生き)還りました!!

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熊さんのもふもふのお腹の上で目が覚めました。

意識を無くしぐでんぐでんになった私を発見したのは、トカゲ様だそうです。

尻尾で私もろとも管理者さんを湖へと落としたそうです。

それを狼さんが拾い上げ、熊さんベッドへと乗せてくれたみたいです。

だから服が濡れているんですね。

もう少し穏便に出来なかったのでしょうか?

意識を無くしている私を水の中へ突き落とすのは危ないんじゃないでしょうか?

小一時間問いただしたい所ですが、回復魔法なるもので助けていただいたそうなので、ジト目で見つめるだけにします。

トカゲ様は、私よりちっちゃくなって反省していらっしゃる。

〔その辺でやめたらどうだ?〕

狼さんの言うことも分かります。

犯人の管理者さん……もとい、元店員の男性はいまだに湖の中で、反省なのか泣いているのか…しているそうな…。

とりあえず、ヨ○ボーにもまさる熊さんベッドの上から降ります。

よいしょっ♪   と、降りると管理者さんが湖から出てきました。一時間程潜っていたらしい。
凄いね♪

少し話を聞いてあげましょう。

何故か立っている私と、正座した管理者さんの高さが同じなのが気に食わないので熊さんの腕にピョンと座ります。飛ばないと座れないのもしゃくですがね。

「それでなぜ貴方がここに居るの?」

未だに少し泣いている管理者さんは少しずつ話し始めました。

「あの夜、鍵掛けをお願いして扉を閉めてからなのですが、車に乗ったら眠くなっちゃって…
それで眠気を我慢して運転すると危ないので仮眠することにしたんです。」

「うむ。ソレは正解だね。」

「はい。それで目が覚めたらこの世界に来ていまして…。」

「マジで?それでどうしたの?」

「初めはリアルな夢かと思っていたのですが……」

「そうじゃなかった…と。」

「……はい。しかも、トイレに行ったら付いてないんですよ!?種族も違うし!!信じられますか?さっきまで男だったのに!!彼女も居なかったから使わずに……終わってしまった…。」

チャラチャラしてたから遊んでいるんだな~と確信していたよ…。あの頃はごめんね(笑)

「へぇ~、じゃ今度から童貞ちゃんと呼んであげよう♪うん。」

<〔ブフッ!〕>

同情してくれると思っていた管理者さんは涙も乾いて困惑しております。

「笑ってあげよう♪」

《アッハッハッハッハッ♪》

いいねトカゲ様♪
何か話も一段落ひとだんらくしたみたいだから、ビールでも飲ませてやるか……

この子も飲むかしら?

さっきの私のうつわに湖の水を両手でビールに変換してソッと管理者さんへと渡す。

「何黄昏たそがれてるの?なったものは仕方ないよ?これでも飲んで落ち着きなさい♪(童貞ちゃん(笑))」

管理者さんは、ボケッとした顔をしたまま受け取り……

水と思い込んでいる液体を一気に飲み干そうとして……

吹き出した!!

「ごふぉ!!ゴホゴホ……京ちゃんこれ水じゃないの!?」

「ビールだけど?」

それがどうかした?みたいな顔で見ると、何言ってるのコイツ!?って顔された。
失礼な奴め!私からお酒取ったら本当にチビッ子になるじゃないか…。

思ったら悲しくなってきたので私も飲もう。

グビグビグビグビ……クゥ~~♪

「美味い!!あ、童貞ちゃんツマミ欲しいんだけど?」

「え?」

「いや、ツ・マ・ミ♪」

「いえ、そうではなくてですね。」

それでも、困惑している管理者さんの肩をポンと叩き……

「悲しい時は飲むのが一番よ?」

とドヤ顔で言いきってみた。

「あははははは……はぁ分かりました。今日は飲みましょう♪」

なぜ笑われたのでしょうか?渾身こんしんのドヤ顔なのに……

まぁ暗い気持ちが吹き飛べばいっか♪

なんとかシリアスっぽい雰囲気が無くなったので、上機嫌でビールを飲む。

というか、ビールを飲むために巻き込んだと思っていい。

「とりあえず、再会を祝して~~」

「「乾杯!!」」


こうして、難しい話を有耶無耶うやむやにしてお酒を飲むことに成功した。

男から女ってどうゆうこと?

未だに意味が分かっていない京子さんでした。


「酒うめぇ~♪あっはっはっ♪」

















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