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第48話:真実を教えてあげましょう【前編】
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「もう無理…助けてグラ…」
「もう我慢できない!汚い手でジャンヌに触れようとするなぁぁ!!!」
「ぎゃぁぁぁ」
ものすごい勢いでシャーロン様が吹っ飛んでいく。
「グラディオン…」
「ジャンヌ、大丈夫か?お前が助けを求めるまで様子を見ていて欲しいというから我慢して待っていたが、さすがにもう限界だった。本当にジャンヌは、いつまで俺を待たせるつもりなんだよ」
ギュッと抱きしめてくれるグラディオンに寄り掛かった。ダメだ、私も抱き着きたいが、力が出ない。
「ごめんなさい。さすがに今、助けを求めようとしたのよ…そのタイミングでグラディオンが出てきたの。私達、やっぱり気が合うのね。タイミングが完璧だったわ…」
「俺の方こそごめん。話すのも辛いだろうに。いくらシャーロンを油断させるためだからって、薬まで飲まなくてもよかったのに。とにかくもう話さなくてもいい」
すっとグラディオンが私を抱きかかえた。その温もりが、落ち着く。
「痛い、僕の顔を殴ったね。許さないよ、グラディオン。そもそも、どうして君がここにいるのだい?もしかして、ジャンヌを監視していたのかい?気持ち悪い」
お前が言うな!そう叫びたいが、グラディオンからもう話すなと言われているので、黙っている事にした。
「グラディオンはジャンヌを監視したりしないよ。この2人は、強い絆で結ばれているからね。お互い絶大な信頼を寄せているから。それよりもシャーロン殿、話しはすべて聞かせてもらったよ。彼らを使ってジャンヌを呼び出したうえ、既成事実を作ろうとするだなんて…俺は絶対にお前を許さないからな!」
お父様が怖い顔をして出てきたのだ。さらに副騎士団長や隊長たちも続々と出てくる。さっき逃げ出したはずの悪役を買って出てくれた騎士団員たちも、次々と戻ってきた。
「どうして騎士団長がここに?それにさっきの裏の組織の人間も…一体どういうことだ?」
あり得ないと言った顔をしているシャーロン様。
「シャーロン、俺たちはお前の計画を全て知っていたんだよ。せっかくだから、詳しく教えてあげようか?俺たちがなぜシャーロンの計画を知っているかを」
~3週間前~
「グラディオン隊長、ジャンヌ。ちょっと相談があるのだけれど、いいかな?」
深刻な顔をして私たちの元にやって来たのは、ファビレスだ。一体どうしたのだろう?
「ええ、いいわよ。どうしたの?そんな深刻な顔をして」
「実はシャーロンから、こんな手紙が届いたんだ」
ファビレスが1通の手紙を見せてくれた。そこには、私を取り戻すために協力して欲しい、もし協力に応じないなら、4年半前の事を皆にバラす。
明後日の午後1時に、シャーロンの家に来るようにと書いてあったのだ。
「何なの?この手紙は…」
「ジャンヌはもちろん、ファビレスたちを何だと思っているのだ!許せない!ファビレス、よく話してくれた。大丈夫だ。俺に任せておけ。シャーロン、絶対に許せない。きっと他の奴らも手紙を受け取っているはずだ。すぐにあいつらにも話をしよう」
ブラディオンの指示で、翌日、私を陥れた男性たちが騎士団に呼び出された。事前にグラディオンがお父様に話しをした様で、お父様とグラディオン、副騎士団長、さらにファビレスと一緒に、彼らが来るのを待つ。
そして、全員が呼び出しに応じたのだ。
「皆、急に呼び出してすまなかった。実は昨日、ファビレスの元にシャーロンから脅しとも取れる手紙が届いたんだ。もしかして皆にも届いているのではないかと思って」
グラディオンの言葉で、皆が顔を合わせた。
「実は俺たちの元にも、手紙が届きました。でも、俺はもうジャンヌ…嬢に何かしたいなんて、これっぽっちも思っていません。ジャンヌ嬢、騎士団長、あの時は本当に申し訳ございませんでした。裏の組織も、あの時お金で雇ったっきり、一切関りを持っていません。まさかあの時の事を掘り返され、脅されるだなんて…俺たちもどうしたらいいか分からなくて…」
「俺たちはもう、悪事に手を染めたくはありません。出来れば今後、貴族社会で生きていきたいのです。ファビレスからグラディオン殿と騎士団長が力を貸してくれると聞いております。どうか助けて下さい」
どうやら昨日、ファビレスが皆の家に出向いて、話しを付けてくれた様だ。
「もちろんだ。昨日、騎士団長や副騎士団長、ジャンヌとも話をした。とりあえず君たちには、明日シャーロンの家に行って、作戦を聞いて来て欲しい。確実な証拠を得るため、皆には盗撮器を使って、会話の様子を撮って来て欲しいんだ。その後どうするか、考えよう」
「分かりました。あの…4年半前の件は…」
「その件なのだが、グラディオンとも話をしたのだが、不問にするつもりだ。そもそも被害者でもあるグラディオンとジャンヌが、不問にして欲しいと言っているからな。それにあの時しっかり調査をしなかった俺の責任でもある。だからこそ、今回はきっちり対処したいんだ。どうか協力して欲しい」
お父様が彼らに頭を下げたのだ。一緒に副騎士団長やグラディオンも頭を下げている為、私も頭を下げた。
「騎士団長、頭を上げて下さい。グラディオン殿、ジャンヌ嬢、あんな酷い事をした俺たちを許してくださり、ありがとうございます。今回、身から出たさびでもあります。俺たちが出来る事は、何でも協力します」
