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第22話:カラッサ王国の視察に同行させられるそうです
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ジャクソン様の恋人役を引き受けてから、早4ヶ月が経とうとしていた。あの日以降、毎日口づけと抱擁はもちろん、キスマークを付けられ首を舐められたり、太ももを撫でまわされたり、顔を舐められたりと変態っぷりも発揮されているが、それですら慣れて来た。
最近では、口づけの際舌まで入れてくるようになったのが物凄く不満だが、もちろん文句を言う事など出来ない。
そして今も生徒会長室で
「ティアラ、今日も口づけをするぞ。まだ2回しかしていない。早くしろ」
そう催促をしながら、私の太ももを撫でまわしている。本当に変態以外何物でもない。でも、逆らうなんて出来ない。そのまま自分の唇を、ジャクソン様の唇に重ねる。頭をがっちり抑えられているので、一度口づけをすると、しばらく解放してもらえない。
今日もいつもの様にジャクソン様の舌が入って、私の舌に絡みついてくる。最初は気持ち悪くてたまらなかったが、慣れればどうって事はない。それどころか…って、私ったらまた変な事を考えていたわ。とにかく、今はジャクソン様に集中しないと!
ゆっくり私から離れたジャクソン様。なぜか口づけをした後は、物凄く色っぽい顔になっているのだ。その顔を見ると、いつもドキドキする。こんな鬼畜にドキドキするなんて…でも、いくら鬼畜でも顔だけは物凄く美しいのだから、ある意味仕方がない。
しばらくすると落ち着いたのか
「喉が渇いた。すぐにお茶とお菓子を準備しろ」
いつもの調子で威張り出すのだ。早速カモミールティを入れ、私が作ったはちみつクッキーとドーナツを出した。そして、いつもの様に口移しでお茶を飲ませる。なぜか1か月前くらいから急に“これからは口移しで飲ませろ”と言い出したのだ。
それ以降、ずっと口移しなのだ。ジャクソン様曰く、私が一旦口に含むことで、ちょうどいい熱さのお茶が飲めるとの事。とにかくジャクソン様に怒られない事が、一番大切なのだ。そのお陰か、最近は叩かれることも随分と減った。
「おい、何をボーっとしているんだ。そうそう、来週から1ヶ月、貴族学院は学年末休みに入る。それでその休みを利用して、カラッサ王国に視察に行く事になった。お前も付いてこい」
「え?カラッサ王国ですか?」
「ああ、そうだ。カラッサ王国は我が国の貿易国でもあるからな。カラッサ王国の王族に、お前の事も紹介しておきたいと思って」
他国の王族に私を紹介?この人は何を言っているのかしら?私たちは契約で結ばれた恋人なのに…それも後2ヶ月もすれば、お役御免の予定なのだが…そう思ったが、これはきっと決定事項なのだろう。
今までの経験上、ここで口答えをすれば、必ず怒られる。という事は、ここは素直に従っておいた方がよさそうね。
「わかりましたわ。でも、私の様な人間が行っても大丈夫なのでしょうか?」
「ああ、問題ないよ。母上がぜひ連れて行って、カラッサ王国の王妃に見せてこいとの事だ。カラッサ王国の王妃は、あの王女の叔母だからな。うまくいけば、王女が諦めてくれるかもしれない」
なるほど、だから私をカラッサ王国に連れて行くのね。
「わかりましたわ。それで、出発はいつなのですか?」
「貴族学院が休みに入ったら、すぐに行く予定だ。大体10日間くらい滞在する。しっかり準備をしておけよ。メイドは俺の方で準備するから、お前の方は連れて行かなくていいからな。とにかく王妃に俺たちがいかに愛し合っているか、しっかり見せつける必要がある。来週まで、気合を入れてスキンシップを取る練習をするぞ。いいな、分かったな」
俄然張り切るジャクソン様。正直嫌な予感しかしないのだが…
そして迎えた出発の日。
この1週間、いつも以上に張り切っていたジャクソン様。なぜか休みの日まで朝から晩まで王宮に缶詰めにされ、ひと時も離れようとしないのだ。さらにお母様と一緒に、必要なものを街に買いに行っていると、すかさず通信機に連絡が入り
“俺に黙ってどこに行っているんだ?誰と会っているんだ”
と、ギャーギャー怒る始末。その上何を思ったのか、買い物をしている場所までやって来て、その後はずっとそばに居た。そこまでしなくても…そう思ったが、それだけ必死なのかと思ったら、文句何ていえない。と言うより、そもそも私に文句を言う権利なんて、与えられていないけれどね。
そんな日々を過ごし、今日と言う日を迎えた。
「ティアラ、気を付けて行ってくるのよ。くれぐれも、相手様に粗相がないようにね。ジャクソン殿下、娘をどうぞよろしくお願いします」
「大丈夫ですよ、夫人。ティアラはとても優秀ですから。それに、僕もしっかりフォローするので」
心配するお母様に安定の王子スマイルを見せる。その姿を見て、目を輝かせるお母様。後ろではお父様とテオも、笑顔を向けていた。そう、伯爵家の人間は、完全にジャクソン様の味方なのだ。
私が今回ジャクソン様の視察について行くことになったと聞いた時、両手をあげて喜んでいた。私の家族にとって、ジャクソン様はもはや神みたいな存在なのだ。
「さあ、ティアラ、そろそろ行こうか」
腰をがっちりつかまれ、耳元で囁くジャクソン様。もうこのしぐさも慣れたわ。
「それではお父様、お母様、テオ、行ってきます」
そう言って馬車に乗り込んだ。両親やテオに向かって窓から手を振る。
いよいよ今からカラッサ王国に向かう。物凄く緊張するが、まあ、何とかなるだろう。
最近では、口づけの際舌まで入れてくるようになったのが物凄く不満だが、もちろん文句を言う事など出来ない。
そして今も生徒会長室で
「ティアラ、今日も口づけをするぞ。まだ2回しかしていない。早くしろ」
そう催促をしながら、私の太ももを撫でまわしている。本当に変態以外何物でもない。でも、逆らうなんて出来ない。そのまま自分の唇を、ジャクソン様の唇に重ねる。頭をがっちり抑えられているので、一度口づけをすると、しばらく解放してもらえない。
今日もいつもの様にジャクソン様の舌が入って、私の舌に絡みついてくる。最初は気持ち悪くてたまらなかったが、慣れればどうって事はない。それどころか…って、私ったらまた変な事を考えていたわ。とにかく、今はジャクソン様に集中しないと!
