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第4話:なぜ邪魔をする!
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「それでは一旦クラウディオ殿下とデイジーは、婚約を白紙に戻すという事でよろしいですね?」
お父様が王妃様に確認を取っている。
「ええ…分かったわ…」
よし!これで全てがうまく行くわ!やったわ!!こんなにうまく行って、いいのかしら?後はジャック様と私が婚約を結べば…
「ちょっと待って下さい。確かに僕は、デイジーと今まで向き合ってこなかったのは事実です。正直言うと、僕は我が儘で傲慢なデイジーが苦手でした。でも、今のデイジーとなら、お互い向き合える気がするのです。ですので、婚約破棄は少し待ってもらえないでしょうか?」
この人は何を言っているのだろう。あなたは後半年もすれば、病んでしまうほど愛してしまう運命の相手、ルイーダ様が現れるのよ。それなのに、婚約を白紙に戻さないだなんて。
もちろん、こっちも引き下がる訳にはいかない!
「クラウディオ殿下、確かに今の私は昔の私とは違うかもしれません。ですが、だからと言って、すぐに向き合える訳ではありませんわ。それにもう、美しい殿下に群がる令嬢たちに、嫉妬するのは疲れたのです。一旦婚約を白紙に戻し、それでももし私が殿下の婚約者にふさわしいという事になれば、再び婚約を結び直せばよろしいのではないでしょうか?」
私と殿下が再び婚約を結び直すなんてことは、逆立ちしてもないが、一応それらしいことを言っておいた。
「しかし…王族がそんなに頻繁に、婚約を解消したり結び直すというのは、いかがなものかと…」
どうやらクラウディオ殿下は、世間体を気にしている様だ。確かに不可抗力とはいえ、自分が階段から突き落とした後、すぐに婚約を白紙に戻したら、貴族たちからどんな噂が立つか分からないだろう。それなら…
「分かりました。それなら、私の我が儘が酷すぎて、貴族たちからの抗議が殺到している為、沈静化するために一旦婚約を白紙に戻すという事でどうでしょう。それなら、殿下が悪く言われることはありませんわ」
私の我が儘は筋金入りだ。実際に王宮にも、私に関する苦情は来ているはず。
「デイジー、君は何を言っているのだ。私はデイジーを悪者にするのは反対だ」
「公爵の言う通りです。でも、そこまで婚約を白紙にしたいのなら…婚約者候補に下げるというのはどうでしょうか?候補なら、君が望めば候補から外れる事も出来る。それに、そのまま婚約者に戻る事も出来るし。これが一番シンプルだと思うのだが」
婚約者候補か…私はとにかく、クラウディオ殿下から離れたいのだが…でも、これ以上婚約を白紙に戻すことにこだわり続けるのは、厳しいかもしれない。
どうせ半年後にはルイーダ様も現れるし、まあいいか。
「分かりましたわ。それでは、婚約者候補に格下げという事で、お願いします。理由は、私の素行が悪いという事で大丈夫ですわ」
「…その点は、王族と公爵家で色々と話し合って決まったという事にしておこう。それでよいかな、公爵」
「ええ、私は構いません」
どうやら話しはまとまった様だ。それにしても、クラウディオ殿下は一体何を考えているのかしら?このまま殿下が黙っていれば、普通に婚約は白紙に戻せたのに…
婚約を白紙に戻せたら、すぐにでもジャック様にアタックできたのにな…一応婚約者候補だから、別の殿方にアタックする事は出来ないわよね…
でも、焦らなくても大丈夫よね。確か漫画では、ジャック様はクラウディオ殿下とルイーダ様が結婚した後も独身だったし。
「それでは私たちはこれで失礼いたします。デイジー、帰ろうか」
「はい、お父様」
お父様の手をギュッと握り、一緒に部屋から出ようとした時だった。
「デイジー、よかったら少し話をしないかい?僕たち、あまり2人で話をしたことがなかっただろう?よく考えたら、婚約者らしい事もしていなかったし…今更かもしれないが、一度君と向き合ってみたいんだ」
何ですって!別に向き合ってもらわなくてもいいのよ。あなたはルイーダ様と結ばれるのだから、悪役令嬢に何て構っている暇はないはずよ!と言いたいところだが、そんな事は言えない。
面倒だが、適当に相手をしてさっさと家に帰ろう。もしかしたら、ジャック様に会えるかもしれないし。漫画ではよくジャック様も王宮にいらしていた。
「分かりましたわ。それでは、少しだけ」
「よかった、さあ、行こうか?」
スッと私に手を差し伸べて来たクラウディオ殿下。なんだ、この手は?
