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第40話:クラウディオ様が看病してくれました
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「クラウディオ、一体何事だ。貴族中央病院から医師や機材を持ち込ませて」
「父上、母上、クレスティン公爵、勝手にこの部屋に入らないで下さい。デイジーの部屋は、絶対に入らないでくれと約束したでしょう」
やって来たのは、陛下と王妃様、さらにお父様だ。お父様、元気そうでよかったわ。クラウディオ様の静止を振り切り、3人が入ってくる。
「デイジー、あぁ、私の可愛い娘。可哀そうに、熱が出たのかい?」
すかさず私を抱きしめてくれるお父様。1ヶ月ぶりのお父様、懐かしくて私もお父様に抱き着いた。
「随分と熱が高い様だ!殿下、どういう事ですか、こんな高熱になるまで放っておくだなんて」
「お父様…さっき急に熱が上がり出して…クラウディオ様は、放置などしておりませんわ。むしろ、すぐに飛んできてくださいました…」
そう、ずっと監視していましたと言わんばかりに、本当にすぐに来てくれたのだ。
「デイジーの言う通りだ。公爵にはデイジーの件はちゃんと許可を取っているでしょう。ここに契約書もある」
「確かに私はデイジーを守るために、あなた様の言う通りにするとサインをしました。でも、デイジーがこんなに苦しんでいる姿を見たら話は別だ。シャリーを助けるために無断で薬物を密輸したことを裁きたいなら、どうぞ裁いてくれ!」
「どういう事だ、クラウディオ。まさか公爵の薬物密輸を理由に、公爵に脅しをかけたのか?」
「クラウディオ、あなたはなんて事をするの?あれはシャリーを守るため、苦肉の策だったのよ。申請には時間が掛かるから、私達王族もあえて黙認したのに。あなたって子は…」
なんと!陛下も王妃様も、お父様が薬物を密輸したことを黙認していただなんて…
「今はそんな事、どうでもいいでしょう。デイジーは疲れが出てしまった様です。念のため、精密検査も行いましたが、異常は見当たりませんでした。とにかく、デイジーを休ませたいたので、出て行ってください」
「おい、クラウディオ、話は…」
陛下たちが何かを叫んでいたが、あっという間に追い出し、部屋に鍵を掛けるクラウディオ様。
「デイジー、うるさくしてごめんね。さあ、ゆっくり休んで。その前に薬を飲まないとね。食べやすい食事を準備させたから、僕が食べさせてあげるね」
「クラウディオ様…今はまだ食欲がなくて…それになんだかまだ寒気もするので、少し休みますわ」
「まだ寒いのかい?可哀そうに。そうだ、僕が温めてあげる」
そう言うと、クラウディオ様がベッドに入り込んできた。
「いけませんわ、万が一あなた様に病気が移ったら…」
「デイジーの病気なら、僕は大歓迎だ。むしろ僕に移して、早く元気になって。君が辛そうにしていると、僕は胸が張り裂けそうになるんだ」
「クラウディオ様…」
「さあ、お休み」
私をギュッと抱きしめてくれるクラウディオ様の温もりが、温かくて落ち着く。それに、寒さも少し和らいだ。
温もりに包まれた私は、そのまま眠りについた。そして次に目覚めた時は、体が熱くてたまらなかった。
「デイジー目が覚めたんだね。今は顔が真っ赤だ。可哀そうに、熱いんだね。すぐに氷枕を準備させよう。それから、汗も拭かないと」
メイドから氷枕を受け取ると、私の頭の下に敷いてくれた。そして、汗も拭きとってくれる。さらに
「デイジー、野菜スープを持ってきたよ。少しでもいいから、食べて欲しい」
今度は私に野菜スープを食べさせてくれた。さらに、薬も準備してくれる。薬、苦くて苦手なのよね。
「デイジーは薬が苦手なのかい?」
薬をもって固まっている私に、クラウディオ様が話しかけてくれた。
「はい…でも、飲みますわ。もう子供ではありませんから」
さすがに薬なんて飲みたくない!と、駄々をこねる年齢ではない。意を決して飲もうとしたのだが、なぜかクラウディオ様が私から薬を奪い取ると、そのまま自分の口に含んだ。
そしてそのまま、口移しで薬を流し込んだのだ。
「この薬、確かに苦いね。デイジーだけにこんな苦い思いをさせたくなくて…次薬を飲む時は、苦くない様にゼリーなどに混ぜさせて飲めるようにしよう」
「クラウディオ様…私の為に、ありがとうございます」
