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第84話:皆が守ってくれました
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「何をなさっているのです。今すぐ奥様を捕まえて下さい。あろう事か、ルナ殿下を傷つけたのですよ」
ルナ殿下の傍にやって来た数名のメイドが、困惑する護衛たちに向かって叫んだのだ。
「奥様、失礼いたします」
私の元にやって来て、捕まえようとする護衛たち。
「待って、本当に私は…」
その時だった。
「奥様がそんな事をするはずがありません。奥様から離れて下さい」
私を守る様に立ったのは、マーサとリアナだ。
「あなた達、一体何なの?アンネリア様は私を殺そうとしたのよ。それなのに、メイドのくせに何様のつもりよ」
ルナ殿下が、マーサとリアナに向かって叫んだのだ。
「あなた様こそ、どういうおつもりですか?奥様は…アンネリアは誰よりも優しく強い女性なの。嫉妬に狂って人を襲う様な女性ではないわ」
「そうですわ、アンネリアをあの平民の女と一緒にしないで下さい。彼女は私たちの大切な人なのです。あなたなんかに、アンネリアを、私たちの大切な主を絶対に傷つけたりはさせないわ!」
目に涙を浮かべながら必死に訴えるマーサとリアナ。
「マーサ、リアナ…」
相手は他国の王女殿下だ。そんな彼女に立ち向かうだなんて、相当勇気が言っただろう。それなのに、私の為に彼女たちは…嬉しくて涙が溢れそうになる。
「マーサ、リアナ、言葉を包みしみなさい…と言いたいところですが。ルナ殿下、これは一体何の騒ぎですか?私たちの主でもある奥様を侮辱する行為、私も見逃すわけにはいきません。今すぐこのお屋敷から出て行ってください!」
「メイド長」
私たちの前に現れたのは、メイド長だ。彼女も私を庇う様に立ったのだ。
「な…何なのよ、メイドの分際で。この屋敷のメイドたちは一体どういう教育をされているのよ。私は王女なのよ!こんな風に侮辱されたのは初めてだわ。あなた達もまとめて、その女と一緒に地獄に叩き落してやるわ」
今までに見た事のないほど怖い形相で、叫んでいるルナ殿下。
「あなたこそ人の屋敷で暴れて、一体どういう教育を受けて来たのですか?それに我が家のメイドたちは、誰よりも主に従順で、誰よりも立派なメイドたちです。彼女を侮辱するのは、止めてもらいたい」
この声は!
「「「旦那様」」」
「アンネリア、すまない。また君に辛い思いをさせてしまったね。もう大丈夫だ、後は僕に任せてくれ。それから、君たち、アンネリアを守ってくれてありがとう」
私たちの元にやって来たのは、旦那様だ。私をギュッと抱きしめ、そしてルナ殿下をギロリと睨んだ。
「ビュッファン侯爵様、この状況を見てよくその様な事を言えますね。私はアンネリア様に怪我をさせられたのですよ。それなのに…」
「ルナ殿下、君こそこの状況を分かっているのかい?君とアンネリア夫人とのやり取りは、ずっとこのモニター越しで見させてもらっていたよ。まさか、アンネリア夫人を悪者にして、無実の罪を着せようとするだなんてね。腹黒の君がやりそうなことだよ」
「王太子殿下!」
モニターを持った王太子殿下が、笑みを浮かべながらお部屋に入って来たのだ。そこには、バッチリ今のお部屋の状況が映し出されていた。
「まさか侯爵夫人を脅し、さらに自分の思い通りにならないからと言って、自分で自分を傷つけ、罪を擦り付けようとするだなんてね…他国の王女を傷つけたとなれば、いくら侯爵夫人と言えど、極刑が妥当だ。そうなる事を分かっていて、その様な事をするだなんて。さすがに見逃すわけにはいかない。すぐにディアノス王国に報告させてもらうよ」
笑顔だが目が笑っていない王太子殿下が、ルナ殿下に迫っている。
「そんな…ちょっと待って。もしかして私の部屋に盗撮機を仕掛けていたのですか?いくら何でも、他国の王女の部屋を盗撮するのは犯罪ですわ。逆にこちらが訴えさせてもらいますわ」
「誰が盗撮機なんて設置していたと言ったのだい?そこにいる護衛が、堂々と撮影していたのだよ。ほら、あそこにいるだろう?護衛が。彼女はアンネリア夫人専属の護衛だ。つまり、アンネリア夫人を守るために、アンネリア夫人とともにこの部屋に入った護衛だよ」
王太子殿下が指さす方向には、確かに騎士の姿が。ただ、あまりにも自然に立っている為、全く存在に気が付かなかったが、確かに彼女は私の専属護衛の1人だ。
「そんな…せっかく顔まで傷つけたのに。いやよ、私、アレグサンダー様と結婚したいの。お願い、アンネリア様、譲って頂戴。お願い」
フラフラと立ち上がり、こちらに近づいてくるルナ殿下。
「ルナ殿下、はっきりと申し上げます。僕は腹黒で欲しいものの為なら手段を択ばないあなたが大嫌いです。二度と僕とアンネリアの前に、姿を現さないで下さい。キース、すぐにルナ殿下を連れて行ってくれ」
「ああ、分かっている。ルナ殿下を、王宮に連行しろ。それから、すぐにディアノス王国に伝書鳩を飛ばし、今回の事を報告し、彼女の回収を依頼するのだ」
「承知いたしました」
