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第68話:譲れない想い
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「シャレルちゃん、そんな顔をしないで。私はね、皆が平等に幸せになって欲しいのよ。ダーウィンもジョーンも、同じようにね。ダーウィンは、ファレオ王国の次期国王の座を、ジョーンには愛するシャレルちゃんを。やっぱり双子は平等でなくっちゃね」
「何が平等でなくっちゃね、ですか。結局あなたは、ジョーン殿下の事しか考えていないじゃないですか。私とダーウィン様は愛し合っているのですよ。それを無理や引き離したりして。それに私がいなくなれば、大騒ぎになるはずです。きっと皆さま、私の捜索に乗り出しますわ。我が国だけではない、ディーラス王国で行方不明になれば、この国にだって多大な迷惑が掛かります。その事を、考えていらっしゃるのですか?」
「ええ、もちろん考えているわ。その点は心配しなくても大丈夫よ。私はこれでもこの国の元王女で公爵夫人なの。あなたは誤って海に落ちしてしまった、助けようとしけれど、間に合わなかったと泣きながら訴えればいいだけよ。あなたは不慮の事故で命を落とした。それで問題ないでしょう?」
問題ない訳がない。この人は一体、何を言っているの?
「シャレルちゃん、あなたにはもう選択肢はないのよ。あなたの護衛たちは、皆倒れている。マリーヌはお義姉様と一緒に、今我が国の貴族たちとお茶をするため、出掛けている。ダーウィンとディン様も、今頃まだお山の上。そう、誰もあなたを助けてくれる人はいないのよ」
なるほど、私が1人になる様に仕向けたのね。
「ジョーン、早くシャレルちゃんを連れて、国を出て。大丈夫よ、あなた達が無事マーラル王国に向かえるよう、ちゃんと手配をしてあるから。シャレルちゃん、心配しないで。マーラル王国で今の生活と変わらないくらい立派なお屋敷と、沢山の使用人を準備してあるから。あなた、ずっとマーラル王国に行きたかったのでしょう?これで夢が叶ったわね」
「夢が叶ったですって?ふざけないで下さい。私はダーウィン様と一緒に、マーラル王国に行きたかったのです。ただ、マーラル王国に行きたい訳ではございませんわ」
「シャレル、もう兄上の名前は呼ばないでくれ。なんだか悲しくなるよ。これからは2人で生きていくのだから。さあ、行こう」
「近づかないで下さい。もしそれ以上近づいたら、私はこの崖から飛び降ります!」
真っすぐジョーン殿下を見つめ、そう告げた。
「何をバカな事を言っているのだい?別に君に酷い事をする訳ではないのだよ。ただ、僕と幸せに暮らすだけなんだ。兄上は君がいなくなってショックかもしれないが、兄上には次期国王という立派なイスがあるのだから、心配しなくて大丈夫だよ」
「何が大丈夫なのですか?私はちっとも大丈夫ではありません。私は、あなたと共に生きていく気はありません。マリア様が最後まであなたを愛し、死ぬまで真実を告げなかった様に、私も1人の女として自分の意思を貫くまでです」
私は絶対に、あなたの元になんて行かない。絶対に!
「何をバカな事を言っているのだい?こんな高い崖から落ちたら、君の命はない。命を捨ててまで、僕を拒むというのかい?どうしてだい?僕はこんなにも君を愛しているのに」
「愛している?違いますよね。私を本当に愛してくださっているのでしたら、私の気持ちを尊重してくださるはずです。でも、あなたは私の気持ちなんてまるで無視していらっしゃる。あなたはただ、私に執着しているだけ。ジョーン殿下、はっきりと申し上げます。あなたがいくら私に執着しようとも、絶対に私はあなたのものにはならない!たとえこの命を失ったとしても」
「君のその強い瞳。やっぱり好きだな…僕は君が欲しい。どんな手を使っても。君が海に飛び込むというのなら、僕も一緒に飛び込むよ。君とあの世で幸せになるのもいいかもしれない」
うっとりとした表情を浮かべ、少しずつ私に近づいてくるジョーン殿下。
「それ以上近づかないで下さい。それ以上近づくと、本当に海に身を…」
「ジョーン、シャレルから離れろ!」
「ジョーン、どうしてこんな愚かのことを。お姉様、一体何を考えているのですか?こんな事をして」
この声は!
