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第55話:大切な人たちと一緒に未来に向かって
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「クリス様、きっと神様は、絶望の中命を落としたクリス様に、やり直して欲しい、そう思って2度目の生をあなた様に与えたのではないのですか?そしてあなた様は、それをやり遂げたのです」
「リリアナ…こんな僕を、受け入れてくれるのかい?」
ポロポロとクリス様の瞳から、涙が溢れだす。きっと今まで、重い十字架を背負って生きて来たのだろう。そんな彼を、今度は私が支えたい。
そんな思いで、クリス様を抱きしめた。
「もちろんですわ。1度目の生で苦しんだ分、2人で幸せになりましょう」
「ありがとう、リリアナ。本当にありがとう」
泣きじゃくるクリス様の背中を、優しく撫でる。リリアナの無念は、こうしてクリス様によって晴らされた。
だからどうかもう、苦しまないで欲しい。
「クリス様、辛い過去のお話をして下さり、ありがとうございます。もう苦しむ必要はありません。あなた様は1度目の生の時の私の無念を、晴らしてくださったのですから。さあ、もうこの話しは終わりにしましょう。こんなにお窶れになってしまって…早速お茶にしましょう」
まだ涙が止まらないクリス様をソファに座らせ、お茶の準備をする。
「お熱いのでゆっくり飲んでください」
「ありがとう。リリアナがこうやって隣に座って僕の世話を焼いてくれていることが、本当に奇跡なんだよね。リリアナ、僕は君に酷い事をしたのに、本当に傍にいてくれるのかい?僕は正直、今でも君の隣にいてもいいものかと、悩む日々も多くて…」
「あなた様が私の傍にいて下さらなかったら、私は誰の傍にいたらよいのですか?私はあなた様の傍にいて、あなた様と幸せになりたいです。どうかもう、1度目の生の事は気にしないで下さい…と言っても、気になるのですよね。それならば、これからもずっとずっと私の傍にいて、私に笑顔を与えて下さい。私はクリス様の笑顔を見ると、幸せになれるのです」
私はこの4年で、クリス様が大好きになった。だからこそ、私はクリス様には笑っていて欲しいのだ。
「リリアナ、君って子は…1度目の生から、全く君は変わっていないよ。こんなにも優しい君に、僕はあんな酷い事をしてしまった。いいや…1度目の生の時と変わった事があったね。それは…」
「お取込み中失礼いたします。お嬢様、カーラ様とカシス様がいらしているのですが…」
申し訳なさそうにメイドが話しかけて来た。
「あら、カーラとカシス様が?でも今は、クリス様と一緒にいるし…」
「そうだね、今カーラ嬢に邪魔されたら…」
「リリアナ様、ごきげんよう。ごめんなさい、昨日は色々とあって来られなくて…て、どうしてクリス殿下が、ここにいらっしゃるのですか?」
「カーラ嬢こそ、勝手に公爵家に乗り込んでくるだなんて、君には常識というものがないのかい?」
「あら、ちゃんとリリアナ様のお母様から許可を取り、こちらに案内してもらったのですわ。それよりも殿下、あなた様がカシス様に圧を掛け、私にイザベル様とマーデン様の情報を与えない様にしていたそうですね!」
「ああ、そうだよ。君に情報を与えると、僕の計画が狂うからね。君にひっかきまわされたくなくて、カシス殿に黙っていてもらう様に頼んだのだよ」
「私がいつ、あなた様をひっかきまわしたというのですか?」
「ひっかきまわしたじゃないか!忘れたとは言わせないよ。イザベル嬢がリリアナに対し、よからぬ噂を流した時だよ。あれだって僕は、しっかり証拠を握っていたのに」
「殿下を待っていては、よからぬ噂がリリアナ様の耳に入ってしまうでしょう。今回だって、もっと早く動いていれば、リリアナ様が不安な思いをする事もなかったのです」
「カーラ、その件に関しては、僕からも説明しただろう?ああしなければ、イザベル嬢もマーデン殿も、確実に排除できないと考えた。彼らを排除しない限り、ずっとリリアナ嬢は危険に晒されると。リリアナ嬢の未来を守るために、ああしたのだよ」
「それはお伺いしましたわ。でも、そのせいでリリアナ様は、あらぬ疑いを掛けられたのです。私はリリアナ様には、嫌な思いも不安な思いもして欲しくなったのです」
カーラがそう叫ぶと、俯いてしまった。
「カーラ、ありがとう。あなたが私の為に動いてくれていたことは、令嬢たちの話でよく分かったわ。カーラもクリス様も、カシス様も私の為を思って動いてくれたのよね。考え方は違えど、皆私の事を思って動いてくれた事には変わりない。だから私は、皆に感謝しているわ。本当にありがとう」
