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28エピローグ
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私がエリーゼと入れ替わったあの日から一年が過ぎた。
この一年、私は努力をした。
こんなに頑張ったのは生まれて初めてだ。
キャバ嬢だった頃の私は毎日を適当に生きていた。
『私程度の人間なんてこんなもんでしょ』と、その日暮らしの人生を送っていた。
だけど私はエリーゼと入れ替わったあの日、アーロンさんに恋をした。
そして知れば知るほどもっと好きになっていく。
エリーゼの記憶の中のアーロンさんは『何をしても上手く出来ない愚鈍な男』という位置づけだ。
だけど、それは全然違う。
アーロンさんがこれまで努力してきたこと、そして今現在も努力を続けていること。
それは私から見れば尊敬に値するほどだ。
確かにエリーゼは全てに置いて優秀だった。
そのための努力は凄まじいほどだった。
だけどアーロンさんだってずっと努力していた。
人間の能力は皆同じではない。
努力だけではどうにもならないことがある。
だから天才という言葉があるんだよ。
これまで努力なんてしたことなかった私が言うのもナンだけどさ、努力だけで天才になれるなら、みんな東大に受かるしメジャーリーガーにもなれるよね。
天才が努力するからてっぺんに行けるんじゃん?
皆、少しでもそこに近づきたくて努力するんだ。
私の場合は、アーロンさんの隣に立つのに恥ずかしくないようになりたかった。
だからとにかくがむしゃらに頑張った。
勿論エリーゼの記憶を覗けば殆どの事は解決する。
でも記憶だけではどうにもならないこともあるし、何よりアーロンさんと同じ光景をみたいと思った。
自分の頭で考えて、アーロンさんと話し合って共感して寄り添いたいと思った。
運命なんてお花畑みたいなことを言っていても、そんなに甘くないことくらいは分かってる。
アーロンさんと私に訪れるのは幸せだけではないことは分かってる。
辛いことも、苦しいことも、きっとこれから沢山訪れる。
そんな時も、手を繋いでいたい。
大好きなアーロンさんと一緒に悩んで苦しんで励まし合って、そして笑い合うんだ。
今日が楽しければそれでいい、
明日は明日の風が吹く、
なんて思っていたけど、そうじゃない。
楽しい明日が来るように今日を楽しく頑張るんだ。
私はアーロンさんの隣で生きていく。
今日も、明日も、明後日も。
10年後も20年後もずっとずっと。
ねぇ、エリーゼ。
私は『エリカ』としてアーロンさんと生きていくよ。
エリーゼもさ、『エリーゼ』として恵梨香の人生を幸せに生きて?
貴女がこの世界でエリーゼとして必死で努力してきたことを私は知ってる。
『じゃあ私はもう恵梨香には戻れないんだね』
それまで一点の曇りもなく自信に溢れていたエリーゼの瞳。
その瞳をゆらゆらと揺らして、小さな声で謝ったエリーゼ。
遠い日本の空の下で生きているエリーゼを思って空を見上げた。
何処までも抜けるような、雲一つない青い空に色とりどりの花吹雪が舞う。
そっと目を閉じた。
ねぇ、神様お願い。
どうか、エリーゼを幸せにしてあげて。
真っ白のタキシードに身を固めたアーロンさんのクルクルの髪に、沢山の花びらが引っかかっている。
「私、ずっと死ぬまで愛するから。アーロン様もずっと愛してね?」
「俺はずっとエリカだけを愛すると何度でも誓う!!」
アーロンさんが教会の敷地外まで響きわたるほどの大声で愛を誓ってくれた。
重たいウエディングドレスを身に纏った私を抱き上げてクルクル回るアーロンさんの大きな体は、やっぱり安心感が半端ない。
参列者たちの黄色い歓声の中、私たちは甘いキスを交わし、本当の夫婦になった。
─────────────
end
この一年、私は努力をした。
こんなに頑張ったのは生まれて初めてだ。
キャバ嬢だった頃の私は毎日を適当に生きていた。
『私程度の人間なんてこんなもんでしょ』と、その日暮らしの人生を送っていた。
だけど私はエリーゼと入れ替わったあの日、アーロンさんに恋をした。
そして知れば知るほどもっと好きになっていく。
エリーゼの記憶の中のアーロンさんは『何をしても上手く出来ない愚鈍な男』という位置づけだ。
だけど、それは全然違う。
アーロンさんがこれまで努力してきたこと、そして今現在も努力を続けていること。
それは私から見れば尊敬に値するほどだ。
確かにエリーゼは全てに置いて優秀だった。
そのための努力は凄まじいほどだった。
だけどアーロンさんだってずっと努力していた。
人間の能力は皆同じではない。
努力だけではどうにもならないことがある。
だから天才という言葉があるんだよ。
これまで努力なんてしたことなかった私が言うのもナンだけどさ、努力だけで天才になれるなら、みんな東大に受かるしメジャーリーガーにもなれるよね。
天才が努力するからてっぺんに行けるんじゃん?
