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第6話:やっと決着がつきました
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必死に訴える侯爵夫妻に根負けしたのか、ゆっくりとシャーロン様が顔を上げた。
そして
「…わかりました…婚約を白紙に戻します…」
消えそうな声でそう呟いたのだ。
「それでは早速、婚約破棄届にサインをしましょう。我が家の分は既にサインしてありますので。後はディノス侯爵家の皆様がサインをすれば提出できます」
お父様が、すかさず婚約破棄届の紙を渡した。侯爵や夫人がサインをし、最後に震える手でシャーロン様がサインをした。
「それじゃあこの紙を、すぐに提出して来てくれ。これでシャーロン殿とジャンヌは、もう婚約者でも何でもなくなったな。それからシャーロン殿、もう1つお願いがあります。どうかもう二度と、ジャンヌに近づかないで下さい。あなたと婚約したばかりに、ジャンヌは随分と傷つき苦労しました。これからは、ジャンヌの思う様に生きさせてあげたいのです」
「そんな…婚約は白紙に戻したけれど、僕は…」
「とにかく、シャーロン殿は娘との婚約期間中に、不貞を働いたのです!どんな理由であれ、私はあなたを許すことが出来ない!もしジャンヌに近づいたら、その時は容赦しない。あなたが不貞を働いて婚約破棄になった事を、皆に公表しますから。今私が言った事を、この紙に書いておきます。この紙にもサインをして頂けますか?」
そう言うとお父様が、何やら紙に書き始めた。そしてディノス侯爵たちに渡したのだ。
「そんな…僕は…」
「シャーロン、サインをしなさい。マリアーズ伯爵、シャーロンがジャンヌ嬢に近づかなければ、シャーロンが不貞を働いたことは内密にして頂けるのですよね?」
「もちろんです。ジャンヌもその事を望んでおりますので。ジャンヌもそれでいいよな」
「はい、よろしいですわ」
あれほどまでに私を避け、他の令嬢たちと楽しく過ごしていたにも関わらず、なぜ私に執着するのか、さっぱり分からない。もしかして私の事が本当に嫌いで、私に意地悪をしたいが為に、執着しているのかとさえ思ってしまう。
シャーロン様の考えていることが、どうしても理解できないのだ。そもそも私は、今日の婚約破棄の一件で、増々シャーロン様が苦手になった。本当にどうして私、この人の事が好きだったのかしら?
正直もう、この人には関わりたくはない。私への接触を禁止してもらえるのなら、それに越したことはない。
ただ、頑なにサインをしないシャーロン様。
「申し訳ないのだが、私が代わりにサインをしてもよろしいでしょうか?私が責任をもって、シャーロンをジャンヌ嬢に近づかせないようにしますから。もちろん、約束を破ってしまった時は、この紙に書いてある通り、シャーロンの不貞を皆に知らせても文句は言わないという事で」
見かねたディノス侯爵が、そんな提案をして来たのだ。
「ディノス侯爵がそうおっしゃるのでしたら、私共は構いません」
「ありがとうございます、マリアーズ伯爵。それでは私のサインを」
「父上、なんて事を!」
シャーロン様の叫びを無視し、侯爵がサインをして紙を渡してくれたのだ。
「確かにお預かりしました。それでは私たちはこれで失礼いたします。ジャンヌ、帰るぞ」
「はい」
お父様とお母様と一緒に、スッと立ち上がった。
「待ってくれ、ジャンヌ。僕は本当に君を…」
「シャーロン様、もう私たちの婚約は解消されたのです。気安く呼び捨てにしないで下さい。それでは、ごきげんよう」
にっこり彼に微笑み、渾身のカーテシーを決め、両親と一緒に部屋から出ていく。後ろでシャーロン様が何か叫んでいる声が聞こえたが、そっとしておいた。
ただ…
「マリアーズ伯爵、夫人、ジャンヌ嬢。この度は本当に息子が申し訳ございませんでした。もう二度と、ジャンヌ嬢に近づかせないようにいたしますので」
「本当に申し訳ございませんでした」
ディノス侯爵と夫人が、深々と頭を下げて来たのだ。
「お2人とも、どうか頭をお上げください。私の方こそ、こんな形になってしまい、申し訳ございませんでした。それでは失礼いたします」
2人に頭を下げ、馬車に乗り込んだ。