「「リリアナ(様)…」」
クリス殿下とカーラの声が被った。2人とも誰よりも私の事を考えてくれている、私のかけがえのない人たち。
「だからどうか、2人とも喧嘩をしないで。そうだわ、一緒にお茶をしましょう。このお茶、イライザ王国にいるお兄様が送ってくれたのです。とても美味しいので、飲んでみてください」
「まあ、リリアナ様のお兄様がですか?早速頂きますわ」
「リリアナ嬢の兄君は、いつ帰国するのだい?」
「私の輿入れのタイミングで、イライザ王国から帰国する予定になっておりますわ」
そう、お兄様も私の輿入れと共に帰国し、公爵家を継ぐ準備を始めるそうだ。既にイライザ王国で好きな令嬢を見つけ、彼女と共に、帰国する予定になっている。
「まあ、そうなのですね。それにしてもこのお茶、とても美味しいですわ」
「確かにとても美味しいね。クリス殿下も飲まれたらどうですか?」
「ああ、頂くよ。確かにとても美味しいお茶だ。このお茶を飲んでいると、気持ちが落ち着くよ」
3人が同じお茶を飲んで、笑顔になっている。
まさかカーラとクリス様、そしてカシス様と3人でお茶をのんびり飲む日が来るだなんて…
思い返してみれば、転生したと気が付いてから色々な事があった。思いがけずカーラを助け、友達になった事。彼女にも私と同じように、幸せになって欲しいと願う様になった事。
イザベルやマーデン様の悪事を暴くため、色々と準備をしたものの、結局3人に助けられ、何もしないまま全てが終わった事。
そしてクリス様が、2度目の生を生きており、私を守るために寝る間も惜しんで動いてくれた事。私はいつの間にか、沢山の人に守られ生きて来たのだ。
漫画の世界の…いいえ、1度目の生のリリアナ。あなたはたくさんの涙を流し、絶望の中命を落としたかもしれない。でも…2度目の生では、沢山の人に守られ、幸せの階段を今登ろうとしているのよ。
そう彼女に教えてあげたい。でも、リリアナは今の私なのよね。
これからはリリアナとして、目いっぱい人生を謳歌したい。
大切な人たちと共に…
おしまい
~あとがき~
これにて完結です。
短めの作品(3万文字程度)を目指しておりましたが、思いのほか長くなってしまいました汗
最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(__)m
「リリアナ…こんな僕を、受け入れてくれるのかい?」
ポロポロとクリス様の瞳から、涙が溢れだす。きっと今まで、重い十字架を背負って生きて来たのだろう。そんな彼を、今度は私が支えたい。
そんな思いで、クリス様を抱きしめた。
「もちろんですわ。1度目の生で苦しんだ分、2人で幸せになりましょう」
「ありがとう、リリアナ。本当にありがとう」
泣きじゃくるクリス様の背中を、優しく撫でる。リリアナの無念は、こうしてクリス様によって晴らされた。
だからどうかもう、苦しまないで欲しい。
「クリス様、辛い過去のお話をして下さり、ありがとうございます。もう苦しむ必要はありません。あなた様は1度目の生の時の私の無念を、晴らしてくださったのですから。さあ、もうこの話しは終わりにしましょう。こんなにお窶れになってしまって…早速お茶にしましょう」
まだ涙が止まらないクリス様をソファに座らせ、お茶の準備をする。
「お熱いのでゆっくり飲んでください」
「ありがとう。リリアナがこうやって隣に座って僕の世話を焼いてくれていることが、本当に奇跡なんだよね。リリアナ、僕は君に酷い事をしたのに、本当に傍にいてくれるのかい?僕は正直、今でも君の隣にいてもいいものかと、悩む日々も多くて…」
「あなた様が私の傍にいて下さらなかったら、私は誰の傍にいたらよいのですか?私はあなた様の傍にいて、あなた様と幸せになりたいです。どうかもう、1度目の生の事は気にしないで下さい…と言っても、気になるのですよね。それならば、これからもずっとずっと私の傍にいて、私に笑顔を与えて下さい。私はクリス様の笑顔を見ると、幸せになれるのです」
私はこの4年で、クリス様が大好きになった。だからこそ、私はクリス様には笑っていて欲しいのだ。
「リリアナ、君って子は…1度目の生から、全く君は変わっていないよ。こんなにも優しい君に、僕はあんな酷い事をしてしまった。いいや…1度目の生の時と変わった事があったね。それは…」
「お取込み中失礼いたします。お嬢様、カーラ様とカシス様がいらしているのですが…」
