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第2話:お父様にお願いしました
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早速クラウディオ殿下にお願いに行こう、そう思って準備をする。いや、待てよ。クラウディオ殿下に直接お話をするよりも、お父様に話しを通した方が早いわね。
やっぱりまずは大人を味方につけないと。よし!
部屋から出ると、すぐにメイドのジェシカが飛んできた。
「お嬢様、どうされたのですか?」
「ちょっとお父様に話したいことがあって」
「旦那様にですか?分かりましたわ。すぐに旦那様に話しを通して参りますので、どうかお嬢様はお部屋で待っていて下さい」
そう言って私を部屋に戻そうとするジェシカ。
「いいえ、私はもう元気だから、お父様の元に行くわ。今の時間だと、執務室かしら?」
「ええ…そうですが…」
そう言えば私、いつもお父様を呼び出していたわね。それに、ジェシカはじめメイドたちにも、横柄な態度を取っていたし。
さすが悪役令嬢、私って本当に嫌な女ね。でも、前世の記憶を取り戻したのだから、これからは人を嫌な気持ちにさせない様に生きないと。
そう思いながら、お父様のいる執務室へと向かう。そして、ノックをして部屋に入った。
「デイジー、どうしたのだい?わざわざ私の元に来るだなんて。呼んでくれたら、すぐに行ったのに」
「お父様もお忙しいでしょう。これからは用事があるときは、私が足を運びますわ。それで、お父様にお願いがありまして」
「急に敬語を使ってどうしたんだい?やっぱり階段から突き落とされ頭をうったせいで、おかしくなってしまったのかい?」
お父様が真剣な表情で訴えかけてくる。ちょっと、私が敬語を使ったくらいで、そんなに驚かなくても…と言いたいところだが、今までのデイジーは敬語なんて使った事がなかった。そりゃお父様は驚くわよね…
「私はおかしくなっておりませんわ。これからは公爵令嬢として、恥じない様に生きようと思っただけです。それで、お父様にお願いがありまして。今回私は、クラウディオ殿下に好意を抱く令嬢たちに嫉妬し、醜い姿を晒してしまいました。私、今回の件で分かったのです。自分の愚かさを…それで、クラウディオ殿下との婚約を、一度白紙に戻せないかと思いまして…」
「なるほど、他の女を庇い、婚約者を突き落とすような男とは、婚約を継続したくないという事だな!そもそも、王妃殿下が熱望してデイジーとクラウディオ殿下の婚約が決まったんだ。それなのに、デイジーを蔑ろにするだなんて」
「あの…お父様、そうでは…」
「わかったよ、デイジー。早速明日、陛下や王妃殿下、クラウディオ殿下には、婚約を一旦白紙に戻したい旨を伝えよう。お父様に全て任せなさい!」
なんだかちょっと話がずれているが、お父様から婚約を白紙に戻してくれると言ってくれているのだし、まあいいか。
「はい、よろしくお願いいたしますわ。もし婚約破棄出来た暁には、公爵家は私が婿を取って継ごうと思っております」
出来ればジャック様を婿にしたいわ!なんて、恥ずかしくて言えないけれどね。
「なんと!デイジーは我が公爵家の事も考えてくれていたのか!なんて優しい子なんだ。あぁ、私の可愛いデイジー。分かったよ、何が何でも、婚約を白紙に戻して来るから、安心して欲しい。よし、そうと決まれば、今から王宮に行ってくるよ」
「えっ、今からですか?」
「ああ、もちろんだ。話は早い方がいいからな。それじゃあ、行ってくるよ」
そのまま部屋を勢いよく出て行ったお父様。これは期待できそうね。
そう思っていたのだが…
「デイジー、すまない…」
なぜか肩を落としてお父様が帰って来た。これは嫌な予感しかしないわ…
「お父様、その顔は、ダメだったのですか?」
「婚約を一旦白紙に戻す話をしたら、王妃殿下に泣かれてね。一応クラウディオ殿下からも、謝罪されたし…それで、1度当事者同士で話をしようという事になったんだ。すまない、私の力不足なばかりに。それにしても王妃殿下め。すぐに“シャリーとの約束を守りたいの”と、泣きじゃくるもだから…」
そう言ってお父様がため息を付いている。どうやら私の亡くなったお母様と王妃様は、お互い子供が生まれたら、結婚させようと約束していたらしい。勝手にそんな約束をして、当の本人たちにとってはいい迷惑だ。
「わかりました、それでは私も一緒に王宮に向かいますわ。それで、いつ王宮に向かえばよろしいのですか?」
「デイジー、怒らないのかい?本当にお前はデイジーなのか?」
自分の思い通りにならないと癇癪を起していた私。そのせいか、本人かどうか疑われている。
「ええ、本人ですよ。ただ、頭を打ったので、ちょっと人格が変わってしまったのかもしれませんね」
前世の記憶を取り戻したのだから、私は間違った事を言っていない。
「あのデイジーがか…とにかく、一度医者に診てもらおう。すぐに医者を手配するから、部屋に戻っていなさい」
その後、何名かの医師たちが隅々まで調べて行ったが、やはり私に異常はないとの事。
頭を打った衝撃で人格が変わるという事もあるそうなので、きっと私もそうなのだろうという事で、落ち着いたのだった。
やっぱりまずは大人を味方につけないと。よし!
