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第11話:歯車が狂い始めた~アルフレッド視点~
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大好きなクリスティーヌのお陰で、すっかり元気を取り戻した僕は、次第に将来を見据えるようになっていった。
そう、僕はクリスティーヌと結婚して、公爵家を継ぎたいと考えるようになったのだ。幸い、アレスティー公爵も夫人も、僕とクリスティーヌを結婚させ、2人で公爵家を支えて欲しいと考えている様だ。
僕を引き取ってくれた公爵の期待にも応えたいし、何よりもクリスティーヌを僕の手で幸せにしたい。そんな思いから、僕は寝る間も惜しんで勉学に励む様になった。さらに何かあった時にクリスティーヌを守れる様に、武術にも力を入れた。
もちろん、クリスティーヌとの時間も大切にした。ただ…クリスティーヌは歳を重ねるにつれ、お茶会などにも積極的に参加し始めたのだ。僕もクリスティーヌの参加するお茶会には極力参加した。
僕はひと時もクリスティーヌと離れたくなくて、彼女の傍にずっといた。でも、クリスティーヌは僕以外の令嬢や令息たちとも仲良くしたい様で…
「アルフレッド様、私は他の方と話をして参りますので、どうかアルフレッド様も別の方と過ごしてください」
そう言って僕の傍からすぐに離れてしまうのだ。それが寂しくてたまらない。何とかしてクリスティーヌとの時間を確保したくて、僕は時間を見つけては彼女に話しかけた。
でも…
クリスティーヌはいつしか、僕を避けるようになっていった。僕を見ると怯えた表情を浮かべ、すぐに部屋へと閉じこもってしまう。さらに
「私の部屋には絶対に入らないで下さい。いいですか?私たちは婚約者でも何でもない、ただの同居人なのです!」
そう言われてしまった。僕はただ、クリスティーヌさえいればいいのに…
僕自身、なぜここまでクリスティーヌに嫌われているのか分からない。でも、僕にはもうクリスティーヌしかいないんだ…寂しくて悲しくて辛くて、1人静かにベッドの中で泣いた。昔はクリスティーヌが、僕を慰めてくれていたのに…あの頃のクリスティーヌはもういない。その現実が辛くてたまらなかった。
それでも僕は、クリスティーヌを心から愛している。彼女を諦める事なんて出来ない。でもクリスティーヌは…
そんな日々が続いたある日の事。僕たちは既に11歳になっていた。今日はアレスティー公爵家でお茶会が開かれていた。クリスティーヌからは話しかけないで欲しいといわれていた為、遠くからクリスティーヌを見つめる。
楽しそうに令嬢や令息と話をしているクリスティーヌを見ていたら、胸が張り裂けそうになった。辛くて苦しくて、気が付くと僕は中庭の奥に来ていた。これ以上クリスティーヌが他の人たちと仲良くしている姿を見たくはなかったのだ。
1人ベンチに座り、ため息を付く。すると、近くに足を引きづっている令嬢が目に入った。
「君、どうしたのだい?足から血が出ているよ。大丈夫かい?」
「はい…私、今日初めてアレスティー公爵家のお茶会に参加したのですが、どうやら迷子になってしまって…」
「そうだったのだね。僕はこの家でお世話になっているアルフレッド・グレィーソンだ。可哀そうに、足から血が出ているよ。歩くのも辛いだろう。僕が屋敷まで運んであげるよ」
今にも泣きそうな令嬢を抱きかかえ、屋敷へと連れて行く。屋敷に着くと、すぐに使用人に手当てをしてもらう様に頼んだ。
「あの…アルフレッド様、ありがとうございました」
そう言って何度も頭を下げる令嬢。さらに
「あなた様は私の王子様です。どうか私と結婚をして頂けないでしょうか?私の名前はカリーナ・ディアル・サムリンと申します。この国の第一王女ですわ」
そんな事を言いだしたのだ。この令嬢はこの国の第一王女だったのか。この国の王族たちは、今まであまり公の場所に姿を現していなかったから、顔を見ても分からなかったのだ。
「カリーナ殿下でしたか。それは失礼いたしました。申し訳ないのですが、私には既に心に決めた令嬢がおりますので…」
そう断りを入れて、彼女の元を去った。でも…
「アルフレッド、陛下からカリーナ殿下と君を婚約させたいとの申し入れがあったんだ。正直私は君には公爵家を継いでほしいが、クリスティーヌはあんな感じだし、君がもし公爵家を継ぐのが嫌なら、カリーナ殿下と婚約をしてもいいのだよ。君が誰よりも必死に勉強をしている事も知っているからね。もし相手がクリスティーヌでなかったとしても、私は君に公爵家を継いでほしいと考えている」
義父上がそう僕に伝えてくれた。本当に義父上は優しくて、僕の事を大切にしてくれている。もちろん、義母上もだ。
この頃には僕もクリスティーヌの両親の事を、第二の自分の両親という思いから、義父上・義母上と呼ぶ様になっていた。
「義父上、僕の為にありがとうございます。でも僕は、今でもクリスティーヌを心から愛しております。ですから、どうかカリーナ殿下との婚約話は断って頂けないでしょうか?」
必死に義父上に頭を下げた。
「分かったよ、アルフレッドがそこまで言うなら断っておくよ。まあ、婚約を結べるのはまだ先だし、気が変わったらいつでも教えて欲しい」
