目覚めはガングロギャル?!黒歴史は封印!清楚系美少女になって初恋の彼の闇落ちを阻止します!!

むぎてん

文字の大きさ
上 下
21 / 98

21 毒も吐くし恋もする side三宅冬馬

しおりを挟む
  

side三宅冬馬

川上と目が合った。
今日3回目だ。
数えてるとか気持ち悪いと自分でも思う。
彼女は軽く微笑んでくれるのに、俺は恥ずかしくて下を向いてしまう。

俺と川上が、放課後の勉強会以外で会話をする事はない。

川上の周りはいつも賑やかで、俺とは正反対だ。
女、男に関係なく彼女はクラスの皆と仲が良い。
今も、チャラ付いた男がなにか喋りかけている。
彼女に引っ付くな。離れろ。

そんな中で、常に一緒に行動しているのは『早苗』と『ありさ』で、この二人は、以前の川上と同じくガングロギャルだ。

川上は大抵のクラスメイトにはいつもニコニコとそつなく接しているが、この二人の前ではいろんな表情を見せる。
 
ほら、今もプクっと膨らませたほっぺたが小動物のようで可愛らしい。
きっと信頼しているんだろう。
親友ってやつか。


俺には親友どころか友達すらいない。

中学のときは、仲良くしていた奴もいたが、俺が受験に失敗すると同時に疎遠になった。
底辺私立高校に通う奴と友達だなんて恥ずかしいのだろう。

そいつと俺は同じ高校を志望していて、常に切磋琢磨しあっていた。
点数を競い合い、難しい問題を教え合い、入試の情報を共有し合った。
お互い、志望校に合格した後もずっと気の合う友人でいられると思っていた。
親友だと思っていた。
そう思っていたのは俺だけだったが。

だから俺はT大に行く。

本当はT大でなくてもどこでも受かる。
俺の成績なら海外の有名大学も飛び級で行ける。

でも俺は、あいつらの『目の前』で見せつける。

この学校の馬鹿達にも、親友なんかじゃなかったあいつにも。

『ほらな。俺の方がお前らなんかより、ずっと価値のある人間だろ?』
そう知らしめて嘲笑ってやる。




一日の授業が終わり、待ちに待った図書室での勉強会の時間がきた。

「今日は社会だよね」
 今日は社会の授業はなかったのに、川上はしっかりと教科書を持って来ていた。

 赤ペンと赤シートの使い方を教えると
「すごい!文字が消えた!」
と、ものすごく感動している。

「こんな画期的な勉強アイテムがあったなんて、私知らなかったよ!三宅君は本当に何でも知ってるんだね。すごいなぁ。」

普通にみんな知っているし、使っているが。
そう言ってしまえば、きっと君はまた『自分は馬鹿だ』と傷つくのだろう。

「この赤シートは川上さんにやるから使えばいい」
そう言うと嬉しそうに笑った。
川上が喜んでくれるなら赤シートくらい何枚でもくれてやる。

だからいつも笑っていてほしい。
君の悲しい顔はあまり見たくないんだ。


──────────
22~天才の勉強法  へ

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜

ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。 そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、 理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。 しかも理樹には婚約者がいたのである。 全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。 二人は結婚出来るのであろうか。

クラヴィスの華〜BADエンドが確定している乙女ゲー世界のモブに転生した私が攻略対象から溺愛されているワケ〜

アルト
恋愛
たった一つのトゥルーエンドを除き、どの攻略ルートであってもBADエンドが確定している乙女ゲーム「クラヴィスの華」。 そのゲームの本編にて、攻略対象である王子殿下の婚約者であった公爵令嬢に主人公は転生をしてしまう。 とは言っても、王子殿下の婚約者とはいえ、「クラヴィスの華」では冒頭付近に婚約を破棄され、グラフィックは勿論、声すら割り当てられておらず、名前だけ登場するというモブの中のモブとも言えるご令嬢。 主人公は、己の不幸フラグを叩き折りつつ、BADエンドしかない未来を変えるべく頑張っていたのだが、何故か次第に雲行きが怪しくなって行き────? 「────婚約破棄? 何故俺がお前との婚約を破棄しなきゃいけないんだ? ああ、そうだ。この肩書きも煩わしいな。いっそもう式をあげてしまおうか。ああ、心配はいらない。必要な事は俺が全て────」 「…………(わ、私はどこで間違っちゃったんだろうか)」 これは、どうにかして己の悲惨な末路を変えたい主人公による生存戦略転生記である。

若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!

古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。 そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は? *カクヨム様で先行掲載しております

妹ちゃんは激おこです

よもぎ
ファンタジー
頭からっぽにして読める、「可愛い男爵令嬢ちゃんに惚れ込んで婚約者を蔑ろにした兄が、妹に下剋上されて追い出されるお話」です。妹視点のトークでお話が進みます。ある意味全編ざまぁ仕様。

【完結】何回も告白されて断っていますが、(周りが応援?) 私婚約者がいますの。

BBやっこ
恋愛
ある日、学園のカフェでのんびりお茶と本を読みながら過ごしていると。 男性が近づいてきました。突然、私にプロポーズしてくる知らない男。 いえ、知った顔ではありました。学園の制服を着ています。 私はドレスですが、同級生の平民でした。 困ります。

ドアマット扱いを黙って受け入れろ?絶対嫌ですけど。

よもぎ
ファンタジー
モニカは思い出した。わたし、ネットで読んだドアマットヒロインが登場する作品のヒロインになってる。このままいくと壮絶な経験することになる…?絶対嫌だ。というわけで、回避するためにも行動することにしたのである。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

【完結】ペンギンの着ぐるみ姿で召喚されたら、可愛いもの好きな氷の王子様に溺愛されてます。

櫻野くるみ
恋愛
笠原由美は、総務部で働くごく普通の会社員だった。 ある日、会社のゆるキャラ、ペンギンのペンタンの着ぐるみが納品され、たまたま小柄な由美が試着したタイミングで棚が倒れ、下敷きになってしまう。 気付けば豪華な広間。 着飾る人々の中、ペンタンの着ぐるみ姿の由美。 どうやら、ペンギンの着ぐるみを着たまま、異世界に召喚されてしまったらしい。 え?この状況って、シュール過ぎない? 戸惑う由美だが、更に自分が王子の結婚相手として召喚されたことを知る。 現れた王子はイケメンだったが、冷たい雰囲気で、氷の王子様と呼ばれているらしい。 そんな怖そうな人の相手なんて無理!と思う由美だったが、王子はペンタンを着ている由美を見るなりメロメロになり!? 実は可愛いものに目がない王子様に溺愛されてしまうお話です。 完結しました。

処理中です...