皆、少しでもそこに近づきたくて努力するんだ。
私の場合は、アーロンさんの隣に立つのに恥ずかしくないようになりたかった。
だからとにかくがむしゃらに頑張った。
勿論エリーゼの記憶を覗けば殆どの事は解決する。
でも記憶だけではどうにもならないこともあるし、何よりアーロンさんと同じ光景をみたいと思った。
自分の頭で考えて、アーロンさんと話し合って共感して寄り添いたいと思った。
運命なんてお花畑みたいなことを言っていても、そんなに甘くないことくらいは分かってる。
アーロンさんと私に訪れるのは幸せだけではないことは分かってる。
辛いことも、苦しいことも、きっとこれから沢山訪れる。
そんな時も、手を繋いでいたい。
大好きなアーロンさんと一緒に悩んで苦しんで励まし合って、そして笑い合うんだ。
今日が楽しければそれでいい、
明日は明日の風が吹く、
なんて思っていたけど、そうじゃない。
楽しい明日が来るように今日を楽しく頑張るんだ。
私はアーロンさんの隣で生きていく。
今日も、明日も、明後日も。
10年後も20年後もずっとずっと。
ねぇ、エリーゼ。
私は『エリカ』としてアーロンさんと生きていくよ。
エリーゼもさ、『エリーゼ』として恵梨香の人生を幸せに生きて?
貴女がこの世界でエリーゼとして必死で努力してきたことを私は知ってる。
『じゃあ私はもう恵梨香には戻れないんだね』
それまで一点の曇りもなく自信に溢れていたエリーゼの瞳。
その瞳をゆらゆらと揺らして、小さな声で謝ったエリーゼ。
遠い日本の空の下で生きているエリーゼを思って空を見上げた。
何処までも抜けるような、雲一つない青い空に色とりどりの花吹雪が舞う。
そっと目を閉じた。
ねぇ、神様お願い。
どうか、エリーゼを幸せにしてあげて。
真っ白のタキシードに身を固めたアーロンさんのクルクルの髪に、沢山の花びらが引っかかっている。
「私、ずっと死ぬまで愛するから。アーロン様もずっと愛してね?」
「俺はずっとエリカだけを愛すると何度でも誓う!!」
アーロンさんが教会の敷地外まで響きわたるほどの大声で愛を誓ってくれた。
重たいウエディングドレスを身に纏った私を抱き上げてクルクル回るアーロンさんの大きな体は、やっぱり安心感が半端ない。
参列者たちの黄色い歓声の中、私たちは甘いキスを交わし、本当の夫婦になった。
─────────────
end
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嬉しすぎます(≧∇≦)
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初っ端からエリカのキャラにやられてます😂
人の話聞かないし!😂どうなっていくのか楽しみです。
沢山の作品の中からお読みいただきありがとうございます!
エリカは少し暴走気味ですがとってもいい子です笑