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第45話:新しい薬が出来たそうです
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「姉上、約束通りユリアを連れて来たのですから、もう満足ですよね。ご覧の通り、ユリアの体調はまだ非常に悪い状況ですので、今日はこれで失礼いたします」
なぜかものすごく不機嫌なブラック様が、私を連れて帰ろうとしている。さすがに来たばかりでもう帰るだなんて、失礼だろう。ただ、今の不機嫌そうなブラック様にそんな事は言えない。どうしよう。
「待って、ブラック。実は今日あなた達を呼んだのには、別の理由があるの。ユリアちゃん、あなたに飲んでもらいたい薬があるのよ。やっと完成したの。皆、入って」
お義姉様が何やら合図を出している。すると、王宮魔術師様たちが入って来た。ただ…なぜか皆寝不足の様で、目にクマが出ているが、物凄い笑顔だ。
「ユリア嬢、よく来てくださった。見て下さい、この薬。何度も何度も失敗して、やっと完成したのですよ」
嬉しそうに何やら錠剤を持ってきた王宮魔術師様たち。
「このお薬は?」
「はい、この薬は、治癒魔法を受けなくても、同等の効果が得られる薬でございます。この薬があれば、誰かの命を削らずに、安全に大量の魔力提供が出来るのです。素晴らしい薬でしょう?この薬を作るのに、本当に苦労したのですよ。それはもう、大量の魔力を無駄にしましたから。いやぁ、ブラック殿のお陰で、有り余る魔力を手に入れる事が出来たのです。この薬が完成したのも、ブラック殿のお陰と言っても過言ではありませんな」
そう言って笑っている魔術師様。まさか…
「ブラック様、もしかしてあなた様が大量の魔力を提供したのですか?」
ブラック様ならやりかねない。心配してブラック様に問いただしたのだが…
「俺は魔力の提供はしていないよ。ちょっと魔力を提供してくれる人間を3人ほど紹介しただけだ。それであの3人は、どんな様子だい?」
「はい、毎回ギャーギャー叫んでおりますが、今のところまだまだ魔力を提供できそうです。彼らの魔力を使って、どんどん薬を作りましょう」
「あんな人間でも人の役に立つのなら、本望だろう。引き続きよろしく頼む。いいな、最低でも7年は生かしておけよ。分かったな」
今まで見た事のない程、恐ろしい顔のブラック様がそう呟いた。もしかして3人の魔力提供者って…
何となく想像が出来たのだが、さすがに聞く勇気はない。
「ブラック、話しすぎよ。ユリアちゃんが引いているわ。ただ、この薬の開発は大きいわね。引き続き少しの魔力でも同じ効果が得られるような薬の開発を続けて頂戴。あの人たちの魔力も、無限ではないのだから」
「はい、かしこまりました。そちらの件も、開発に努めます。ただ今は、ユリア嬢に一刻も早くこの薬を飲んで欲しいのです。どうぞ、ユリア嬢。口に入れていただければ、そのまま解けますので。飲みやすい様に、甘い味にしてあります」
早く飲んでください!と言わんばかりにお水を私に手渡し、目を輝かせている魔術師様たち。早速飲もうと、薬を手に取ったのだが…
「この薬、本当に安全なのでしょうね?」
心配そうに話しかけてきたのは、ブラック様だ。
「何をおっしゃっているのですか?私たちが徹夜で必死に開発した薬なのですよ。もちろん、安全上なんの問題ありません。さあ、どうぞ。ユリア嬢」
「ブラック様、魔術師様たちが一生懸命作って下さったお薬です。私、頂きますわ。魔術師様たち、私の為にありがとうございます。では、頂きます」
薬を口に含むと、魔術師様がおっしゃった通り、口の中が甘みで包まれた。それと同時に、すぐに口の中で溶けていく。それを一気に水で流し込んだ。すると、次の瞬間。
急に体が軽くなったのだ。
「ユリアの髪が、ピンク色に変わった。それに顔色も随分と良くなった」
「ユリアちゃん、あなた、こんなに美しい女性だったのね。確かに元伯爵夫人も、とても美しい女性だったけれど」
「ユリア、とても綺麗だよ。髪も可愛い」
「ユリアお姉様、お姫様みたい」
「1度でこれほどまでに効果が出るだなんて。私達は本当に天才ですね…」
それぞれが私の姿を見て、驚いていた。ただ、魔術師様たちだけは、違う目線で見ている様だが…
「ユリア様、ちょっと失礼しますね」
すぐに魔術師様が、私の体の魔力をチェックしている。
