目覚めはガングロギャル?!黒歴史は封印!清楚系美少女になって初恋の彼の闇落ちを阻止します!!

むぎてん

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52 久しぶりの毒吐き side三宅冬馬

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  side三宅冬馬

「ああ、また。藤沢も頑張って」
そういうと、藤沢が肩を落として帰って行った。

かつて親友だと思っていた人間。
友達ですらなかったんだと実感した。
『空気の読めない』『天然』な俺でも解る。
あれは俺を、みんなを見下していた。
最近までの俺と同じだ。

『あんな底辺高校の授業じゃ、お前の成績も落ちたんじゃないか?』

みんなの前で、ゆかりの前で俺に向かってそう言った。
以前の俺でもさすがに口には出さなかったぞ?


お前が受かって俺は落ちた。

嬉しかったか?
俺を見返す事が出来たか?
お前のプライドは守られたか?
底辺高校に通う俺が、全国一位と聞いて悔しかったか?
可愛いゆかりを見て悔しかったか?
みんなと楽しそうに喋る俺は、お前の目にはどう映った?
顔色が悪かったな。
逃げるように帰って行ったお前は今頃何を思う?

知ってたよ。
お前が、自分が勝てない俺を疎んでいたことは。
それを俺は  "切磋琢磨"  という言葉で誤魔化して気づかない振りをした。
友達だと、親友だと思いたかったんだ。
だけど、違った。

俺は、底辺高校に入学したとたん疎遠になったお前を、見返してやりたいと思っていた。
俺もお前と一緒だな。

でも、もう、いいんだ。


『楽しそうだな、今の学校、お前に合ってるんじゃないか?』

藤沢、お前の質問に答えよう。

ああ、楽しいぞ、確かに『今の俺』に合っている。
俺はもうあの頃の俺に戻りたいとは思わない。
ゆかりが俺の隣で笑ってくれる。

やっぱり今日くらいは毒を吐こう。

ざまあみろ。


──────────
53~砂糖吐く?  へ

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