部屋から出ると、すぐにメイドのジェシカが飛んできた。
「お嬢様、どうされたのですか?」
「ちょっとお父様に話したいことがあって」
「旦那様にですか?分かりましたわ。すぐに旦那様に話しを通して参りますので、どうかお嬢様はお部屋で待っていて下さい」
そう言って私を部屋に戻そうとするジェシカ。
「いいえ、私はもう元気だから、お父様の元に行くわ。今の時間だと、執務室かしら?」
「ええ…そうですが…」
そう言えば私、いつもお父様を呼び出していたわね。それに、ジェシカはじめメイドたちにも、横柄な態度を取っていたし。
さすが悪役令嬢、私って本当に嫌な女ね。でも、前世の記憶を取り戻したのだから、これからは人を嫌な気持ちにさせない様に生きないと。
そう思いながら、お父様のいる執務室へと向かう。そして、ノックをして部屋に入った。
「デイジー、どうしたのだい?わざわざ私の元に来るだなんて。呼んでくれたら、すぐに行ったのに」
「お父様もお忙しいでしょう。これからは用事があるときは、私が足を運びますわ。それで、お父様にお願いがありまして」
「急に敬語を使ってどうしたんだい?やっぱり階段から突き落とされ頭をうったせいで、おかしくなってしまったのかい?」
お父様が真剣な表情で訴えかけてくる。ちょっと、私が敬語を使ったくらいで、そんなに驚かなくても…と言いたいところだが、今までのデイジーは敬語なんて使った事がなかった。そりゃお父様は驚くわよね…
「私はおかしくなっておりませんわ。これからは公爵令嬢として、恥じない様に生きようと思っただけです。それで、お父様にお願いがありまして。今回私は、クラウディオ殿下に好意を抱く令嬢たちに嫉妬し、醜い姿を晒してしまいました。私、今回の件で分かったのです。自分の愚かさを…それで、クラウディオ殿下との婚約を、一度白紙に戻せないかと思いまして…」
「なるほど、他の女を庇い、婚約者を突き落とすような男とは、婚約を継続したくないという事だな!そもそも、王妃殿下が熱望してデイジーとクラウディオ殿下の婚約が決まったんだ。それなのに、デイジーを蔑ろにするだなんて」
「あの…お父様、そうでは…」
「わかったよ、デイジー。早速明日、陛下や王妃殿下、クラウディオ殿下には、婚約を一旦白紙に戻したい旨を伝えよう。お父様に全て任せなさい!」
なんだかちょっと話がずれているが、お父様から婚約を白紙に戻してくれると言ってくれているのだし、まあいいか。
「はい、よろしくお願いいたしますわ。もし婚約破棄出来た暁には、公爵家は私が婿を取って継ごうと思っております」
出来ればジャック様を婿にしたいわ!なんて、恥ずかしくて言えないけれどね。
「なんと!デイジーは我が公爵家の事も考えてくれていたのか!なんて優しい子なんだ。あぁ、私の可愛いデイジー。分かったよ、何が何でも、婚約を白紙に戻して来るから、安心して欲しい。よし、そうと決まれば、今から王宮に行ってくるよ」
「えっ、今からですか?」
「ああ、もちろんだ。話は早い方がいいからな。それじゃあ、行ってくるよ」
そのまま部屋を勢いよく出て行ったお父様。これは期待できそうね。
そう思っていたのだが…
「デイジー、すまない…」
なぜか肩を落としてお父様が帰って来た。これは嫌な予感しかしないわ…
「お父様、その顔は、ダメだったのですか?」
「婚約を一旦白紙に戻す話をしたら、王妃殿下に泣かれてね。一応クラウディオ殿下からも、謝罪されたし…それで、1度当事者同士で話をしようという事になったんだ。すまない、私の力不足なばかりに。それにしても王妃殿下め。すぐに“シャリーとの約束を守りたいの”と、泣きじゃくるもだから…」
そう言ってお父様がため息を付いている。どうやら私の亡くなったお母様と王妃様は、お互い子供が生まれたら、結婚させようと約束していたらしい。勝手にそんな約束をして、当の本人たちにとってはいい迷惑だ。
「わかりました、それでは私も一緒に王宮に向かいますわ。それで、いつ王宮に向かえばよろしいのですか?」
「デイジー、怒らないのかい?本当にお前はデイジーなのか?」
自分の思い通りにならないと癇癪を起していた私。そのせいか、本人かどうか疑われている。
「ええ、本人ですよ。ただ、頭を打ったので、ちょっと人格が変わってしまったのかもしれませんね」
前世の記憶を取り戻したのだから、私は間違った事を言っていない。
「あのデイジーがか…とにかく、一度医者に診てもらおう。すぐに医者を手配するから、部屋に戻っていなさい」
その後、何名かの医師たちが隅々まで調べて行ったが、やはり私に異常はないとの事。
頭を打った衝撃で人格が変わるという事もあるそうなので、きっと私もそうなのだろうという事で、落ち着いたのだった。
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