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第18話:婚約者としての生活が始まりました
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「お嬢様、今日から王宮に向かうのですよね。早くご準備を」
「ええ、分かっているわ。それにしても、今日から毎日王宮に行かないといけないだなんて、面倒ね」
クリス様の正式な婚約者になった私は、早速今日から王妃教育の為、毎日王宮に行かないといけないのだ。王妃教育か…正直面倒で仕方がないわ…
「お嬢様、なんて事をおっしゃられているのですか?王太子殿下の婚約者になられるという事は、とても名誉な事なのですよ!それに優秀なお嬢様なら、難なく王妃教育もこなせるでしょう」
確かにリリアナは、非常に優秀で頭が良いため、何でもそつなくこなすのだ。前世の私は、どんくさいタイプの人間だったため、何でも出来てしまう自分(リリアナ)が不思議で仕方がない。
確かにリリアナなら、難なく王妃教育もこなすだろう。もちろん、立派な王妃になるために、私も努力するつもりだけれど。
そう、私はもちろん、このままクリス様と結婚して幸せになるつもりだ。決してイザベルたちに、殺されたりなんてしない。なんたって私には、前世の記憶があるのだから。
それにイザベルの右腕でもある、カーラを味方に付けたし。きっと何とかなるだろう。そう思っている。
さて、そろそろ王宮に向かわないと。馬車に乗り込み、王宮を目指す。漫画のリリアナも、こうやって毎日王宮に通っていたのよね。きっとまだ幼いリリアナには、今後自分に起こる悲劇なんて、夢にも思っていなかったのだろう。
リリアナはただ、王妃になるために必死に頑張っていただけなのに…無念の死を迎えたリリアナを思うと、涙が込みあげてくる。冷たい地下牢で、彼女は一体何を思って死んでいったのだろう…
そんな未来には、絶対にさせない。私がリリアナを守ってみせるわ。とはいえ、リリアナは私なのよね。とりあえず物語が始まるのは3年後だから、この3年はのんびり過ごそう。
せっかくクリス様と婚約を結んだのだから、彼との信頼関係もしっかり築いておかないと。
とはいえ、漫画の中のクリス様は、自分で調べる事をせず、いつもマーデンの言う事を鵜呑みにしていた。そんな男と、本当に婚約を結んでよかったのかしら?
でも…
先日のクリス様のプロポーズ、本当に素敵だった。もしかして、漫画の世界のリリアナも、同じセリフを聞いていたのかしら?あんなセリフを言ったにも関わらず、リリアナを守れなかったとしたら…なんだかクリス様に対して、怒りがこみ上げてきた。
そんな事を考えているうちに、王宮に着いてしまった。仕方がない、行くか。
馬車から降りると
「リリアナ、おはよう。君がきちんと王宮に来られるか心配で、待っていたのだよ。もし万が一、教育係に酷い事をされたら、すぐに僕に言って欲しい。僕が君を守るからね」
なんと、クリス様が私を待っていてくれたのだ。この人、以外とマメなのね。
「おはようございます、クリス様。今日からよろしくお願いいたします。それから、教育係から酷い事をされる事はございませんわ。もちろん、注意される事はあるでしょうが、それは私を思っての事なので。どうかあまり心配しないで下さい」
私はあなたにそんなに心配されるほど、軟ではない。なんたってこれから、自分自身の命を懸けた戦いが待っているのだから。
「相変わらずリリアナは、いつも相手を思いやっているのだね。リリアナ、僕は君の周りに気を使えるところが、大好きだ。君のその優しさを、絶対に誰にも踏みにじらせたりしないから!」
クリス様がギュッと私を抱きしめ、訳の分からない事を言っている。この人、ここ数日言動がおかしい気がするのだが、気のせいかしら?