訳が分からず、首をかしげていると。
何を思ったのか、私の手を握ったのだ。その瞬間、背筋がゾクっとした。何なの、どうして手を握られただけで、ゾクッとするの?そうか、私はクラウディオ殿下の病んだ部分を知っているから、ゾクッとしたのね。
漫画の世界として割り切って読んでいる分には良かったが、現実世界に現れると、さすがに引いてしまう。
とにかくまだ彼は病んでいないから、問題ないだろう。そう自分に言い聞かせたのだった。
お父様が王妃様に確認を取っている。
「ええ…分かったわ…」
よし!これで全てがうまく行くわ!やったわ!!こんなにうまく行って、いいのかしら?後はジャック様と私が婚約を結べば…
「ちょっと待って下さい。確かに僕は、デイジーと今まで向き合ってこなかったのは事実です。正直言うと、僕は我が儘で傲慢なデイジーが苦手でした。でも、今のデイジーとなら、お互い向き合える気がするのです。ですので、婚約破棄は少し待ってもらえないでしょうか?」
この人は何を言っているのだろう。あなたは後半年もすれば、病んでしまうほど愛してしまう運命の相手、ルイーダ様が現れるのよ。それなのに、婚約を白紙に戻さないだなんて。
もちろん、こっちも引き下がる訳にはいかない!
「クラウディオ殿下、確かに今の私は昔の私とは違うかもしれません。ですが、だからと言って、すぐに向き合える訳ではありませんわ。それにもう、美しい殿下に群がる令嬢たちに、嫉妬するのは疲れたのです。一旦婚約を白紙に戻し、それでももし私が殿下の婚約者にふさわしいという事になれば、再び婚約を結び直せばよろしいのではないでしょうか?」
私と殿下が再び婚約を結び直すなんてことは、逆立ちしてもないが、一応それらしいことを言っておいた。
「しかし…王族がそんなに頻繁に、婚約を解消したり結び直すというのは、いかがなものかと…」
どうやらクラウディオ殿下は、世間体を気にしている様だ。確かに不可抗力とはいえ、自分が階段から突き落とした後、すぐに婚約を白紙に戻したら、貴族たちからどんな噂が立つか分からないだろう。それなら…
「分かりました。それなら、私の我が儘が酷すぎて、貴族たちからの抗議が殺到している為、沈静化するために一旦婚約を白紙に戻すという事でどうでしょう。それなら、殿下が悪く言われることはありませんわ」
私の我が儘は筋金入りだ。実際に王宮にも、私に関する苦情は来ているはず。
「デイジー、君は何を言っているのだ。私はデイジーを悪者にするのは反対だ」
「公爵の言う通りです。でも、そこまで婚約を白紙にしたいのなら…婚約者候補に下げるというのはどうでしょうか?候補なら、君が望めば候補から外れる事も出来る。それに、そのまま婚約者に戻る事も出来るし。これが一番シンプルだと思うのだが」
婚約者候補か…私はとにかく、クラウディオ殿下から離れたいのだが…でも、これ以上婚約を白紙に戻すことにこだわり続けるのは、厳しいかもしれない。
どうせ半年後にはルイーダ様も現れるし、まあいいか。
「分かりましたわ。それでは、婚約者候補に格下げという事で、お願いします。理由は、私の素行が悪いという事で大丈夫ですわ」
「…その点は、王族と公爵家で色々と話し合って決まったという事にしておこう。それでよいかな、公爵」
「ええ、私は構いません」
どうやら話しはまとまった様だ。それにしても、クラウディオ殿下は一体何を考えているのかしら?このまま殿下が黙っていれば、普通に婚約は白紙に戻せたのに…
婚約を白紙に戻せたら、すぐにでもジャック様にアタックできたのにな…一応婚約者候補だから、別の殿方にアタックする事は出来ないわよね…
でも、焦らなくても大丈夫よね。確か漫画では、ジャック様はクラウディオ殿下とルイーダ様が結婚した後も独身だったし。
「それでは私たちはこれで失礼いたします。デイジー、帰ろうか」
「はい、お父様」
お父様の手をギュッと握り、一緒に部屋から出ようとした時だった。
「デイジー、よかったら少し話をしないかい?僕たち、あまり2人で話をしたことがなかっただろう?よく考えたら、婚約者らしい事もしていなかったし…今更かもしれないが、一度君と向き合ってみたいんだ」
何ですって!別に向き合ってもらわなくてもいいのよ。あなたはルイーダ様と結ばれるのだから、悪役令嬢に何て構っている暇はないはずよ!と言いたいところだが、そんな事は言えない。
面倒だが、適当に相手をしてさっさと家に帰ろう。もしかしたら、ジャック様に会えるかもしれないし。漫画ではよくジャック様も王宮にいらしていた。
「分かりましたわ。それでは、少しだけ」
「よかった、さあ、行こうか?」
スッと私に手を差し伸べて来たクラウディオ殿下。なんだ、この手は?
訳が分からず、首をかしげていると。
何を思ったのか、私の手を握ったのだ。その瞬間、背筋がゾクっとした。何なの、どうして手を握られただけで、ゾクッとするの?そうか、私はクラウディオ殿下の病んだ部分を知っているから、ゾクッとしたのね。
漫画の世界として割り切って読んでいる分には良かったが、現実世界に現れると、さすがに引いてしまう。
とにかくまだ彼は病んでいないから、問題ないだろう。そう自分に言い聞かせたのだった。
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