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31 神様、やっぱり駄目ですか?
しおりを挟むみんなに気づかれていた事にはショックだったけど、やっぱり嬉しかった。
「ゆかり、頑張って良かったな」
早苗が私の手を握ってくれた。
「マジでよかったしー! ってか、三宅、ゆかりのこと泣かしたら怒るから!」
ありさが三宅冬馬の鼻先で人差し指を立てる。
「おい! お前達、図書室でなに騒いでるんだ! 先生のクラスの生徒ですよってイヤミいわれたぞ!」
ああ、担任の永田先生まで来ちゃったし!
「せんせー、三宅君と川上さんが恋人どーしになりました!」
「はぁ? なにバカな事をい・・・・・・」
先生が私と隣にいる三宅冬馬を交互に見て驚愕する。
「あ、ありえない。全国トップ常連の三宅と万年最下位の川上が・・・・・・」
あわわ、先生、万年最下位ってバラさないでください!
「万年最下位だったのか」
三宅冬馬が小声で呟いた。
もう恥ずかしくて穴があったら入りたいとはこの事だ。
みんな笑ってる。
クラスのみんなも三宅冬馬も楽しそうに笑ってる。
こんな世界は知らなかった。
こんな過去は存在しなかった。
きっと大丈夫だ。
私にも三宅冬馬にも幸せが待っている。
お互い、混ざり合うこと無く不幸だったあの未来はもう来ない。
私と彼の未来は繋がった。
一緒に幸せな未来を見・・・・・
涙が溢れたその瞬間、憶えのある目眩が私を襲った。
グルグルと回る視界。
頭が割れそうに痛い。
強烈な吐き気。
手足が痺れて、体の力が抜けていく。
そのまま床に膝をついた。
頭の芯が・・・・・・塞がっていく。
ああ、私、やっぱりあの未来に帰らなきゃダメですか?
神様、私ここにいたいです。
三宅冬馬と一緒に過ごしたいです。
幸せな未来を三宅冬馬と。
神様、私、消えたくありません。
・・・・・・ダメですか?
──────────
32~いかないでくれ side三宅冬馬 へ
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