申し訳なさそうにメイドが話しかけて来た。
「あら、カーラとカシス様が?でも今は、クリス様と一緒にいるし…」
「そうだね、今カーラ嬢に邪魔されたら…」
「リリアナ様、ごきげんよう。ごめんなさい、昨日は色々とあって来られなくて…て、どうしてクリス殿下が、ここにいらっしゃるのですか?」
「カーラ嬢こそ、勝手に公爵家に乗り込んでくるだなんて、君には常識というものがないのかい?」
「あら、ちゃんとリリアナ様のお母様から許可を取り、こちらに案内してもらったのですわ。それよりも殿下、あなた様がカシス様に圧を掛け、私にイザベル様とマーデン様の情報を与えない様にしていたそうですね!」
「ああ、そうだよ。君に情報を与えると、僕の計画が狂うからね。君にひっかきまわされたくなくて、カシス殿に黙っていてもらう様に頼んだのだよ」
「私がいつ、あなた様をひっかきまわしたというのですか?」
「ひっかきまわしたじゃないか!忘れたとは言わせないよ。イザベル嬢がリリアナに対し、よからぬ噂を流した時だよ。あれだって僕は、しっかり証拠を握っていたのに」
「殿下を待っていては、よからぬ噂がリリアナ様の耳に入ってしまうでしょう。今回だって、もっと早く動いていれば、リリアナ様が不安な思いをする事もなかったのです」
「カーラ、その件に関しては、僕からも説明しただろう?ああしなければ、イザベル嬢もマーデン殿も、確実に排除できないと考えた。彼らを排除しない限り、ずっとリリアナ嬢は危険に晒されると。リリアナ嬢の未来を守るために、ああしたのだよ」
「それはお伺いしましたわ。でも、そのせいでリリアナ様は、あらぬ疑いを掛けられたのです。私はリリアナ様には、嫌な思いも不安な思いもして欲しくなったのです」
カーラがそう叫ぶと、俯いてしまった。
「カーラ、ありがとう。あなたが私の為に動いてくれていたことは、令嬢たちの話でよく分かったわ。カーラもクリス様も、カシス様も私の為を思って動いてくれたのよね。考え方は違えど、皆私の事を思って動いてくれた事には変わりない。だから私は、皆に感謝しているわ。本当にありがとう」
「「リリアナ(様)…」」
クリス殿下とカーラの声が被った。2人とも誰よりも私の事を考えてくれている、私のかけがえのない人たち。
「だからどうか、2人とも喧嘩をしないで。そうだわ、一緒にお茶をしましょう。このお茶、イライザ王国にいるお兄様が送ってくれたのです。とても美味しいので、飲んでみてください」
「まあ、リリアナ様のお兄様がですか?早速頂きますわ」
「リリアナ嬢の兄君は、いつ帰国するのだい?」
「私の輿入れのタイミングで、イライザ王国から帰国する予定になっておりますわ」
そう、お兄様も私の輿入れと共に帰国し、公爵家を継ぐ準備を始めるそうだ。既にイライザ王国で好きな令嬢を見つけ、彼女と共に、帰国する予定になっている。
「まあ、そうなのですね。それにしてもこのお茶、とても美味しいですわ」
「確かにとても美味しいね。クリス殿下も飲まれたらどうですか?」
「ああ、頂くよ。確かにとても美味しいお茶だ。このお茶を飲んでいると、気持ちが落ち着くよ」
3人が同じお茶を飲んで、笑顔になっている。
まさかカーラとクリス様、そしてカシス様と3人でお茶をのんびり飲む日が来るだなんて…
思い返してみれば、転生したと気が付いてから色々な事があった。思いがけずカーラを助け、友達になった事。彼女にも私と同じように、幸せになって欲しいと願う様になった事。
イザベルやマーデン様の悪事を暴くため、色々と準備をしたものの、結局3人に助けられ、何もしないまま全てが終わった事。
そしてクリス様が、2度目の生を生きており、私を守るために寝る間も惜しんで動いてくれた事。私はいつの間にか、沢山の人に守られ生きて来たのだ。
漫画の世界の…いいえ、1度目の生のリリアナ。あなたはたくさんの涙を流し、絶望の中命を落としたかもしれない。でも…2度目の生では、沢山の人に守られ、幸せの階段を今登ろうとしているのよ。
そう彼女に教えてあげたい。でも、リリアナは今の私なのよね。
これからはリリアナとして、目いっぱい人生を謳歌したい。
大切な人たちと共に…
おしまい
~あとがき~
これにて完結です。
短めの作品(3万文字程度)を目指しておりましたが、思いのほか長くなってしまいました汗
最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(__)m
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