なぜかシャーロン様がごねて色々と大変だったけれど、無事婚約破棄が出来てよかったわ。
※次回、シャーロン視点です。
よろしくお願いしますm(__)m
そして
「…わかりました…婚約を白紙に戻します…」
消えそうな声でそう呟いたのだ。
「それでは早速、婚約破棄届にサインをしましょう。我が家の分は既にサインしてありますので。後はディノス侯爵家の皆様がサインをすれば提出できます」
お父様が、すかさず婚約破棄届の紙を渡した。侯爵や夫人がサインをし、最後に震える手でシャーロン様がサインをした。
「それじゃあこの紙を、すぐに提出して来てくれ。これでシャーロン殿とジャンヌは、もう婚約者でも何でもなくなったな。それからシャーロン殿、もう1つお願いがあります。どうかもう二度と、ジャンヌに近づかないで下さい。あなたと婚約したばかりに、ジャンヌは随分と傷つき苦労しました。これからは、ジャンヌの思う様に生きさせてあげたいのです」
「そんな…婚約は白紙に戻したけれど、僕は…」
「とにかく、シャーロン殿は娘との婚約期間中に、不貞を働いたのです!どんな理由であれ、私はあなたを許すことが出来ない!もしジャンヌに近づいたら、その時は容赦しない。あなたが不貞を働いて婚約破棄になった事を、皆に公表しますから。今私が言った事を、この紙に書いておきます。この紙にもサインをして頂けますか?」
そう言うとお父様が、何やら紙に書き始めた。そしてディノス侯爵たちに渡したのだ。
「そんな…僕は…」
「シャーロン、サインをしなさい。マリアーズ伯爵、シャーロンがジャンヌ嬢に近づかなければ、シャーロンが不貞を働いたことは内密にして頂けるのですよね?」
「もちろんです。ジャンヌもその事を望んでおりますので。ジャンヌもそれでいいよな」
「はい、よろしいですわ」
あれほどまでに私を避け、他の令嬢たちと楽しく過ごしていたにも関わらず、なぜ私に執着するのか、さっぱり分からない。もしかして私の事が本当に嫌いで、私に意地悪をしたいが為に、執着しているのかとさえ思ってしまう。
シャーロン様の考えていることが、どうしても理解できないのだ。そもそも私は、今日の婚約破棄の一件で、増々シャーロン様が苦手になった。本当にどうして私、この人の事が好きだったのかしら?
正直もう、この人には関わりたくはない。私への接触を禁止してもらえるのなら、それに越したことはない。
ただ、頑なにサインをしないシャーロン様。
「申し訳ないのだが、私が代わりにサインをしてもよろしいでしょうか?私が責任をもって、シャーロンをジャンヌ嬢に近づかせないようにしますから。もちろん、約束を破ってしまった時は、この紙に書いてある通り、シャーロンの不貞を皆に知らせても文句は言わないという事で」
見かねたディノス侯爵が、そんな提案をして来たのだ。
「ディノス侯爵がそうおっしゃるのでしたら、私共は構いません」
「ありがとうございます、マリアーズ伯爵。それでは私のサインを」
「父上、なんて事を!」
シャーロン様の叫びを無視し、侯爵がサインをして紙を渡してくれたのだ。
「確かにお預かりしました。それでは私たちはこれで失礼いたします。ジャンヌ、帰るぞ」
「はい」
お父様とお母様と一緒に、スッと立ち上がった。
「待ってくれ、ジャンヌ。僕は本当に君を…」
「シャーロン様、もう私たちの婚約は解消されたのです。気安く呼び捨てにしないで下さい。それでは、ごきげんよう」
にっこり彼に微笑み、渾身のカーテシーを決め、両親と一緒に部屋から出ていく。後ろでシャーロン様が何か叫んでいる声が聞こえたが、そっとしておいた。
ただ…
「マリアーズ伯爵、夫人、ジャンヌ嬢。この度は本当に息子が申し訳ございませんでした。もう二度と、ジャンヌ嬢に近づかせないようにいたしますので」
「本当に申し訳ございませんでした」
ディノス侯爵と夫人が、深々と頭を下げて来たのだ。
「お2人とも、どうか頭をお上げください。私の方こそ、こんな形になってしまい、申し訳ございませんでした。それでは失礼いたします」
2人に頭を下げ、馬車に乗り込んだ。
なぜかシャーロン様がごねて色々と大変だったけれど、無事婚約破棄が出来てよかったわ。
※次回、シャーロン視点です。
よろしくお願いしますm(__)m
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