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第24話:アルフレッド様に状況を説明しました
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「クリスティーヌ、盗聴器やら盗撮器などという言葉が聞こえたのだが、一体どういう事だい?僕にもわかる様に説明してくれ!」
隣に座っているアルフレッド様が、不安そうに話しかけていた。
「どうやらあの腹黒兄妹…失礼、カロイド殿下とカリ器ーナ殿下は、私には盗撮器を、アルフレッド様には盗聴器を仕掛けていた様です。多分その盗撮器の映像をどこかで確認していたカリーナ殿下が、私が戻って来るタイミングでアルフレッド様を押し倒すように仕向けたのかと」
「そんな…僕はともかく、クリスティーヌにまでその様な事を…すまない、僕のせいだ。僕がカリーナ殿下に好かれてしまったばかりに。あの時カリーナ殿下を助けさえしなければこんな事には…」
頭を抱えて俯くアルフレッド様を、ギュッと抱きしめた。
「あなた様のせいではありませんわ。とにかく盗撮器と盗聴器は回収いたしましたので大丈夫ですわ。アルフレッド様、とにかくカロイド殿下とカリーナ殿下には気を付けましょう。それから、私は何があってもあなた様の味方です。どうやら今回は、アルフレッド様のピアスに盗聴器が付けられていた様です。馬車の中でたまたま触れた時に、気が付きましたの」
「僕のピアスにかい?いつの間に付けたのだろう。あの女、本当に恐ろしい。クリスティーヌは制服に付けられていたと言っていたね」
「ええ、ただ私の場合は、多分私の行動を把握するために付けたのでしょう。アルフレッド様は肌身離さず付けていらっしゃるピアスに付けられていたので、きっとあなた様の行動を監視…いいえ、もっと不純な動機で付けたのかもしれません」
カリーナ殿下の事だ、きっとアルフレッド様の私生活を盗聴しようとしたのだろう。なんて悪趣味な人なのかしら?
「とにかくもう、カリーナ殿下とカロイド殿下には、近づかない様に気を付けましょう。アルフレッド様、あなた様は私が守りますわ!」
絶対にアルフレッド様を不幸に何てさせない!神様が与えてくれたチャンスなのですもの。何が何でも、彼を守って見せるわ!
「ありがとう、クリスティーヌ。それにしてもクリスティーヌは、すごいね。僕に盗聴器が仕掛けられている事に気が付くだなんて。もしかして、カロイド殿下に何か教えてもらったのかい?」
不安そうに私を見つめてくるアルフレッド様。
「いいえ、あの人は私にカリーナ殿下の部屋を見せて来ただけですわ。あの男、一体何がしたかったのかさっぱり分からないけれど…アルフレッド様、もし何か不安な事や気になる事があったら、どんな些細な事でも結構です。私に話してください。私も極力アルフレッド様に話すようにいたしますわ」
少しでも彼を安心させたくて、そう伝えた。
「ありがとう、クリスティーヌ。君が僕のいう事を信じてくれただけでなく、僕を守ろうとしてくれているだなんて…でも、どうか危険な事だけはしないで欲しい。僕は君を失う事が一番怖いんだ…」
「分かりましたわ。アルフレッド様が不安に感じる事は、極力控えるようにいたします。ですから、どうか心穏やかに」
アルフレッド様の心が穏やかにいてくれることが、私が一番に望む事。ギュッとアルフレッド様を抱きしめた。あぁ、温かいわ…それにがっちりした体。ドクドクと心臓の音も聞こえる。
ふと漫画の世界で、アルフレッド様が処刑されたシーンが頭をよぎった。どうして今、あのシーンがよぎるの?イヤ!
絶対に私はアルフレッド様を死なせたりはしないし、彼を幸せにして見せる。それが前世の私、そして全てのアルフレッド様ファンたちの思いを背負った私の使命だから!
「アルフレッド様、今日はお疲れになったでしょう?そろそろ夕食のお時間ですわ。それから、盗聴器と盗撮器の件、両親には黙っておきましょう。使用人たちにも、口止めしておきますわ。無駄に心配をかけたくはないですし」
「そうだね、さすがに義父上と義母上には話さない方がいいだろう。クリスティーヌ、君は僕が必ず守るから!」
「ありがとうございます。アルフレッド様、愛しておりますわ。私はもう、あなた様なしでは生きていけません。どうかその事だけは、覚えておいてください」
「僕も、クリスティーヌがいないと生きていけないよ!ずっと一緒にいてくれるかい?」
「ええ、もちろんですわ。どんな事があっても、あなた様から絶対に離れたりしません。約束します。さあ、両親も待っていますわ。夕食を頂きに行きましょう」
少し気持ちが落ち着いたのか、ホッとした様な表情を浮かべているアルフレッド様と一緒に、食堂へと向かい、両親も交えて4人で夕食を頂いた。食後は湯あみを済ませ、アルフレッド様の部屋へと向かった。
「アルフレッド様、今日はお疲れでしょう。私が傍におりますので、今日は領地のお勉強はお休みして、ゆっくり休んでください。さあ、ベッドに入ってください」
「クリスティーヌが傍にいてくれるのかい?それは嬉しいな。それじゃあ、今日はお休みしてもう寝るよ」
ベッドに入ったアルフレッド様を、ギュッと抱きしめた。今日はアルフレッド様が寝付くまで、ずっと傍にいようと決めたのだ。
「クリスティーヌ、抱きしめて寝てくれるのかい?嬉しいな。クリスティーヌの温もりを感じると、すぐに眠くなるんだ」
「それはようございましたわ。どうかゆっくり休んでください」
私もアルフレッド様の温もりを感じると、安心する。でも私には、まだ考えなければいけない事が残っているのだ。