「ありがとう、それじゃあ、まずは明日、悪いがよろしく頼む」
「もう我慢できない!汚い手でジャンヌに触れようとするなぁぁ!!!」
「ぎゃぁぁぁ」
ものすごい勢いでシャーロン様が吹っ飛んでいく。
「グラディオン…」
「ジャンヌ、大丈夫か?お前が助けを求めるまで様子を見ていて欲しいというから我慢して待っていたが、さすがにもう限界だった。本当にジャンヌは、いつまで俺を待たせるつもりなんだよ」
ギュッと抱きしめてくれるグラディオンに寄り掛かった。ダメだ、私も抱き着きたいが、力が出ない。
「ごめんなさい。さすがに今、助けを求めようとしたのよ…そのタイミングでグラディオンが出てきたの。私達、やっぱり気が合うのね。タイミングが完璧だったわ…」
「俺の方こそごめん。話すのも辛いだろうに。いくらシャーロンを油断させるためだからって、薬まで飲まなくてもよかったのに。とにかくもう話さなくてもいい」
すっとグラディオンが私を抱きかかえた。その温もりが、落ち着く。
「痛い、僕の顔を殴ったね。許さないよ、グラディオン。そもそも、どうして君がここにいるのだい?もしかして、ジャンヌを監視していたのかい?気持ち悪い」
お前が言うな!そう叫びたいが、グラディオンからもう話すなと言われているので、黙っている事にした。
「グラディオンはジャンヌを監視したりしないよ。この2人は、強い絆で結ばれているからね。お互い絶大な信頼を寄せているから。それよりもシャーロン殿、話しはすべて聞かせてもらったよ。彼らを使ってジャンヌを呼び出したうえ、既成事実を作ろうとするだなんて…俺は絶対にお前を許さないからな!」
お父様が怖い顔をして出てきたのだ。さらに副騎士団長や隊長たちも続々と出てくる。さっき逃げ出したはずの悪役を買って出てくれた騎士団員たちも、次々と戻ってきた。
「どうして騎士団長がここに?それにさっきの裏の組織の人間も…一体どういうことだ?」
あり得ないと言った顔をしているシャーロン様。
「シャーロン、俺たちはお前の計画を全て知っていたんだよ。せっかくだから、詳しく教えてあげようか?俺たちがなぜシャーロンの計画を知っているかを」
~3週間前~
「グラディオン隊長、ジャンヌ。ちょっと相談があるのだけれど、いいかな?」
深刻な顔をして私たちの元にやって来たのは、ファビレスだ。一体どうしたのだろう?
「ええ、いいわよ。どうしたの?そんな深刻な顔をして」
「実はシャーロンから、こんな手紙が届いたんだ」
ファビレスが1通の手紙を見せてくれた。そこには、私を取り戻すために協力して欲しい、もし協力に応じないなら、4年半前の事を皆にバラす。
明後日の午後1時に、シャーロンの家に来るようにと書いてあったのだ。
「何なの?この手紙は…」
「ジャンヌはもちろん、ファビレスたちを何だと思っているのだ!許せない!ファビレス、よく話してくれた。大丈夫だ。俺に任せておけ。シャーロン、絶対に許せない。きっと他の奴らも手紙を受け取っているはずだ。すぐにあいつらにも話をしよう」
ブラディオンの指示で、翌日、私を陥れた男性たちが騎士団に呼び出された。事前にグラディオンがお父様に話しをした様で、お父様とグラディオン、副騎士団長、さらにファビレスと一緒に、彼らが来るのを待つ。
そして、全員が呼び出しに応じたのだ。
「皆、急に呼び出してすまなかった。実は昨日、ファビレスの元にシャーロンから脅しとも取れる手紙が届いたんだ。もしかして皆にも届いているのではないかと思って」
グラディオンの言葉で、皆が顔を合わせた。
「実は俺たちの元にも、手紙が届きました。でも、俺はもうジャンヌ…嬢に何かしたいなんて、これっぽっちも思っていません。ジャンヌ嬢、騎士団長、あの時は本当に申し訳ございませんでした。裏の組織も、あの時お金で雇ったっきり、一切関りを持っていません。まさかあの時の事を掘り返され、脅されるだなんて…俺たちもどうしたらいいか分からなくて…」
「俺たちはもう、悪事に手を染めたくはありません。出来れば今後、貴族社会で生きていきたいのです。ファビレスからグラディオン殿と騎士団長が力を貸してくれると聞いております。どうか助けて下さい」
どうやら昨日、ファビレスが皆の家に出向いて、話しを付けてくれた様だ。
「もちろんだ。昨日、騎士団長や副騎士団長、ジャンヌとも話をした。とりあえず君たちには、明日シャーロンの家に行って、作戦を聞いて来て欲しい。確実な証拠を得るため、皆には盗撮器を使って、会話の様子を撮って来て欲しいんだ。その後どうするか、考えよう」
「分かりました。あの…4年半前の件は…」
「その件なのだが、グラディオンとも話をしたのだが、不問にするつもりだ。そもそも被害者でもあるグラディオンとジャンヌが、不問にして欲しいと言っているからな。それにあの時しっかり調査をしなかった俺の責任でもある。だからこそ、今回はきっちり対処したいんだ。どうか協力して欲しい」
お父様が彼らに頭を下げたのだ。一緒に副騎士団長やグラディオンも頭を下げている為、私も頭を下げた。
「騎士団長、頭を上げて下さい。グラディオン殿、ジャンヌ嬢、あんな酷い事をした俺たちを許してくださり、ありがとうございます。今回、身から出たさびでもあります。俺たちが出来る事は、何でも協力します」
「ありがとう、それじゃあ、まずは明日、悪いがよろしく頼む」
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