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22 天才の勉強法

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それからの毎日は凄く充実していた。

放課後は三宅冬馬と勉強会をして、夜は教えてもらった事を復習する。
苦手な英語と数学はかなり苦戦しているが、三宅冬馬は根気強く教えてくれる。

英語は単語の意味とスペルを完璧に憶える事、長文は虫食い問題などで点数を稼ぐ。
英文での回答もとりあえず解る範囲で単語を書きなぐれば三角が貰えることもあるという。

三宅冬馬が言うには『この学校の教師はかなり甘い』らしい。

数学は、簡単な計算問題で確実に点数を取ること。
しかしその簡単な計算問題というのが、私にはもの凄く難しい。
三宅冬馬が作ってくれた練習問題を何問も解く。
計算問題はとにかく数をこなすことで慣れていくらしい。
後半の応用問題はキレイさっぱり捨てろと言われた。
どう頑張っても解けない問題は無視をして、単純な計算ミスがないようにしっかり見直すことに時間を使え、と。


三宅冬馬は天才だ。
これは比喩でも何でもなく、本物の天才。

『T大を主席で卒業した後、国内有数の大企業に勤め、怒濤の勢いで出世をしてきた超エリート社員』になる予定なのだ。

主席だよ?主席。
主席って一番のことだよね!
それもT大。次元が違いすぎるでしょ!

そんな彼が私のレベルに合わせて勉強を教えるなど、どれだけのストレスが掛かっていることか。
自分の為の勉強の時間だって削られているのに、三宅冬馬は根気強く丁寧に教えてくれる。
呆れたり馬鹿にしたりする素振りもない。
知れば知るほど彼の優しさが見えてくる。

私はそんな彼の優しさが無駄になってしまわないように、彼にがっかりされないように、とにかく必死に勉強した。


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