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53 砂糖吐く?
しおりを挟む「ここを押してこうすれば変えられる。」
ケータイのバックライトが薄ピンクに変わった。
「すごい! 冬馬くん、ありがとう! 冬馬くんは何でもできてすごいなぁ」
「ゆかりが機械に疎いだけだね、ウチらフツーに変えてたし。ちなみにウチは薄緑だよ」
「あたしは薄紫ー」
早苗とありさが自分のケータイを見せながら言った。
「お前たちも同じ機種なのか」
冬馬くんが小さくため息を吐く。
「何だよ、横はいりしてきたの三宅だし!
ウチら三人はもともとおそろいだっつの!」
「マジそれなー! どーせ三宅がワガママ言ってゆかりとおんなじにしたんでしょ!」
「お前たちは違う機種に変えろ、おそろいは俺とゆかりだけでいい」
「「・・・・・・」」
冬馬くんは最近、本性が駄々漏れだ。
嬉しいけどね、早苗とありさがドン引きしてるよ?
前は誰とも喋らずに勉強ばかりしていた。
誰にも話し掛けないし、話し掛けられることもない。
いつも無表情で怒ってるみたいな顔してた。
そんな冬馬くんが今では嘘みたいだ。
「私はみんなとおそろいで嬉しいよ?」
そう言うと、
「ゆかりのそういうところが好きだ」
なんてまたさらりと言うから、早苗とありさは
「ダメだ、砂糖吐く」
そう言って自分たちの席に帰って行った。
「そういえば、うちのマ、う''ぅん! お母さんがね、一度遊びにいらっしゃいって。冬馬くんさえ良ければなんだけど」
あの日から、ママはお花畑から脱け出せないみたい。
『三宅君はいつ来るのかしら~』
って毎日聞かれる。
「ああ、うちの母親も同じような事を言っていた。俺はいつでもいい。ゆかりも良ければ都合のいい日にうちに来てくれないか?」
冬馬くん、私の事をお母さんに話してくれたの?
私のこと、どんなふうに話したのかな?
なんか恥ずかしいけど嬉しいな!
ちなみにケータイはバックライトだけじゃなくて着信音も変えてもらった。
冬馬くんからの着信の時は『赤◯スイートピー』にしちゃった。きゃっ!
──────────
54~やっぱり変わったか? side圭介 へ
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