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11 三宅冬馬という人間 side三宅冬馬
しおりを挟むside三宅冬馬
今朝、ホームルームの前にクラス内が騒然とした。
何事かと参考書から少しだけ顔を上げると、みんなの視線の先にいたのは知らない女。
ガングロ二人としゃべっている。
編入生か?周りのヤツらと違ってまともに見える。
普通・・・・・・というより、まぁ、可愛らしいと言える部類には入るか。
しかしこの学校に編入してくるということは、十中八九頭が悪いのだろう。
なんせこの底辺学校の生徒は馬鹿ばかりだからな。
特に女。金髪に化粧は当たり前。
幼稚園児がクレヨンで塗りたくったような、汚ならしい化粧を施した顔面は見るに耐えない。
おもちゃのような安っぽいアクセサリーをじゃらじゃら付けて、短いスカートからは下着が見えそうだ。
頭がゆるけりゃ貞操観念もゆるいのか。
男も男でこれまた馬鹿ばかり。
長めの髪の毛は、整髪料で噴水の如く立ち上げている。
眉毛をつまようじのように細く剃りあげて、制服もだらしなく着崩し見苦しい事この上ない。
チャラチャラ、ヘラヘラしながら汚ならしい女どもに纏わり付いている。
「てか、ゆかり走るの遅すぎなーい?」
ゆかり? 編入生じゃないのか。
こんなヤツこのクラスにいたか?
担任の教師が来てみんなが各々席に着く 。
『か、川上か!』
担任教師の声が聞こえた。
川上?
あの汚ならしいガングロが化粧を落とすとこうなるのか。
化粧って怖いな。
まあ、俺には関係ない事だ。
俺は俺のやるべき事をやるのみだ。
虫けらのようなヤツらの雑音などに興味はない。
国語の授業が始まったが、俺は一人、数学の問題集をを解いている。
これは教師も公認だ。
この学校は県内でも偏差値最低の底辺私立高校だ。
俺は元々、県内一の高偏差値を誇る最難関の進学校に行く予定だった。
しかし入試当日、試験会場に向かう電車の中で痴漢に間違えられた。
駅員に拘束されて、「違う」と何度言っても解放してもらえない。
幸い目撃者がおり、本物の痴漢が捕まったことでやっと解放されたが、足止めを食らった俺はまるまる2教科をドブに捨てることとなった。
結果、当然不合格。
腹の立つことに、俺を痴漢呼ばわりした女は謝りもしないばかりか
『チカンに間違われるような見た目をしているのが悪い』と言いやがった。
死んで詫びろ。
志望校に落ちるつもりなど毛頭なかった俺は、滑り止めは受けていない。
2次で受けられたのはこの学校だけだった。
入学式では新入生代表の挨拶をさせられたが、皆ざわざわとおしゃべりをしてだれも聞いていない。
こんなところに三年間も通うなど絶望しかなかった。
まあ、そういう経緯でこの底辺私立高校に入学した俺だが、成績の良さは折り紙つきだ。
個人で定期的に受けている模試は、毎回全国
一位。
志望校はもちろんT大だ。
この学校の教師達も俺のT大受験を応援しているつもりか
「底辺のアホどもに合わせた授業なんざ受けなくてもいいぞー」
だと。
教師にまでそんな事をに言われるこの学校の生徒、生きている価値があるのか?
しかも自分達が最底辺の虫けらだと認識できずに、俺のことを陰気だガリ勉だとバカにするんだから、もう救いようがない。
馬鹿はお前らだ。死ね。
──────────
12~悪口 へ
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