そう言って笑っていた義父上。その後僕の気持ちを陛下に伝えてくれた様だ。
でも…
どうしても諦めきれないというカリーナ殿下が、僕と話がしたいと言い出したのだ。
そう、僕はクリスティーヌと結婚して、公爵家を継ぎたいと考えるようになったのだ。幸い、アレスティー公爵も夫人も、僕とクリスティーヌを結婚させ、2人で公爵家を支えて欲しいと考えている様だ。
僕を引き取ってくれた公爵の期待にも応えたいし、何よりもクリスティーヌを僕の手で幸せにしたい。そんな思いから、僕は寝る間も惜しんで勉学に励む様になった。さらに何かあった時にクリスティーヌを守れる様に、武術にも力を入れた。
もちろん、クリスティーヌとの時間も大切にした。ただ…クリスティーヌは歳を重ねるにつれ、お茶会などにも積極的に参加し始めたのだ。僕もクリスティーヌの参加するお茶会には極力参加した。
僕はひと時もクリスティーヌと離れたくなくて、彼女の傍にずっといた。でも、クリスティーヌは僕以外の令嬢や令息たちとも仲良くしたい様で…
「アルフレッド様、私は他の方と話をして参りますので、どうかアルフレッド様も別の方と過ごしてください」
そう言って僕の傍からすぐに離れてしまうのだ。それが寂しくてたまらない。何とかしてクリスティーヌとの時間を確保したくて、僕は時間を見つけては彼女に話しかけた。
でも…
クリスティーヌはいつしか、僕を避けるようになっていった。僕を見ると怯えた表情を浮かべ、すぐに部屋へと閉じこもってしまう。さらに
「私の部屋には絶対に入らないで下さい。いいですか?私たちは婚約者でも何でもない、ただの同居人なのです!」
そう言われてしまった。僕はただ、クリスティーヌさえいればいいのに…
僕自身、なぜここまでクリスティーヌに嫌われているのか分からない。でも、僕にはもうクリスティーヌしかいないんだ…寂しくて悲しくて辛くて、1人静かにベッドの中で泣いた。昔はクリスティーヌが、僕を慰めてくれていたのに…あの頃のクリスティーヌはもういない。その現実が辛くてたまらなかった。
それでも僕は、クリスティーヌを心から愛している。彼女を諦める事なんて出来ない。でもクリスティーヌは…
そんな日々が続いたある日の事。僕たちは既に11歳になっていた。今日はアレスティー公爵家でお茶会が開かれていた。クリスティーヌからは話しかけないで欲しいといわれていた為、遠くからクリスティーヌを見つめる。
楽しそうに令嬢や令息と話をしているクリスティーヌを見ていたら、胸が張り裂けそうになった。辛くて苦しくて、気が付くと僕は中庭の奥に来ていた。これ以上クリスティーヌが他の人たちと仲良くしている姿を見たくはなかったのだ。
1人ベンチに座り、ため息を付く。すると、近くに足を引きづっている令嬢が目に入った。
「君、どうしたのだい?足から血が出ているよ。大丈夫かい?」
「はい…私、今日初めてアレスティー公爵家のお茶会に参加したのですが、どうやら迷子になってしまって…」
「そうだったのだね。僕はこの家でお世話になっているアルフレッド・グレィーソンだ。可哀そうに、足から血が出ているよ。歩くのも辛いだろう。僕が屋敷まで運んであげるよ」
今にも泣きそうな令嬢を抱きかかえ、屋敷へと連れて行く。屋敷に着くと、すぐに使用人に手当てをしてもらう様に頼んだ。
「あの…アルフレッド様、ありがとうございました」
そう言って何度も頭を下げる令嬢。さらに
「あなた様は私の王子様です。どうか私と結婚をして頂けないでしょうか?私の名前はカリーナ・ディアル・サムリンと申します。この国の第一王女ですわ」
そんな事を言いだしたのだ。この令嬢はこの国の第一王女だったのか。この国の王族たちは、今まであまり公の場所に姿を現していなかったから、顔を見ても分からなかったのだ。
「カリーナ殿下でしたか。それは失礼いたしました。申し訳ないのですが、私には既に心に決めた令嬢がおりますので…」
そう断りを入れて、彼女の元を去った。でも…
「アルフレッド、陛下からカリーナ殿下と君を婚約させたいとの申し入れがあったんだ。正直私は君には公爵家を継いでほしいが、クリスティーヌはあんな感じだし、君がもし公爵家を継ぐのが嫌なら、カリーナ殿下と婚約をしてもいいのだよ。君が誰よりも必死に勉強をしている事も知っているからね。もし相手がクリスティーヌでなかったとしても、私は君に公爵家を継いでほしいと考えている」
義父上がそう僕に伝えてくれた。本当に義父上は優しくて、僕の事を大切にしてくれている。もちろん、義母上もだ。
この頃には僕もクリスティーヌの両親の事を、第二の自分の両親という思いから、義父上・義母上と呼ぶ様になっていた。
「義父上、僕の為にありがとうございます。でも僕は、今でもクリスティーヌを心から愛しております。ですから、どうかカリーナ殿下との婚約話は断って頂けないでしょうか?」
必死に義父上に頭を下げた。
「分かったよ、アルフレッドがそこまで言うなら断っておくよ。まあ、婚約を結べるのはまだ先だし、気が変わったらいつでも教えて欲しい」
そう言って笑っていた義父上。その後僕の気持ちを陛下に伝えてくれた様だ。
でも…
どうしても諦めきれないというカリーナ殿下が、僕と話がしたいと言い出したのだ。
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