「さあ、一緒に王宮に行こう。リリアナは王宮にはあまり来た事がないだろう。僕が詳しく教えてあげるからね。王宮は無駄に広いから、万が一リリアナが迷子になったら…それから、リリアナだけに、特別な場所も教えてあげる。もしも君の身に危険が迫った時、安全に逃げられる様に…」
「私の身に危険が迫った時ですか?」
「ああ、そうだよ。王宮には、王族しか知らないいくつかの隠し通路があるんだ。その通路を使えば、安全に外に出る事が出来る。万が一の時は、その隠し通路を使って欲しい。もちろん、その通路を使う必要がないよう、僕がしっかりリリアナを守るつもりだけれどね」
よくわからないが、婚約者になるとそんな通路まで教えてもらえるのね。
その後クリス様から、王宮内を隅々まで案内してもらった。それにしても、王宮は本当に広いのね。こんなに広いと、迷子になってしまいそうだわ。
それに隠し通路もいくつかあった。まさかあんなにも沢山、通路が隠されているだなんて。まるで迷路みたいだった。
「さすがに色々と見て回って、疲れただろう?午後からは王妃教育が控えているが、リリアナの体の負担を考えて、今日はお休みにしてもらうよ」
この人は何を言っているのだろう。私は王妃教育を受けに来たのだが…
「ええ、分かっているわ。それにしても、今日から毎日王宮に行かないといけないだなんて、面倒ね」
クリス様の正式な婚約者になった私は、早速今日から王妃教育の為、毎日王宮に行かないといけないのだ。王妃教育か…正直面倒で仕方がないわ…
「お嬢様、なんて事をおっしゃられているのですか?王太子殿下の婚約者になられるという事は、とても名誉な事なのですよ!それに優秀なお嬢様なら、難なく王妃教育もこなせるでしょう」
確かにリリアナは、非常に優秀で頭が良いため、何でもそつなくこなすのだ。前世の私は、どんくさいタイプの人間だったため、何でも出来てしまう自分(リリアナ)が不思議で仕方がない。
確かにリリアナなら、難なく王妃教育もこなすだろう。もちろん、立派な王妃になるために、私も努力するつもりだけれど。
そう、私はもちろん、このままクリス様と結婚して幸せになるつもりだ。決してイザベルたちに、殺されたりなんてしない。なんたって私には、前世の記憶があるのだから。
それにイザベルの右腕でもある、カーラを味方に付けたし。きっと何とかなるだろう。そう思っている。
さて、そろそろ王宮に向かわないと。馬車に乗り込み、王宮を目指す。漫画のリリアナも、こうやって毎日王宮に通っていたのよね。きっとまだ幼いリリアナには、今後自分に起こる悲劇なんて、夢にも思っていなかったのだろう。
リリアナはただ、王妃になるために必死に頑張っていただけなのに…無念の死を迎えたリリアナを思うと、涙が込みあげてくる。冷たい地下牢で、彼女は一体何を思って死んでいったのだろう…
そんな未来には、絶対にさせない。私がリリアナを守ってみせるわ。とはいえ、リリアナは私なのよね。とりあえず物語が始まるのは3年後だから、この3年はのんびり過ごそう。
せっかくクリス様と婚約を結んだのだから、彼との信頼関係もしっかり築いておかないと。
とはいえ、漫画の中のクリス様は、自分で調べる事をせず、いつもマーデンの言う事を鵜呑みにしていた。そんな男と、本当に婚約を結んでよかったのかしら?
でも…
先日のクリス様のプロポーズ、本当に素敵だった。もしかして、漫画の世界のリリアナも、同じセリフを聞いていたのかしら?あんなセリフを言ったにも関わらず、リリアナを守れなかったとしたら…なんだかクリス様に対して、怒りがこみ上げてきた。
そんな事を考えているうちに、王宮に着いてしまった。仕方がない、行くか。
馬車から降りると
「リリアナ、おはよう。君がきちんと王宮に来られるか心配で、待っていたのだよ。もし万が一、教育係に酷い事をされたら、すぐに僕に言って欲しい。僕が君を守るからね」
なんと、クリス様が私を待っていてくれたのだ。この人、以外とマメなのね。
「おはようございます、クリス様。今日からよろしくお願いいたします。それから、教育係から酷い事をされる事はございませんわ。もちろん、注意される事はあるでしょうが、それは私を思っての事なので。どうかあまり心配しないで下さい」
私はあなたにそんなに心配されるほど、軟ではない。なんたってこれから、自分自身の命を懸けた戦いが待っているのだから。
「相変わらずリリアナは、いつも相手を思いやっているのだね。リリアナ、僕は君の周りに気を使えるところが、大好きだ。君のその優しさを、絶対に誰にも踏みにじらせたりしないから!」
クリス様がギュッと私を抱きしめ、訳の分からない事を言っている。この人、ここ数日言動がおかしい気がするのだが、気のせいかしら?
「さあ、一緒に王宮に行こう。リリアナは王宮にはあまり来た事がないだろう。僕が詳しく教えてあげるからね。王宮は無駄に広いから、万が一リリアナが迷子になったら…それから、リリアナだけに、特別な場所も教えてあげる。もしも君の身に危険が迫った時、安全に逃げられる様に…」
「私の身に危険が迫った時ですか?」
「ああ、そうだよ。王宮には、王族しか知らないいくつかの隠し通路があるんだ。その通路を使えば、安全に外に出る事が出来る。万が一の時は、その隠し通路を使って欲しい。もちろん、その通路を使う必要がないよう、僕がしっかりリリアナを守るつもりだけれどね」
よくわからないが、婚約者になるとそんな通路まで教えてもらえるのね。
その後クリス様から、王宮内を隅々まで案内してもらった。それにしても、王宮は本当に広いのね。こんなに広いと、迷子になってしまいそうだわ。
それに隠し通路もいくつかあった。まさかあんなにも沢山、通路が隠されているだなんて。まるで迷路みたいだった。
「さすがに色々と見て回って、疲れただろう?午後からは王妃教育が控えているが、リリアナの体の負担を考えて、今日はお休みにしてもらうよ」
この人は何を言っているのだろう。私は王妃教育を受けに来たのだが…
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