目覚めはガングロギャル?!黒歴史は封印!清楚系美少女になって初恋の彼の闇落ちを阻止します!!

むぎてん

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最終章 最終回 sideママ

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  sideママ

焼き型に生地を流し込み、オープンのスイッチを押す。
余熱は完璧、180度で40分。
今日のお菓子はマドレーヌよ。

あら、電話。ゆかりからだわ。

『もしもし、ママ? 今日、みんなで家に帰ってもいい?』

『家に帰っても』って、あなたの家は冬馬くんと子どもたちと暮らす家でしょうに。
いつまでもたっても子どもみたいで心配になっちゃうわね。

「もちろんよ。今日は健斗たちも来るの。賑やかでいいわね!」

『わーい、久しぶりに早苗に会える! あ、ねぇ、ママ、ありさたちも誘っていい?』

「ええ、いいわよ。何時頃になるの?」

『夕方、んー、5時くらいでもいい?』

「健斗も5時半って言ってたからちょうどいいわね、じゃあまた夕方にね、気を付けていらっしゃいな」


健斗の家族が4人、ゆかりの家族が4人、ありさちゃんの家族が3人。
総勢11人のお客さんね。

マドレーヌ、全然足りないわ。
追加で作らなきゃね。


私は今年で67歳、孫が4人。
すっかり『おばあちゃん』が板についたけれど、心はいつまでも少女のままでいたいわね。
女の子はいくつになってもロマンチストなのよ。


「マドレーヌか?楽しみだな」

「あなた、昔からマドレーヌ大好きだものね。そうそう、今夜、ゆかりたちも来るわよ、ありさちゃんたちも」

「ははは、それは賑やかだな」

「来年にはもっと賑やかになるわよ?瞳ね、結婚が決まったらしいの」

「本当か! 早いな。瞳は21歳になったばかりだろ?健斗の不貞腐れた顔が目に浮かぶ」

「健斗も21歳の早苗ちゃんにプロポーズしたのよ?」

「確かに」

「それに私は21歳で健斗を生んだのよ?」

「た、確かに」


本当に幸せな時間はあっという間に過ぎていくものね。
あなたと結婚したのが、ついこの間のように思えるわ。

この調子だと70になる前にひ孫が抱けるんじゃないかしら。

ふふ、これじゃあ、まだまだみんなのパティシエはやめられないわね。


ピピピという電子音が鳴る。

オーブンを開けると、キレイなきつね色に焼けたマドレーヌが、甘い甘い匂いを放った。


──────────
END

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