15 / 23
第15話:やっぱり俺がアリスを幸せにしたい~エドワード視点~
しおりを挟む
アリスがアーロと婚約したのはいいが、あいつはどうやら根っからの女好きの様で、あろう事かアリスと言う婚約者がいるのに他の令嬢と仲良くしている。
それは学院に入ってから、一気に加速した。毎日別の令嬢を側に置き、鼻の下をビヨーーーンと伸ばしているのだ。そんなアーロを辛そうに見つめるアリス。
俺はこんなに辛そうなアリスを見る為に、アリスへの思いを封印したのではない!アリスに幸せになって欲しいから諦めたのに!体中から怒りが込み上げて来た。
さらにあろう事かあの男は
「本当はアリスとなんか婚約したくなかった。でも親が決めた事だから仕方がない」
「僕とアリスでは釣り合わないよ。そう思わないかい?」
などと言って、アリスの悪口を令嬢に吹き込んでいたのだ。それを知った時、俺は決意した。こんな男がアリスを幸せに出来る訳がない!何が何でも婚約破棄させてやると!
でも、女のままではたとえ婚約破棄させられたとしても、また別の男にアリスを取られるかもしれない。そう思った俺は、母上に
「15歳の誕生日を境に、男に戻りたいです!たとえ男に戻った事で命を落とそうとも本望です!」
そう告げた。最近も第1王子が何者かに毒殺された。だから王宮内ではかなりピリピリした空気が流れている。さらに俺の下にも、王子がまだ4人もいる。今後さらに激しい王位争いが起こるかもしれない。それでも俺は男に戻って、アリスを幸せにしたいのだ!
俺の熱意が通じたのか
「分かったわ。陛下にも話してみましょう。ただ、今まで女性だと思っていたあなたが、急に男性として現れたとしたら、きっとアリスちゃんは混乱すると思うの。その事は頭に入れておきなさい。それから、アリスちゃんには婚約者がいるのよ。無理やり奪い取るなんて事は、くれぐれもしないで頂戴ね」
「分かっています。無理やり奪い取るなんてそんな野蛮な事はしませんから、安心して下さい!」
その後父上に話を付けてくれた母上。さらに父上も色々と思う事があった様で、これ以上息子が命を落とさない様にと、第2王子を正式に王太子にすると発表したのだ。
よし、こっちの方は問題ない。後はアーロとアリスを婚約破棄させるだけだな。そうだ、直談判しよう!そう思い、早速アーロを呼び出した。
「アーロ様、こんな事を申し上げたくはないのですが、アーロ様とアリスはまったく釣り合っておりません。あなた様も、アリスとの婚約をあまり良く思っていないのでしょう?どうか婚約を破棄して頂けないでしょうか?」
そうはっきりと伝えた。お前にはアリスは勿体なさすぎる!そう言う意味で伝えたのだが、何を思ったのか頬を赤らめ始めたアーロ。そして俺の手を握り
「エドリーン王女もそう思いますか?そうですよね。僕とアリスはあなたが言う通り、全く釣り合っていない。僕に合うのはそう、君の様な美しい女性だ!」
そう言い切ったのだ。何だこいつ!気持ち悪いな!お前なんかに手なんか握られたくはない!俺が触れたいのはアリスただ1人だ!そう思ったが、待てよ。こいつをうまく利用すれば、婚約破棄出来るかもしれない。そう思った俺は、時間を見つけてはアーロに会いに行った。
そして
「アーロ様。どうか婚約破棄をして下さいませ!お願いします」
と、上目使いで伝え続けた。もちろん、俺は1言もアーロを好きだとは言っていない。でも、勝手に勘違いしたアーロはついに
「分かったよ。僕も男だ!必ず君を幸せにするからね」
そう言って鼻息荒く去って行った。きっと近いうちに婚約破棄をアリスに言い渡すだろう。でも、きっとアリスは悲しむのだろうな…そう思ったら、胸が締め付けられた。そう、俺はアリスが悲しむ姿を見るのが何よりも辛いのだ。
でもこれは俺とアリスが幸せになる為の試練なんだ!そう自分に言い聞かせた。
数日後
学院に行くと、鼻息荒く迫って来るアーロ。相変わらず気持ち悪い男だ。そう思っていると、なぜか俺の前で跪いた。
「先日アリスと正式に婚約を破棄した。もう僕は自由の身だ。エドリーン、僕は君を心から愛している!どうか僕と婚約して欲しい!」
こいつはバカなのか?何でこんな教室でプロポーズをしているんだ。それも大きな声で叫ぶから、別のクラスの生徒まで集まってきているではないか!