ゆっくり私から離れたジャクソン様。なぜか口づけをした後は、物凄く色っぽい顔になっているのだ。その顔を見ると、いつもドキドキする。こんな鬼畜にドキドキするなんて…でも、いくら鬼畜でも顔だけは物凄く美しいのだから、ある意味仕方がない。
しばらくすると落ち着いたのか
「喉が渇いた。すぐにお茶とお菓子を準備しろ」
いつもの調子で威張り出すのだ。早速カモミールティを入れ、私が作ったはちみつクッキーとドーナツを出した。そして、いつもの様に口移しでお茶を飲ませる。なぜか1か月前くらいから急に“これからは口移しで飲ませろ”と言い出したのだ。
それ以降、ずっと口移しなのだ。ジャクソン様曰く、私が一旦口に含むことで、ちょうどいい熱さのお茶が飲めるとの事。とにかくジャクソン様に怒られない事が、一番大切なのだ。そのお陰か、最近は叩かれることも随分と減った。
「おい、何をボーっとしているんだ。そうそう、来週から1ヶ月、貴族学院は学年末休みに入る。それでその休みを利用して、カラッサ王国に視察に行く事になった。お前も付いてこい」
「え?カラッサ王国ですか?」
「ああ、そうだ。カラッサ王国は我が国の貿易国でもあるからな。カラッサ王国の王族に、お前の事も紹介しておきたいと思って」
他国の王族に私を紹介?この人は何を言っているのかしら?私たちは契約で結ばれた恋人なのに…それも後2ヶ月もすれば、お役御免の予定なのだが…そう思ったが、これはきっと決定事項なのだろう。
今までの経験上、ここで口答えをすれば、必ず怒られる。という事は、ここは素直に従っておいた方がよさそうね。
「わかりましたわ。でも、私の様な人間が行っても大丈夫なのでしょうか?」
「ああ、問題ないよ。母上がぜひ連れて行って、カラッサ王国の王妃に見せてこいとの事だ。カラッサ王国の王妃は、あの王女の叔母だからな。うまくいけば、王女が諦めてくれるかもしれない」
なるほど、だから私をカラッサ王国に連れて行くのね。
「わかりましたわ。それで、出発はいつなのですか?」
「貴族学院が休みに入ったら、すぐに行く予定だ。大体10日間くらい滞在する。しっかり準備をしておけよ。メイドは俺の方で準備するから、お前の方は連れて行かなくていいからな。とにかく王妃に俺たちがいかに愛し合っているか、しっかり見せつける必要がある。来週まで、気合を入れてスキンシップを取る練習をするぞ。いいな、分かったな」
俄然張り切るジャクソン様。正直嫌な予感しかしないのだが…
そして迎えた出発の日。
この1週間、いつも以上に張り切っていたジャクソン様。なぜか休みの日まで朝から晩まで王宮に缶詰めにされ、ひと時も離れようとしないのだ。さらにお母様と一緒に、必要なものを街に買いに行っていると、すかさず通信機に連絡が入り
“俺に黙ってどこに行っているんだ?誰と会っているんだ”
と、ギャーギャー怒る始末。その上何を思ったのか、買い物をしている場所までやって来て、その後はずっとそばに居た。そこまでしなくても…そう思ったが、それだけ必死なのかと思ったら、文句何ていえない。と言うより、そもそも私に文句を言う権利なんて、与えられていないけれどね。
そんな日々を過ごし、今日と言う日を迎えた。
「ティアラ、気を付けて行ってくるのよ。くれぐれも、相手様に粗相がないようにね。ジャクソン殿下、娘をどうぞよろしくお願いします」
「大丈夫ですよ、夫人。ティアラはとても優秀ですから。それに、僕もしっかりフォローするので」
心配するお母様に安定の王子スマイルを見せる。その姿を見て、目を輝かせるお母様。後ろではお父様とテオも、笑顔を向けていた。そう、伯爵家の人間は、完全にジャクソン様の味方なのだ。
私が今回ジャクソン様の視察について行くことになったと聞いた時、両手をあげて喜んでいた。私の家族にとって、ジャクソン様はもはや神みたいな存在なのだ。
「さあ、ティアラ、そろそろ行こうか」
腰をがっちりつかまれ、耳元で囁くジャクソン様。もうこのしぐさも慣れたわ。
「それではお父様、お母様、テオ、行ってきます」
そう言って馬車に乗り込んだ。両親やテオに向かって窓から手を振る。
いよいよ今からカラッサ王国に向かう。物凄く緊張するが、まあ、何とかなるだろう。
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