目覚めはガングロギャル?!黒歴史は封印!清楚系美少女になって初恋の彼の闇落ちを阻止します!!

むぎてん

文字の大きさ
上 下
9 / 98

9 約束の月曜日②

しおりを挟む

                  

バスを降りると早苗とありさがいた。

「早苗、ありさ、おはよー!」
気合いを入れて元気に声を掛けたが、私を見た2人は固まったまま微動だにしない。
すっぴん(に見えるフルメイク)だからね。

「えぇぇーゆかり、すっぴんかよ!」
先に金縛りが解けたのは早苗だった。
続けてありさの金縛りも解けた。
「え、ゆかり? マジで? ゆかりのすっぴん初めて見たし! 早苗よく分かったね」
「ウチとゆかりは小学校が一緒だったんよー。中学は違ったけど。」

私を真ん中に挟んで歩き出すと、ありさがガングロ顔をぐいぐい寄せて
「で? で?」
と聞いてきた。

うん、約束したもんね。
ちゃんと本音で打ち明けよう。

「ガングロやめんのー?」
早苗がいきなり、ズバリと聞いてきたから
「うん」
私もはっきりと答えた。

「それってこの間の好きな人ってゆーのが関係してんの?こ・い・ば・な?」
ありさがニヤニヤしながら聞いてくる。

軽く深呼吸する。
落ち着け私、グーパーグーパー。
よし、大丈夫。

「うん、好きな人に好かれたい。だからガングロはやめる。彼、真面目な人だし」

「そっか! いいんじゃね? ゆかりのすっぴんかわいいしさぁ!」
「ホント! マジかわいーし、いーね!」

あれ、なんかあっさりしてる?
裏切るのかよー! とか言われる可能性、ちょっとは考えてたんだけどな。

「真面目系かぁー、真面目でイケメンって言えば・・・・・・伊藤とか?」
「違う。伊藤じゃないよ」
「笹山じゃん? あいつ真面目だけどサッカーとか上手いし」

二人が『真面目だけどリア充の部類』に入っているであろう男子の名前を挙げていく。

「笹山君も違う」
「分かった!  英語の谷センだ! でもさすがに教師と生徒じゃ犯ざ・・・・」
「三宅くんだよ。三宅冬馬くん」

・・・・・・・・・・・
「「はあぁぁぁぁぁぁ?!」」
二人の声がハモった。
やっぱり、引かれた?
とっさに下を向き、目をギュと閉じる。

「三宅ー?! マジか! 一匹狼に惚れるとか! 甘酸っぱ! 青春かよ! 少女マンガかよ!」

「ゆかり、勉強できるヤツがタイプだったん? 自分はアホの子なのに!」

二人のそんな言葉に恐る恐る目を開くと、キラキラとした笑顔で私を見ていた。

ああ、そうか。二人は受け止めてくれるのか。
嬉しくて嬉しくて思わす泣きそうになる。
ダメ!渾身の美少女メイクが落ちちゃう!
グッと堪えて更に打ち明ける。

「ほんとは1年の頃から好きだったんだ。笑われるんじゃないかって思うと怖くて、ずっと隠してた。でも、やっぱり頑張ってみようかなって・・・・・・」
「えー、なんで笑うんだよー」
「笑う意味がわかんないしー」

ヤバい。涙腺が決壊寸前だ。

「恋に頑張るとか可愛い過ぎかよ?」
「ガングロもやめるとかマジだしー」

保健室で目が覚めたあの日から、もう何度思っただろう。
私はホントに馬鹿だったんだね。

「やばっ!ウチら遅刻じゃね?」
ガラケーを開いてみると8時5分。
「10分しかないじゃん!」
歩きながら話しているつもりが、いつの間にか立ち話になってたらしい。
私たちは慌てて走り出した。


──────────
10~すっぴんの私、学校で  へ

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラヴィスの華〜BADエンドが確定している乙女ゲー世界のモブに転生した私が攻略対象から溺愛されているワケ〜