「嫌よ、離してよ」
必死に抵抗するルナ殿下だったが、結局護衛たちに引きずられるように連れて行かれたのだった。
ルナ殿下の傍にやって来た数名のメイドが、困惑する護衛たちに向かって叫んだのだ。
「奥様、失礼いたします」
私の元にやって来て、捕まえようとする護衛たち。
「待って、本当に私は…」
その時だった。
「奥様がそんな事をするはずがありません。奥様から離れて下さい」
私を守る様に立ったのは、マーサとリアナだ。
「あなた達、一体何なの?アンネリア様は私を殺そうとしたのよ。それなのに、メイドのくせに何様のつもりよ」
ルナ殿下が、マーサとリアナに向かって叫んだのだ。
「あなた様こそ、どういうおつもりですか?奥様は…アンネリアは誰よりも優しく強い女性なの。嫉妬に狂って人を襲う様な女性ではないわ」
「そうですわ、アンネリアをあの平民の女と一緒にしないで下さい。彼女は私たちの大切な人なのです。あなたなんかに、アンネリアを、私たちの大切な主を絶対に傷つけたりはさせないわ!」
目に涙を浮かべながら必死に訴えるマーサとリアナ。
「マーサ、リアナ…」
相手は他国の王女殿下だ。そんな彼女に立ち向かうだなんて、相当勇気が言っただろう。それなのに、私の為に彼女たちは…嬉しくて涙が溢れそうになる。
「マーサ、リアナ、言葉を包みしみなさい…と言いたいところですが。ルナ殿下、これは一体何の騒ぎですか?私たちの主でもある奥様を侮辱する行為、私も見逃すわけにはいきません。今すぐこのお屋敷から出て行ってください!」
「メイド長」
私たちの前に現れたのは、メイド長だ。彼女も私を庇う様に立ったのだ。
「な…何なのよ、メイドの分際で。この屋敷のメイドたちは一体どういう教育をされているのよ。私は王女なのよ!こんな風に侮辱されたのは初めてだわ。あなた達もまとめて、その女と一緒に地獄に叩き落してやるわ」
今までに見た事のないほど怖い形相で、叫んでいるルナ殿下。
「あなたこそ人の屋敷で暴れて、一体どういう教育を受けて来たのですか?それに我が家のメイドたちは、誰よりも主に従順で、誰よりも立派なメイドたちです。彼女を侮辱するのは、止めてもらいたい」
この声は!
「「「旦那様」」」
「アンネリア、すまない。また君に辛い思いをさせてしまったね。もう大丈夫だ、後は僕に任せてくれ。それから、君たち、アンネリアを守ってくれてありがとう」
私たちの元にやって来たのは、旦那様だ。私をギュッと抱きしめ、そしてルナ殿下をギロリと睨んだ。
「ビュッファン侯爵様、この状況を見てよくその様な事を言えますね。私はアンネリア様に怪我をさせられたのですよ。それなのに…」
「ルナ殿下、君こそこの状況を分かっているのかい?君とアンネリア夫人とのやり取りは、ずっとこのモニター越しで見させてもらっていたよ。まさか、アンネリア夫人を悪者にして、無実の罪を着せようとするだなんてね。腹黒の君がやりそうなことだよ」
「王太子殿下!」
モニターを持った王太子殿下が、笑みを浮かべながらお部屋に入って来たのだ。そこには、バッチリ今のお部屋の状況が映し出されていた。
「まさか侯爵夫人を脅し、さらに自分の思い通りにならないからと言って、自分で自分を傷つけ、罪を擦り付けようとするだなんてね…他国の王女を傷つけたとなれば、いくら侯爵夫人と言えど、極刑が妥当だ。そうなる事を分かっていて、その様な事をするだなんて。さすがに見逃すわけにはいかない。すぐにディアノス王国に報告させてもらうよ」
笑顔だが目が笑っていない王太子殿下が、ルナ殿下に迫っている。
「そんな…ちょっと待って。もしかして私の部屋に盗撮機を仕掛けていたのですか?いくら何でも、他国の王女の部屋を盗撮するのは犯罪ですわ。逆にこちらが訴えさせてもらいますわ」
「誰が盗撮機なんて設置していたと言ったのだい?そこにいる護衛が、堂々と撮影していたのだよ。ほら、あそこにいるだろう?護衛が。彼女はアンネリア夫人専属の護衛だ。つまり、アンネリア夫人を守るために、アンネリア夫人とともにこの部屋に入った護衛だよ」
王太子殿下が指さす方向には、確かに騎士の姿が。ただ、あまりにも自然に立っている為、全く存在に気が付かなかったが、確かに彼女は私の専属護衛の1人だ。
「そんな…せっかく顔まで傷つけたのに。いやよ、私、アレグサンダー様と結婚したいの。お願い、アンネリア様、譲って頂戴。お願い」
フラフラと立ち上がり、こちらに近づいてくるルナ殿下。
「ルナ殿下、はっきりと申し上げます。僕は腹黒で欲しいものの為なら手段を択ばないあなたが大嫌いです。二度と僕とアンネリアの前に、姿を現さないで下さい。キース、すぐにルナ殿下を連れて行ってくれ」
「ああ、分かっている。ルナ殿下を、王宮に連行しろ。それから、すぐにディアノス王国に伝書鳩を飛ばし、今回の事を報告し、彼女の回収を依頼するのだ」
「承知いたしました」
「嫌よ、離してよ」
必死に抵抗するルナ殿下だったが、結局護衛たちに引きずられるように連れて行かれたのだった。
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