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第43話:舐められていた様です~カーラ視点~
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リリアナ様の悪い噂が消えて数日が過ぎた。今度は逆に、イザベルに対する悪い噂が流れ始めている。
どうやら婚約者を寝取られた令嬢やその友人たちが、イザベルが色々な男と関係を持っていると噂をしている様だ。
現に今、婚約者を寝取られた令嬢は、婚約者に婚約破棄と慰謝料を迫っていると聞く。さらに相手でもあるイザベルの家にも、慰謝料を請求しているという事で、かなり大揉めな様だ。
ただ、貴族の世界では、そういったゴシップを隠す傾向がある。その為、今回の婚約破棄騒動も、内内で内密に勧められているらしい。
それならなぜ私がその事を知っているかって?それは映像を提供した協力者として、令嬢本人から話を聞いたからだ。今イザベルも、その令息も大変な目に合っている様だ。
本当に、ザマァ見ろだわ。
ただ、私がリリアナ様をお守りしたことを快く思っていない人物が…
「カーラ嬢、よくも勝手な事をしてくれたね。リリアナの悪い噂は、僕が消す予定だったのに!」
そう、クリス殿下だ。
「何が”僕が消す予定だった”ですか?既にリリアナ様の悪い噂はかなり広まっていたではありませんか?何もしなかったあなた様が、よくそんな事を言えますね」
「僕はしっかり証拠を集めてから、公にするつもりだったんだ。それなのに君が…」
「証拠を集めてからだなんて、悠長な事をお考えだったのですか?はぁ~、それでよく“リリアナは僕が守る”だなんて豪語できましたね。万が一今回の件がリリアナ様の耳に入ったら、どれほど悲しまれるか。そうなる前に早急に手を打つのが、普通なのではないですか?私が早急に手を打ったため、今回はリリアナ様の耳に入らずに済んだのです。感謝して頂きたいくらいですわ」
「何が感謝だ!とにかく、もう君にリリアナを守ってもらわなくても結構だ!」
「あなた様がなんと言われようと、私は私の方法でリリアナ様を守りますわ。そもそも、あなた様はマーデン様を傍に…いいえ、何でもありませんわ」
ついうっかりとマーデン様の情報を、この男に話してしまうところだったわ。そう、クリス殿下と仲の良いマーデン様も、実はイザベルの虜なのだ。そんな男を、傍に置くだなんて。そういうところが、詰めが甘いのよ。
「マーデンが僕を裏切っている事くらい知っている。僕はあいつの悪事を確実に暴くために、今は泳がせているだけだ。僕はイザベルもマーデンも、まとめて地獄に叩き落してやるつもりだ。これ以上邪魔しないでくれ」
そう言うと、さっさとどこかに行ってしまったクリス殿下。何がイザベルもマーデンも地獄に叩き落してやる!よ。ただ、カシス様の情報によると、どうやらイザベルはクリス殿下と結婚して王妃になりたい様だ。
その為、何とかしてリリアナ様を婚約者の座から引きずりおろしたいらしい。そんなイザベルの虜になり、全面協力をしているのが、マーデン様らしい。正直クリス殿下は気に入らないから、リリアナ様とクリス殿下が婚約を解消するのは賛成だ。
でも、リリアナ様を無理やり引きずり降ろそうだなんて、その考えが気に入らない。リリアナ様の敵は私の敵。あの2人を徹敵的にマークしないと。
さて、そろそろ私も待ち合わせの場所に向かわないと。
そう、なぜかイザベルが、私を呼び出してきたのだ。一体私に何の用があるのかしら?まあ、ろくでもない用だろうけれど。
私がイザベルに呼び出されたと聞いて、心配したカシス様が近くで待機している。イザベルごときに、負ける気はしないのだが…
そう思いながらも、待ち合わせの場所にやって来た。
「イザベル様、お待たせして申し訳ございません。それで、お話しとは何ですか?」
極力笑顔でイザベルに話しかけた。すると、なぜか言いにくそうなそぶりをしている。この女、演技をしているのだろうが私に言わせれば、わざとらしい。さて、何を言ってくるのだろうか…
「あの…実は私、見てしまったのです。その…リリアナ様とあなた様の婚約者、カシス様がその…密会している姿を…」
なるほど、リリアナ様と仲が良い私を、リリアナ様から引き離そうという作戦なのね。この女、私を相当舐めている様ね。せっかくだから、少し相手をしてやるか。
「まあ、それは本当ですの。それはいつどこで、どのようにリリアナ様とカシス様が密会していたのですか?」