「アーロ様。申し訳ございませんが、私はあなた様と婚約する事は出来ません!」
そうはっきりと告げた。どうやら俺に断られるとは思っていなかった様で、口をポカリと開け、目を見開いて固まっているアーロ。しばらくすると我に返った様で
「なぜだい?もしかしてアリスの事を気にしているのかい?その点は心配しなくてもいい!もしアリスが何か言って来ても、僕が全力で守るから!それにアリスには適当な令息でも与えておけばいいだろう!だから僕と婚約して欲しい!」
こいつは何を言っているんだ!アリスに適当な令息を与えるだって!ふざけるな!体中から沸きあがる怒りを抑える事が出来ず
「私はあなたなんてこれっぽっちも好きではありません!私が心から愛しているのは、アリスただ1人です!アリスという婚約者がいるにもかかわらず、鼻の下をビヨーーーンと伸ばして浮気しまくるあなたからアリスを取り返す為に、あなたに婚約破棄をお願いしたまでです!あなたなんかと誰が婚約するものですか!いいですか!もう一度言いますよ!私が愛しているのは、アリスただ1人です!」
本当はもっと酷い暴言を吐き捨ててやったが、喉に取り付けている器具が上手く変換してくれた。まあ別に変換してくれなくても良かったのだが…
俺の言葉を聞き
「嘘だ…そんな…」
そう呟いてフラフラと教室から出て行ったアーロ。ふん、ざまぁみろ!アリスを傷つけた罰だ!
でも、問題はアリスだ。きっとあのバカに婚約破棄をされて泣いているはずだ!とにかくアリスの元に向かわないと!
それは学院に入ってから、一気に加速した。毎日別の令嬢を側に置き、鼻の下をビヨーーーンと伸ばしているのだ。そんなアーロを辛そうに見つめるアリス。
俺はこんなに辛そうなアリスを見る為に、アリスへの思いを封印したのではない!アリスに幸せになって欲しいから諦めたのに!体中から怒りが込み上げて来た。
さらにあろう事かあの男は
「本当はアリスとなんか婚約したくなかった。でも親が決めた事だから仕方がない」
「僕とアリスでは釣り合わないよ。そう思わないかい?」
などと言って、アリスの悪口を令嬢に吹き込んでいたのだ。それを知った時、俺は決意した。こんな男がアリスを幸せに出来る訳がない!何が何でも婚約破棄させてやると!
でも、女のままではたとえ婚約破棄させられたとしても、また別の男にアリスを取られるかもしれない。そう思った俺は、母上に
「15歳の誕生日を境に、男に戻りたいです!たとえ男に戻った事で命を落とそうとも本望です!」
そう告げた。最近も第1王子が何者かに毒殺された。だから王宮内ではかなりピリピリした空気が流れている。さらに俺の下にも、王子がまだ4人もいる。今後さらに激しい王位争いが起こるかもしれない。それでも俺は男に戻って、アリスを幸せにしたいのだ!