「見た目は戻った様ですが、まだ魔力は3分の1程度ですね。1ヶ月に1回ペースで、この薬を飲み続けて下さい」
まだ3分の1程度しか回復していないのか…と言っても、皆の反応を見る限り、見た目も随分とマシになった様だ。公爵家に戻ったら、早速鏡を見てみよう。
なぜかものすごく不機嫌なブラック様が、私を連れて帰ろうとしている。さすがに来たばかりでもう帰るだなんて、失礼だろう。ただ、今の不機嫌そうなブラック様にそんな事は言えない。どうしよう。
「待って、ブラック。実は今日あなた達を呼んだのには、別の理由があるの。ユリアちゃん、あなたに飲んでもらいたい薬があるのよ。やっと完成したの。皆、入って」
お義姉様が何やら合図を出している。すると、王宮魔術師様たちが入って来た。ただ…なぜか皆寝不足の様で、目にクマが出ているが、物凄い笑顔だ。
「ユリア嬢、よく来てくださった。見て下さい、この薬。何度も何度も失敗して、やっと完成したのですよ」
嬉しそうに何やら錠剤を持ってきた王宮魔術師様たち。
「このお薬は?」
「はい、この薬は、治癒魔法を受けなくても、同等の効果が得られる薬でございます。この薬があれば、誰かの命を削らずに、安全に大量の魔力提供が出来るのです。素晴らしい薬でしょう?この薬を作るのに、本当に苦労したのですよ。それはもう、大量の魔力を無駄にしましたから。いやぁ、ブラック殿のお陰で、有り余る魔力を手に入れる事が出来たのです。この薬が完成したのも、ブラック殿のお陰と言っても過言ではありませんな」
そう言って笑っている魔術師様。まさか…
「ブラック様、もしかしてあなた様が大量の魔力を提供したのですか?」
ブラック様ならやりかねない。心配してブラック様に問いただしたのだが…
「俺は魔力の提供はしていないよ。ちょっと魔力を提供してくれる人間を3人ほど紹介しただけだ。それであの3人は、どんな様子だい?」
「はい、毎回ギャーギャー叫んでおりますが、今のところまだまだ魔力を提供できそうです。彼らの魔力を使って、どんどん薬を作りましょう」
「あんな人間でも人の役に立つのなら、本望だろう。引き続きよろしく頼む。いいな、最低でも7年は生かしておけよ。分かったな」
今まで見た事のない程、恐ろしい顔のブラック様がそう呟いた。もしかして3人の魔力提供者って…
何となく想像が出来たのだが、さすがに聞く勇気はない。
「ブラック、話しすぎよ。ユリアちゃんが引いているわ。ただ、この薬の開発は大きいわね。引き続き少しの魔力でも同じ効果が得られるような薬の開発を続けて頂戴。あの人たちの魔力も、無限ではないのだから」
「はい、かしこまりました。そちらの件も、開発に努めます。ただ今は、ユリア嬢に一刻も早くこの薬を飲んで欲しいのです。どうぞ、ユリア嬢。口に入れていただければ、そのまま解けますので。飲みやすい様に、甘い味にしてあります」
早く飲んでください!と言わんばかりにお水を私に手渡し、目を輝かせている魔術師様たち。早速飲もうと、薬を手に取ったのだが…
「この薬、本当に安全なのでしょうね?」
心配そうに話しかけてきたのは、ブラック様だ。
「何をおっしゃっているのですか?私たちが徹夜で必死に開発した薬なのですよ。もちろん、安全上なんの問題ありません。さあ、どうぞ。ユリア嬢」
「ブラック様、魔術師様たちが一生懸命作って下さったお薬です。私、頂きますわ。魔術師様たち、私の為にありがとうございます。では、頂きます」
薬を口に含むと、魔術師様がおっしゃった通り、口の中が甘みで包まれた。それと同時に、すぐに口の中で溶けていく。それを一気に水で流し込んだ。すると、次の瞬間。
急に体が軽くなったのだ。
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「ユリア、とても綺麗だよ。髪も可愛い」
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それぞれが私の姿を見て、驚いていた。ただ、魔術師様たちだけは、違う目線で見ている様だが…
「ユリア様、ちょっと失礼しますね」
すぐに魔術師様が、私の体の魔力をチェックしている。
「見た目は戻った様ですが、まだ魔力は3分の1程度ですね。1ヶ月に1回ペースで、この薬を飲み続けて下さい」
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