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29 告白が成功したぞ、っておい!
しおりを挟む「君が好きだ、好きなんだ」
今、確かに三宅冬馬の口からそんな言葉が聞こえた。
夢の中にいるようで足元がフラフラする。
三宅冬馬が私の事をを好きになってくれなくても構わないと思っていた。
未来を変えたいと思っていても、具体的な方法などわからない。
彼に正直にぶつかることで、何かが変わってくれないかと、ただ願っていた。
好きになってくれた。
こんな私を。
「私、バカだよ?」
「君は馬鹿じゃない」
「弱いし」
「馬鹿で弱いのは俺だ」
「三宅君の、そばにいてもいいの?邪魔にならない?」
「俺は君がそばで笑ってくれたら、それだけでいい。君が好きだ」
笑わなきゃいけないのに、私の目からは大量の涙が溢れでて、拭っても拭っても止める事が出来ない。
三宅冬馬の手が、私の髪を優しく撫でた。
頬に触れた親指が涙の粒を掬いとる。
俯いていた顔をあげて彼を見ると、彼もまた泣いていた。
「泣くな。君には笑っていて欲しい」
「三宅君も、泣かないで。笑って。」
見つめ合ったまま、ふふふと笑った。
「おい!ゆかりの告白が成功したぞ!!」
「うぉぉー! すげぇ! マジか!」
「おーい! みんな! ゆかりと三宅がくっついた!」
ななななに?
図書室のドアの前でクラスメイト達が騒いでいる。その数、十数名。
何でみんながここにいるの?!
この学校では放課後に図書室を利用する生徒など、私たち以外いない。
いつもはカウンターでガラケーをもてあそんでる図書委員も、今日はサボりなのかいなかった。
だから安心してたのに!
──────────
30~クラスメートと会話 side三宅冬馬 へ
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