アルト
恋愛
たった一つのトゥルーエンドを除き、どの攻略ルートであってもBADエンドが確定している乙女ゲーム「クラヴィスの華」。 そのゲームの本編にて、攻略対象である王子殿下の婚約者であった公爵令嬢に主人公は転生をしてしまう。 とは言っても、王子殿下の婚約者とはいえ、「クラヴィスの華」では冒頭付近に婚約を破棄され、グラフィックは勿論、声すら割り当てられておらず、名前だけ登場するというモブの中のモブとも言えるご令嬢。 主人公は、己の不幸フラグを叩き折りつつ、BADエンドしかない未来を変えるべく頑張っていたのだが、何故か次第に雲行きが怪しくなって行き────? 「────婚約破棄? 何故俺がお前との婚約を破棄しなきゃいけないんだ? ああ、そうだ。この肩書きも煩わしいな。いっそもう式をあげてしまおうか。ああ、心配はいらない。必要な事は俺が全て────」 「…………(わ、私はどこで間違っちゃったんだろうか)」 これは、どうにかして己の悲惨な末路を変えたい主人公による生存戦略転生記である。

若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!

古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。 そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は? *カクヨム様で先行掲載しております

攻略対象の影薄い姉になったけど、モブってなにしたらいいの?

スズキアカネ
恋愛
転入生を見て思い出した。大好きだった乙女ゲームのモブ姉として私は転生してしまったのだと。だけどモブって何すりゃいいの? 特等席でイベント見れるチャンスだからまぁいいか!2度目のJKライフ、楽しまなきゃ損でしょ! (本編は全81話) ◇◆◇ 小説家になろう・カクヨム・個人サイトにも掲載しております。 文章の転載・転用などは禁止致しております。Do not repost.

妹ちゃんは激おこです

よもぎ
ファンタジー
頭からっぽにして読める、「可愛い男爵令嬢ちゃんに惚れ込んで婚約者を蔑ろにした兄が、妹に下剋上されて追い出されるお話」です。妹視点のトークでお話が進みます。ある意味全編ざまぁ仕様。

ゆるふわな可愛い系男子の旦那様は怒らせてはいけません

下菊みこと
恋愛
年下のゆるふわ可愛い系男子な旦那様と、そんな旦那様に愛されて心を癒した奥様のイチャイチャのお話。 旦那様はちょっとだけ裏表が激しいけど愛情は本物です。 ご都合主義の短いSSで、ちょっとだけざまぁもあるかも? 小説家になろう様でも投稿しています。

メイドから家庭教師にジョブチェンジ~特殊能力持ち貧乏伯爵令嬢の話~

Na20
恋愛
ローガン公爵家でメイドとして働いているイリア。今日も洗濯物を干しに行こうと歩いていると茂みからこどもの泣き声が聞こえてきた。なんだかんだでほっとけないイリアによる秘密の特訓が始まるのだった。そしてそれが公爵様にバレてメイドをクビになりそうになったが… ※恋愛要素ほぼないです。続きが書ければ恋愛要素があるはずなので恋愛ジャンルになっています。 ※設定はふんわり、ご都合主義です 小説家になろう様でも掲載しています

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

虐げられた私、ずっと一緒にいた精霊たちの王に愛される〜私が愛し子だなんて知りませんでした〜

ボタニカルseven
恋愛
「今までお世話になりました」 あぁ、これでやっとこの人たちから解放されるんだ。 「セレス様、行きましょう」 「ありがとう、リリ」 私はセレス・バートレイ。四歳の頃に母親がなくなり父がしばらく家を留守にしたかと思えば愛人とその子供を連れてきた。私はそれから今までその愛人と子供に虐げられてきた。心が折れそうになった時だってあったが、いつも隣で見守ってきてくれた精霊たちが支えてくれた。 ある日精霊たちはいった。 「あの方が迎えに来る」 カクヨム/なろう様でも連載させていただいております

処理中です...