俺の熱意が通じたのか
「分かったわ。陛下にも話してみましょう。ただ、今まで女性だと思っていたあなたが、急に男性として現れたとしたら、きっとアリスちゃんは混乱すると思うの。その事は頭に入れておきなさい。それから、アリスちゃんには婚約者がいるのよ。無理やり奪い取るなんて事は、くれぐれもしないで頂戴ね」
「分かっています。無理やり奪い取るなんてそんな野蛮な事はしませんから、安心して下さい!」
その後父上に話を付けてくれた母上。さらに父上も色々と思う事があった様で、これ以上息子が命を落とさない様にと、第2王子を正式に王太子にすると発表したのだ。
よし、こっちの方は問題ない。後はアーロとアリスを婚約破棄させるだけだな。そうだ、直談判しよう!そう思い、早速アーロを呼び出した。
「アーロ様、こんな事を申し上げたくはないのですが、アーロ様とアリスはまったく釣り合っておりません。あなた様も、アリスとの婚約をあまり良く思っていないのでしょう?どうか婚約を破棄して頂けないでしょうか?」
そうはっきりと伝えた。お前にはアリスは勿体なさすぎる!そう言う意味で伝えたのだが、何を思ったのか頬を赤らめ始めたアーロ。そして俺の手を握り
「エドリーン王女もそう思いますか?そうですよね。僕とアリスはあなたが言う通り、全く釣り合っていない。僕に合うのはそう、君の様な美しい女性だ!」
そう言い切ったのだ。何だこいつ!気持ち悪いな!お前なんかに手なんか握られたくはない!俺が触れたいのはアリスただ1人だ!そう思ったが、待てよ。こいつをうまく利用すれば、婚約破棄出来るかもしれない。そう思った俺は、時間を見つけてはアーロに会いに行った。
そして
「アーロ様。どうか婚約破棄をして下さいませ!お願いします」
と、上目使いで伝え続けた。もちろん、俺は1言もアーロを好きだとは言っていない。でも、勝手に勘違いしたアーロはついに
「分かったよ。僕も男だ!必ず君を幸せにするからね」
そう言って鼻息荒く去って行った。きっと近いうちに婚約破棄をアリスに言い渡すだろう。でも、きっとアリスは悲しむのだろうな…そう思ったら、胸が締め付けられた。そう、俺はアリスが悲しむ姿を見るのが何よりも辛いのだ。
でもこれは俺とアリスが幸せになる為の試練なんだ!そう自分に言い聞かせた。
数日後
学院に行くと、鼻息荒く迫って来るアーロ。相変わらず気持ち悪い男だ。そう思っていると、なぜか俺の前で跪いた。
「先日アリスと正式に婚約を破棄した。もう僕は自由の身だ。エドリーン、僕は君を心から愛している!どうか僕と婚約して欲しい!」
こいつはバカなのか?何でこんな教室でプロポーズをしているんだ。それも大きな声で叫ぶから、別のクラスの生徒まで集まってきているではないか!
「アーロ様。申し訳ございませんが、私はあなた様と婚約する事は出来ません!」
そうはっきりと告げた。どうやら俺に断られるとは思っていなかった様で、口をポカリと開け、目を見開いて固まっているアーロ。しばらくすると我に返った様で
「なぜだい?もしかしてアリスの事を気にしているのかい?その点は心配しなくてもいい!もしアリスが何か言って来ても、僕が全力で守るから!それにアリスには適当な令息でも与えておけばいいだろう!だから僕と婚約して欲しい!」
こいつは何を言っているんだ!アリスに適当な令息を与えるだって!ふざけるな!体中から沸きあがる怒りを抑える事が出来ず
「私はあなたなんてこれっぽっちも好きではありません!私が心から愛しているのは、アリスただ1人です!アリスという婚約者がいるにもかかわらず、鼻の下をビヨーーーンと伸ばして浮気しまくるあなたからアリスを取り返す為に、あなたに婚約破棄をお願いしたまでです!あなたなんかと誰が婚約するものですか!いいですか!もう一度言いますよ!私が愛しているのは、アリスただ1人です!」
本当はもっと酷い暴言を吐き捨ててやったが、喉に取り付けている器具が上手く変換してくれた。まあ別に変換してくれなくても良かったのだが…
俺の言葉を聞き
「嘘だ…そんな…」
そう呟いてフラフラと教室から出て行ったアーロ。ふん、ざまぁみろ!アリスを傷つけた罰だ!
でも、問題はアリスだ。きっとあのバカに婚約破棄をされて泣いているはずだ!とにかくアリスの元に向かわないと!