「ダーウィン様!王妃様」
そこには怒りで手が震えているダーウィン様と、悲しそうな顔でこちらを見つめている王妃様の姿が。さらにディン様やディーラス王国の王妃殿下の姿もある。
「どうしてあなた達が、ここにいるの?」
「何が平等でなくっちゃね、ですか。結局あなたは、ジョーン殿下の事しか考えていないじゃないですか。私とダーウィン様は愛し合っているのですよ。それを無理や引き離したりして。それに私がいなくなれば、大騒ぎになるはずです。きっと皆さま、私の捜索に乗り出しますわ。我が国だけではない、ディーラス王国で行方不明になれば、この国にだって多大な迷惑が掛かります。その事を、考えていらっしゃるのですか?」
「ええ、もちろん考えているわ。その点は心配しなくても大丈夫よ。私はこれでもこの国の元王女で公爵夫人なの。あなたは誤って海に落ちしてしまった、助けようとしけれど、間に合わなかったと泣きながら訴えればいいだけよ。あなたは不慮の事故で命を落とした。それで問題ないでしょう?」
問題ない訳がない。この人は一体、何を言っているの?
「シャレルちゃん、あなたにはもう選択肢はないのよ。あなたの護衛たちは、皆倒れている。マリーヌはお義姉様と一緒に、今我が国の貴族たちとお茶をするため、出掛けている。ダーウィンとディン様も、今頃まだお山の上。そう、誰もあなたを助けてくれる人はいないのよ」
なるほど、私が1人になる様に仕向けたのね。
「ジョーン、早くシャレルちゃんを連れて、国を出て。大丈夫よ、あなた達が無事マーラル王国に向かえるよう、ちゃんと手配をしてあるから。シャレルちゃん、心配しないで。マーラル王国で今の生活と変わらないくらい立派なお屋敷と、沢山の使用人を準備してあるから。あなた、ずっとマーラル王国に行きたかったのでしょう?これで夢が叶ったわね」
「夢が叶ったですって?ふざけないで下さい。私はダーウィン様と一緒に、マーラル王国に行きたかったのです。ただ、マーラル王国に行きたい訳ではございませんわ」
「シャレル、もう兄上の名前は呼ばないでくれ。なんだか悲しくなるよ。これからは2人で生きていくのだから。さあ、行こう」
「近づかないで下さい。もしそれ以上近づいたら、私はこの崖から飛び降ります!」
真っすぐジョーン殿下を見つめ、そう告げた。
「何をバカな事を言っているのだい?別に君に酷い事をする訳ではないのだよ。ただ、僕と幸せに暮らすだけなんだ。兄上は君がいなくなってショックかもしれないが、兄上には次期国王という立派なイスがあるのだから、心配しなくて大丈夫だよ」
「何が大丈夫なのですか?私はちっとも大丈夫ではありません。私は、あなたと共に生きていく気はありません。マリア様が最後まであなたを愛し、死ぬまで真実を告げなかった様に、私も1人の女として自分の意思を貫くまでです」
私は絶対に、あなたの元になんて行かない。絶対に!
「何をバカな事を言っているのだい?こんな高い崖から落ちたら、君の命はない。命を捨ててまで、僕を拒むというのかい?どうしてだい?僕はこんなにも君を愛しているのに」
「愛している?違いますよね。私を本当に愛してくださっているのでしたら、私の気持ちを尊重してくださるはずです。でも、あなたは私の気持ちなんてまるで無視していらっしゃる。あなたはただ、私に執着しているだけ。ジョーン殿下、はっきりと申し上げます。あなたがいくら私に執着しようとも、絶対に私はあなたのものにはならない!たとえこの命を失ったとしても」
「君のその強い瞳。やっぱり好きだな…僕は君が欲しい。どんな手を使っても。君が海に飛び込むというのなら、僕も一緒に飛び込むよ。君とあの世で幸せになるのもいいかもしれない」
うっとりとした表情を浮かべ、少しずつ私に近づいてくるジョーン殿下。
「それ以上近づかないで下さい。それ以上近づくと、本当に海に身を…」
「ジョーン、シャレルから離れろ!」
「ジョーン、どうしてこんな愚かのことを。お姉様、一体何を考えているのですか?こんな事をして」
この声は!
「ダーウィン様!王妃様」
そこには怒りで手が震えているダーウィン様と、悲しそうな顔でこちらを見つめている王妃様の姿が。さらにディン様やディーラス王国の王妃殿下の姿もある。
「どうしてあなた達が、ここにいるの?」
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