「えっと…それは、3日前の放課後ですわ。確かカーラ様が先に帰った日です。あの日2人が、口づけをしているのを見ましたわ」
3日前、確かにあの日私は早く家に帰ったわ。なるほど、この女も、予め私の動きを把握しているという訳なのね。でも…
どうやら婚約者を寝取られた令嬢やその友人たちが、イザベルが色々な男と関係を持っていると噂をしている様だ。
現に今、婚約者を寝取られた令嬢は、婚約者に婚約破棄と慰謝料を迫っていると聞く。さらに相手でもあるイザベルの家にも、慰謝料を請求しているという事で、かなり大揉めな様だ。
ただ、貴族の世界では、そういったゴシップを隠す傾向がある。その為、今回の婚約破棄騒動も、内内で内密に勧められているらしい。
それならなぜ私がその事を知っているかって?それは映像を提供した協力者として、令嬢本人から話を聞いたからだ。今イザベルも、その令息も大変な目に合っている様だ。
本当に、ザマァ見ろだわ。
ただ、私がリリアナ様をお守りしたことを快く思っていない人物が…
「カーラ嬢、よくも勝手な事をしてくれたね。リリアナの悪い噂は、僕が消す予定だったのに!」
そう、クリス殿下だ。
「何が”僕が消す予定だった”ですか?既にリリアナ様の悪い噂はかなり広まっていたではありませんか?何もしなかったあなた様が、よくそんな事を言えますね」
「僕はしっかり証拠を集めてから、公にするつもりだったんだ。それなのに君が…」
「証拠を集めてからだなんて、悠長な事をお考えだったのですか?はぁ~、それでよく“リリアナは僕が守る”だなんて豪語できましたね。万が一今回の件がリリアナ様の耳に入ったら、どれほど悲しまれるか。そうなる前に早急に手を打つのが、普通なのではないですか?私が早急に手を打ったため、今回はリリアナ様の耳に入らずに済んだのです。感謝して頂きたいくらいですわ」
「何が感謝だ!とにかく、もう君にリリアナを守ってもらわなくても結構だ!」
「あなた様がなんと言われようと、私は私の方法でリリアナ様を守りますわ。そもそも、あなた様はマーデン様を傍に…いいえ、何でもありませんわ」
ついうっかりとマーデン様の情報を、この男に話してしまうところだったわ。そう、クリス殿下と仲の良いマーデン様も、実はイザベルの虜なのだ。そんな男を、傍に置くだなんて。そういうところが、詰めが甘いのよ。
「マーデンが僕を裏切っている事くらい知っている。僕はあいつの悪事を確実に暴くために、今は泳がせているだけだ。僕はイザベルもマーデンも、まとめて地獄に叩き落してやるつもりだ。これ以上邪魔しないでくれ」
そう言うと、さっさとどこかに行ってしまったクリス殿下。何がイザベルもマーデンも地獄に叩き落してやる!よ。ただ、カシス様の情報によると、どうやらイザベルはクリス殿下と結婚して王妃になりたい様だ。
その為、何とかしてリリアナ様を婚約者の座から引きずりおろしたいらしい。そんなイザベルの虜になり、全面協力をしているのが、マーデン様らしい。正直クリス殿下は気に入らないから、リリアナ様とクリス殿下が婚約を解消するのは賛成だ。
でも、リリアナ様を無理やり引きずり降ろそうだなんて、その考えが気に入らない。リリアナ様の敵は私の敵。あの2人を徹敵的にマークしないと。
さて、そろそろ私も待ち合わせの場所に向かわないと。
そう、なぜかイザベルが、私を呼び出してきたのだ。一体私に何の用があるのかしら?まあ、ろくでもない用だろうけれど。
私がイザベルに呼び出されたと聞いて、心配したカシス様が近くで待機している。イザベルごときに、負ける気はしないのだが…
そう思いながらも、待ち合わせの場所にやって来た。
「イザベル様、お待たせして申し訳ございません。それで、お話しとは何ですか?」
極力笑顔でイザベルに話しかけた。すると、なぜか言いにくそうなそぶりをしている。この女、演技をしているのだろうが私に言わせれば、わざとらしい。さて、何を言ってくるのだろうか…
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「まあ、それは本当ですの。それはいつどこで、どのようにリリアナ様とカシス様が密会していたのですか?」
「えっと…それは、3日前の放課後ですわ。確かカーラ様が先に帰った日です。あの日2人が、口づけをしているのを見ましたわ」
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