その後も甲斐甲斐しくお世話をしてくれるクラウディオ様。お陰様で、2日後にはすっかり元気になったのであった。
「父上、母上、クレスティン公爵、勝手にこの部屋に入らないで下さい。デイジーの部屋は、絶対に入らないでくれと約束したでしょう」
やって来たのは、陛下と王妃様、さらにお父様だ。お父様、元気そうでよかったわ。クラウディオ様の静止を振り切り、3人が入ってくる。
「デイジー、あぁ、私の可愛い娘。可哀そうに、熱が出たのかい?」
すかさず私を抱きしめてくれるお父様。1ヶ月ぶりのお父様、懐かしくて私もお父様に抱き着いた。
「随分と熱が高い様だ!殿下、どういう事ですか、こんな高熱になるまで放っておくだなんて」
「お父様…さっき急に熱が上がり出して…クラウディオ様は、放置などしておりませんわ。むしろ、すぐに飛んできてくださいました…」
そう、ずっと監視していましたと言わんばかりに、本当にすぐに来てくれたのだ。
「デイジーの言う通りだ。公爵にはデイジーの件はちゃんと許可を取っているでしょう。ここに契約書もある」
「確かに私はデイジーを守るために、あなた様の言う通りにするとサインをしました。でも、デイジーがこんなに苦しんでいる姿を見たら話は別だ。シャリーを助けるために無断で薬物を密輸したことを裁きたいなら、どうぞ裁いてくれ!」
「どういう事だ、クラウディオ。まさか公爵の薬物密輸を理由に、公爵に脅しをかけたのか?」
「クラウディオ、あなたはなんて事をするの?あれはシャリーを守るため、苦肉の策だったのよ。申請には時間が掛かるから、私達王族もあえて黙認したのに。あなたって子は…」
なんと!陛下も王妃様も、お父様が薬物を密輸したことを黙認していただなんて…
「今はそんな事、どうでもいいでしょう。デイジーは疲れが出てしまった様です。念のため、精密検査も行いましたが、異常は見当たりませんでした。とにかく、デイジーを休ませたいたので、出て行ってください」
「おい、クラウディオ、話は…」
陛下たちが何かを叫んでいたが、あっという間に追い出し、部屋に鍵を掛けるクラウディオ様。
「デイジー、うるさくしてごめんね。さあ、ゆっくり休んで。その前に薬を飲まないとね。食べやすい食事を準備させたから、僕が食べさせてあげるね」
「クラウディオ様…今はまだ食欲がなくて…それになんだかまだ寒気もするので、少し休みますわ」
「まだ寒いのかい?可哀そうに。そうだ、僕が温めてあげる」
そう言うと、クラウディオ様がベッドに入り込んできた。
「いけませんわ、万が一あなた様に病気が移ったら…」
「デイジーの病気なら、僕は大歓迎だ。むしろ僕に移して、早く元気になって。君が辛そうにしていると、僕は胸が張り裂けそうになるんだ」
「クラウディオ様…」
「さあ、お休み」
私をギュッと抱きしめてくれるクラウディオ様の温もりが、温かくて落ち着く。それに、寒さも少し和らいだ。
温もりに包まれた私は、そのまま眠りについた。そして次に目覚めた時は、体が熱くてたまらなかった。
「デイジー目が覚めたんだね。今は顔が真っ赤だ。可哀そうに、熱いんだね。すぐに氷枕を準備させよう。それから、汗も拭かないと」
メイドから氷枕を受け取ると、私の頭の下に敷いてくれた。そして、汗も拭きとってくれる。さらに
「デイジー、野菜スープを持ってきたよ。少しでもいいから、食べて欲しい」
今度は私に野菜スープを食べさせてくれた。さらに、薬も準備してくれる。薬、苦くて苦手なのよね。
「デイジーは薬が苦手なのかい?」
薬をもって固まっている私に、クラウディオ様が話しかけてくれた。
「はい…でも、飲みますわ。もう子供ではありませんから」
さすがに薬なんて飲みたくない!と、駄々をこねる年齢ではない。意を決して飲もうとしたのだが、なぜかクラウディオ様が私から薬を奪い取ると、そのまま自分の口に含んだ。
そしてそのまま、口移しで薬を流し込んだのだ。
「この薬、確かに苦いね。デイジーだけにこんな苦い思いをさせたくなくて…次薬を飲む時は、苦くない様にゼリーなどに混ぜさせて飲めるようにしよう」
「クラウディオ様…私の為に、ありがとうございます」
その後も甲斐甲斐しくお世話をしてくれるクラウディオ様。お陰様で、2日後にはすっかり元気になったのであった。
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