でも…
アルフレッド様の温もりが気持ちよすぎて、そのまま眠りについてしまったのだった。
隣に座っているアルフレッド様が、不安そうに話しかけていた。
「どうやらあの腹黒兄妹…失礼、カロイド殿下とカリ器ーナ殿下は、私には盗撮器を、アルフレッド様には盗聴器を仕掛けていた様です。多分その盗撮器の映像をどこかで確認していたカリーナ殿下が、私が戻って来るタイミングでアルフレッド様を押し倒すように仕向けたのかと」
「そんな…僕はともかく、クリスティーヌにまでその様な事を…すまない、僕のせいだ。僕がカリーナ殿下に好かれてしまったばかりに。あの時カリーナ殿下を助けさえしなければこんな事には…」
頭を抱えて俯くアルフレッド様を、ギュッと抱きしめた。
「あなた様のせいではありませんわ。とにかく盗撮器と盗聴器は回収いたしましたので大丈夫ですわ。アルフレッド様、とにかくカロイド殿下とカリーナ殿下には気を付けましょう。それから、私は何があってもあなた様の味方です。どうやら今回は、アルフレッド様のピアスに盗聴器が付けられていた様です。馬車の中でたまたま触れた時に、気が付きましたの」
「僕のピアスにかい?いつの間に付けたのだろう。あの女、本当に恐ろしい。クリスティーヌは制服に付けられていたと言っていたね」
「ええ、ただ私の場合は、多分私の行動を把握するために付けたのでしょう。アルフレッド様は肌身離さず付けていらっしゃるピアスに付けられていたので、きっとあなた様の行動を監視…いいえ、もっと不純な動機で付けたのかもしれません」
カリーナ殿下の事だ、きっとアルフレッド様の私生活を盗聴しようとしたのだろう。なんて悪趣味な人なのかしら?
「とにかくもう、カリーナ殿下とカロイド殿下には、近づかない様に気を付けましょう。アルフレッド様、あなた様は私が守りますわ!」
絶対にアルフレッド様を不幸に何てさせない!神様が与えてくれたチャンスなのですもの。何が何でも、彼を守って見せるわ!
「ありがとう、クリスティーヌ。それにしてもクリスティーヌは、すごいね。僕に盗聴器が仕掛けられている事に気が付くだなんて。もしかして、カロイド殿下に何か教えてもらったのかい?」
不安そうに私を見つめてくるアルフレッド様。
「いいえ、あの人は私にカリーナ殿下の部屋を見せて来ただけですわ。あの男、一体何がしたかったのかさっぱり分からないけれど…アルフレッド様、もし何か不安な事や気になる事があったら、どんな些細な事でも結構です。私に話してください。私も極力アルフレッド様に話すようにいたしますわ」
少しでも彼を安心させたくて、そう伝えた。
「ありがとう、クリスティーヌ。君が僕のいう事を信じてくれただけでなく、僕を守ろうとしてくれているだなんて…でも、どうか危険な事だけはしないで欲しい。僕は君を失う事が一番怖いんだ…」
「分かりましたわ。アルフレッド様が不安に感じる事は、極力控えるようにいたします。ですから、どうか心穏やかに」
アルフレッド様の心が穏やかにいてくれることが、私が一番に望む事。ギュッとアルフレッド様を抱きしめた。あぁ、温かいわ…それにがっちりした体。ドクドクと心臓の音も聞こえる。
ふと漫画の世界で、アルフレッド様が処刑されたシーンが頭をよぎった。どうして今、あのシーンがよぎるの?イヤ!
絶対に私はアルフレッド様を死なせたりはしないし、彼を幸せにして見せる。それが前世の私、そして全てのアルフレッド様ファンたちの思いを背負った私の使命だから!
「アルフレッド様、今日はお疲れになったでしょう?そろそろ夕食のお時間ですわ。それから、盗聴器と盗撮器の件、両親には黙っておきましょう。使用人たちにも、口止めしておきますわ。無駄に心配をかけたくはないですし」
「そうだね、さすがに義父上と義母上には話さない方がいいだろう。クリスティーヌ、君は僕が必ず守るから!」
「ありがとうございます。アルフレッド様、愛しておりますわ。私はもう、あなた様なしでは生きていけません。どうかその事だけは、覚えておいてください」
「僕も、クリスティーヌがいないと生きていけないよ!ずっと一緒にいてくれるかい?」
「ええ、もちろんですわ。どんな事があっても、あなた様から絶対に離れたりしません。約束します。さあ、両親も待っていますわ。夕食を頂きに行きましょう」
少し気持ちが落ち着いたのか、ホッとした様な表情を浮かべているアルフレッド様と一緒に、食堂へと向かい、両親も交えて4人で夕食を頂いた。食後は湯あみを済ませ、アルフレッド様の部屋へと向かった。
「アルフレッド様、今日はお疲れでしょう。私が傍におりますので、今日は領地のお勉強はお休みして、ゆっくり休んでください。さあ、ベッドに入ってください」
「クリスティーヌが傍にいてくれるのかい?それは嬉しいな。それじゃあ、今日はお休みしてもう寝るよ」
ベッドに入ったアルフレッド様を、ギュッと抱きしめた。今日はアルフレッド様が寝付くまで、ずっと傍にいようと決めたのだ。
「クリスティーヌ、抱きしめて寝てくれるのかい?嬉しいな。クリスティーヌの温もりを感じると、すぐに眠くなるんだ」
「それはようございましたわ。どうかゆっくり休んでください」
私もアルフレッド様の温もりを感じると、安心する。でも私には、まだ考えなければいけない事が残っているのだ。
でも…
アルフレッド様の温もりが気持ちよすぎて、そのまま眠りについてしまったのだった。
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