0
お気に入りに追加
1,762
あなたにおすすめの小説
【完結】お見合いに現れたのは、昨日一緒に食事をした上司でした
楠結衣
恋愛
王立医務局の調剤師として働くローズ。自分の仕事にやりがいを持っているが、行き遅れになることを家族から心配されて休日はお見合いする日々を過ごしている。
仕事量が多い連休明けは、なぜか上司のレオナルド様と二人きりで仕事をすることを不思議に思ったローズはレオナルドに質問しようとするとはぐらかされてしまう。さらに夕食を一緒にしようと誘われて……。
◇表紙のイラストは、ありま氷炎さまに描いていただきました♪
◇全三話予約投稿済みです
【完結】殿下は私を溺愛してくれますが、あなたの“真実の愛”の相手は私ではありません
Rohdea
恋愛
──私は“彼女”の身代わり。
彼が今も愛しているのは亡くなった元婚約者の王女様だけだから──……
公爵令嬢のユディットは、王太子バーナードの婚約者。
しかし、それは殿下の婚約者だった隣国の王女が亡くなってしまい、
国内の令嬢の中から一番身分が高い……それだけの理由で新たに選ばれただけ。
バーナード殿下はユディットの事をいつも優しく、大切にしてくれる。
だけど、その度にユディットの心は苦しくなっていく。
こんな自分が彼の婚約者でいていいのか。
自分のような理由で互いの気持ちを無視して決められた婚約者は、
バーナードが再び心惹かれる“真実の愛”の相手を見つける邪魔になっているだけなのでは?
そんな心揺れる日々の中、
二人の前に、亡くなった王女とそっくりの女性が現れる。
実は、王女は襲撃の日、こっそり逃がされていて実は生きている……
なんて噂もあって────
婚約者に好きな人ができたらしい(※ただし事実とは異なります)
彗星
恋愛
主人公ミアと、婚約者リアムとのすれ違いもの。学園の人気者であるリアムを、婚約者を持つミアは、公爵家のご令嬢であるマリーナに「彼は私のことが好きだ」と言われる。その言葉が引っかかったことで、リアムと婚約解消した方がいいのではないかと考え始める。しかし、リアムの気持ちは、ミアが考えることとは違うらしく…。
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
早稲 アカ
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
断罪シーンを自分の夢だと思った悪役令嬢はヒロインに成り代わるべく画策する。
メカ喜楽直人
恋愛
さっきまでやってた18禁乙女ゲームの断罪シーンを夢に見てるっぽい?
「アルテシア・シンクレア公爵令嬢、私はお前との婚約を破棄する。このまま修道院に向かい、これまで自分がやってきた行いを深く考え、その罪を贖う一生を終えるがいい!」
冷たい床に顔を押し付けられた屈辱と、両肩を押さえつけられた痛み。
そして、ちらりと顔を上げれば金髪碧眼のザ王子様なキンキラ衣装を身に着けたイケメンが、聞き覚えのある名前を呼んで、婚約破棄を告げているところだった。
自分が夢の中で悪役令嬢になっていることに気が付いた私は、逆ハーに成功したらしい愛され系ヒロインに対抗して自分がヒロインポジを奪い取るべく行動を開始した。
白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
結婚5年目の仮面夫婦ですが、そろそろ限界のようです!?
宮永レン
恋愛
没落したアルブレヒト伯爵家を援助すると声をかけてきたのは、成り上がり貴族と呼ばれるヴィルジール・シリングス子爵。援助の条件とは一人娘のミネットを妻にすること。
ミネットは形だけの結婚を申し出るが、ヴィルジールからは仕事に支障が出ると困るので外では仲の良い夫婦を演じてほしいと告げられる。
仮面夫婦としての生活を続けるうちに二人の心には変化が生まれるが……
【完結】男の浮気と女の浮気は違うと婚約者様が仰いましたので
柴 (柴犬から変更しました)
恋愛
”男の浮気と女の浮気は違う”
婚約者であるアルベルト王子にそう言われたヴィットーリアは「この人とは結婚できない」と決意し婚約解消をした。
その理由は……
ざまぁはありません
※なろうさまにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる