53 / 53
番外編2
懐かしい人たちとの再会です
しおりを挟む
アーサー様が連れて来たのは、メイソン様とクロエ様、フェイズ殿下、カサブランカ様、そしてなぜか王妃様もいた。
「アーニーに会いたいと言う人たちを連れて来たよ。ローラも会いたかった人もいるだろう。しばらくここでゆっくりしていればいい」
「まあ、皆様、来て下さったのですね!」
「ローラ、久しぶりね。会いたかったわ。この子が噂のアーニーね。キーキが言っていた通りだわ、かすかに魔力を感じる」
ルルが眠るアーニーにすり寄っている。なんて可愛いのかしら…
「ローラお姉様、ご出産おめでとう。それから、アーサー様、やっと目覚めたのですね。本当にずっと寝ているから、心配したのですよ」
そう言って笑ったのは、カサブランカ様だ。
「ローラが妊娠中、心配して様子を見に来ていただいたと聞いております。ありがとうございました。お陰様で、すっかり元気になりましたので」
そう言ってなぜかカサブランカ様の隣にいるフェイズ殿下を睨んでいる。
「アーサー殿、もう僕はローラの事は何とも思っていなよ。実は僕、先日婚約したんだ。ローラの様に美しくて優しい女性だよ。今回はどうしても連れてこられなかったのだが、僕たちの結婚式にはぜひ参加して欲しい」
なんと!フェイズ殿下がご婚約だなんて、それはおめでたいわ。
「フェイズ殿下、ご婚約おめでとうございます。ぜひ結婚式には参加させていただきますわ。ね、アーサー様」
「殿下、ご婚約誠におめでとうございます。ええ、ぜひ参加させていただきます!いやぁ、それにしてもめでたいな」
なぜか一番嬉しそうな顔をしているのは、アーサー様だ。アーサー様ったら、まだフェイズ殿下を警戒していたのね。でも、これできっとアーサー様の気持ちも落ち着くだろうと思ったのだが…
「ローラ、出産おめでとう!アーサー兄さんも無事目覚めたんだね。こうなったらもう、俺にはこれっぽっちも入り込む隙は無さそうだな…」
話に入って来たのは、メイソン様だ。もう、メイソン様ったら、そんな事を言ったらアーサー様が怒り狂うわ。
案の定…
「おいメイソン。ローラは俺の妻だ!そもそもお前、俺が眠っている間にローラにプロポーズしたそうじゃないか!全く油断も隙も無いのだから。いいか、本当はローラに二度と会わせたくはないのだが、今回は特別に会わせてやっただけだからな!」
そうメイソン様を怒鳴りつけるアーサー様。ちょっとアーサー様、そんなにも大きな声が出したら、アーニーが起きてしまいますわ。そして案の定
「ホンギャーーーーー」
アーサー様の怒鳴り声で目を覚まして泣き出したアーニー。
「ほら、アーサーが大きな声で怒鳴るから、アーニーがびっくりして泣いちゃったじゃない!よしよし、いい子ね」
そう言ってアーニーを抱いてあやしだしたのは、クロエ様だ。さすが子育て経験者、アーニーが泣き止んだ。
「ずるいわクロエちゃん、私にも抱かせて」
そう言ってクロエ様から奪い取ったのは、王妃様だ。どうやらこの2人も知り合いの様だ。その後、皆がアーニーを抱っこしてくれた。
そしてやはり全員が“アーサー(様)(兄さん)にそっくりだ”そう言っていた。
その後少しだけ皆と話をした。カサブランカ様とルルは、相変わらず仲がいいらしい。フェイズ殿下は今、結婚と次期国王になる為の準備で、大忙しらしい。それなのに私たちの為に時間を作って来てくれただなんて、本当に感謝しかない。
そしてメイソン様は、帰国後すぐに騎士団に入って日々訓練に明け暮れているらしい。ただ相変わらず女性は苦手な様で、これといった人は見つかっていない様だ。
「やっぱりメイソンにはローラちゃんしかいないのよね。跡取りも産んだ事だし、どう?我が家に嫁に来ない?」
と言ったクロエ様を、アーサー様が怒鳴りつけ、アーニーが泣き出すといった場面もあった。何はともあれ、皆幸せに暮らしている様で安心した。
皆の話を聞いた後は、一旦アーニーをモカラたちに預け、会場に戻って来た。そう、来場者たちに挨拶をする為だ。いつまでも主役が居ないんじゃあ、来てくれた人たちにも失礼だものね。
1人1人貴族たちに挨拶をしていく。途中レオナルド様やミラ様をはじめ、家の両親や兄家族、姉家族にも挨拶をした。ふとお料理が並んでいるスペースを見ると、見覚えのある顔ぶれが…
そう、騎士団員たちも、アーサー様のお祝いに来てくれているのだ。ただ、相変わらずお料理とお酒にしか興味がない様だけれど…そうそう、他のお客様に迷惑がかからない様に、騎士団員専用スペースが設けられている。
その一角で飲み食いしてもらう事にしたそうだ。ちなみに騎士団員たちに見つかったメイソン様も、その一角で楽しそうに話していた。
私はと言うと、定期的に控室に戻りアーニーに授乳をする。その時、なぜか女性陣達がたまに様子を見に来る。そして、アーニーと遊んでいくのだ。別に今日でなくても、あなた達はいつでもアーニーに会えるでしょう?そう思うのだが、見られるときは見たいらしい。
そうしているうちに、あっという間にパーティーは終わった。
「それじゃあローラ、アーサー殿とアーニー殿と一緒に、必ず僕の結婚式に参加してほしい。もちろん、丁重にもてなすから」
「もちろんですわ。フェイズ殿下のご結婚相手に会うの、とても楽しみにしておりますね」
「ローラお姉様、お兄様の婚約者の女性、とても素敵な人なのよ。少しローラお姉様に雰囲気が似ているのよ。ね、ルル」
「ええ、私もリリアンナの事、大好きよ。よくお菓子をくれるの」
どうやらフェイズ殿下の結婚相手は、リリアンナ様と言う様だ。ルルが懐いているという事は、きっと素敵な女性なのだろう。
ファイズ殿下とカサブランカ様、ルルの挨拶が終わると、馬車に乗り込んでいくカールズ王国の面々。ゆっくり走り出す馬車から、手を振ってくれた。もちろん、私たちも手を振る。
「それじゃあローラ、アーサー兄さんが嫌になったらいつでも連絡をくれ。迎えに来るから」
「ふざけているのか、メイソン!ローラは永遠に俺の妻だ!二度とふざけた事を抜かすなよ」
すかさずメイソン様に怒鳴りつけるアーサー様。本当にメイソン様ったら懲りないわね…
「ローラちゃん、アーサー、アーニーが少し大きくなったら、モンサラ王国にも遊びに来てね。必ずよ!それじゃあね」
メイソン様とクロエ様、それからメイソン様のお父様が馬車に乗り込んだ。こちらも馬車が見えなくなるまで手を振った。
今日は懐かしい人たちとたくさん話が出来た。それに、皆の状況も分かったし!皆幸せそうで良かったわ。
アーニーを抱っこしながら、懐かしい面々と再会できた事を、心から喜んだのだった。
~あとがき~
これで多分、削除していた話は全て投稿出来たかと思います。
今後も時間を見つけては、番外編を投稿出来たらいいなと考えております。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
「アーニーに会いたいと言う人たちを連れて来たよ。ローラも会いたかった人もいるだろう。しばらくここでゆっくりしていればいい」
「まあ、皆様、来て下さったのですね!」
「ローラ、久しぶりね。会いたかったわ。この子が噂のアーニーね。キーキが言っていた通りだわ、かすかに魔力を感じる」
ルルが眠るアーニーにすり寄っている。なんて可愛いのかしら…
「ローラお姉様、ご出産おめでとう。それから、アーサー様、やっと目覚めたのですね。本当にずっと寝ているから、心配したのですよ」
そう言って笑ったのは、カサブランカ様だ。
「ローラが妊娠中、心配して様子を見に来ていただいたと聞いております。ありがとうございました。お陰様で、すっかり元気になりましたので」
そう言ってなぜかカサブランカ様の隣にいるフェイズ殿下を睨んでいる。
「アーサー殿、もう僕はローラの事は何とも思っていなよ。実は僕、先日婚約したんだ。ローラの様に美しくて優しい女性だよ。今回はどうしても連れてこられなかったのだが、僕たちの結婚式にはぜひ参加して欲しい」
なんと!フェイズ殿下がご婚約だなんて、それはおめでたいわ。
「フェイズ殿下、ご婚約おめでとうございます。ぜひ結婚式には参加させていただきますわ。ね、アーサー様」
「殿下、ご婚約誠におめでとうございます。ええ、ぜひ参加させていただきます!いやぁ、それにしてもめでたいな」
なぜか一番嬉しそうな顔をしているのは、アーサー様だ。アーサー様ったら、まだフェイズ殿下を警戒していたのね。でも、これできっとアーサー様の気持ちも落ち着くだろうと思ったのだが…
「ローラ、出産おめでとう!アーサー兄さんも無事目覚めたんだね。こうなったらもう、俺にはこれっぽっちも入り込む隙は無さそうだな…」
話に入って来たのは、メイソン様だ。もう、メイソン様ったら、そんな事を言ったらアーサー様が怒り狂うわ。
案の定…
「おいメイソン。ローラは俺の妻だ!そもそもお前、俺が眠っている間にローラにプロポーズしたそうじゃないか!全く油断も隙も無いのだから。いいか、本当はローラに二度と会わせたくはないのだが、今回は特別に会わせてやっただけだからな!」
そうメイソン様を怒鳴りつけるアーサー様。ちょっとアーサー様、そんなにも大きな声が出したら、アーニーが起きてしまいますわ。そして案の定
「ホンギャーーーーー」
アーサー様の怒鳴り声で目を覚まして泣き出したアーニー。
「ほら、アーサーが大きな声で怒鳴るから、アーニーがびっくりして泣いちゃったじゃない!よしよし、いい子ね」
そう言ってアーニーを抱いてあやしだしたのは、クロエ様だ。さすが子育て経験者、アーニーが泣き止んだ。
「ずるいわクロエちゃん、私にも抱かせて」
そう言ってクロエ様から奪い取ったのは、王妃様だ。どうやらこの2人も知り合いの様だ。その後、皆がアーニーを抱っこしてくれた。
そしてやはり全員が“アーサー(様)(兄さん)にそっくりだ”そう言っていた。
その後少しだけ皆と話をした。カサブランカ様とルルは、相変わらず仲がいいらしい。フェイズ殿下は今、結婚と次期国王になる為の準備で、大忙しらしい。それなのに私たちの為に時間を作って来てくれただなんて、本当に感謝しかない。
そしてメイソン様は、帰国後すぐに騎士団に入って日々訓練に明け暮れているらしい。ただ相変わらず女性は苦手な様で、これといった人は見つかっていない様だ。
「やっぱりメイソンにはローラちゃんしかいないのよね。跡取りも産んだ事だし、どう?我が家に嫁に来ない?」
と言ったクロエ様を、アーサー様が怒鳴りつけ、アーニーが泣き出すといった場面もあった。何はともあれ、皆幸せに暮らしている様で安心した。
皆の話を聞いた後は、一旦アーニーをモカラたちに預け、会場に戻って来た。そう、来場者たちに挨拶をする為だ。いつまでも主役が居ないんじゃあ、来てくれた人たちにも失礼だものね。
1人1人貴族たちに挨拶をしていく。途中レオナルド様やミラ様をはじめ、家の両親や兄家族、姉家族にも挨拶をした。ふとお料理が並んでいるスペースを見ると、見覚えのある顔ぶれが…
そう、騎士団員たちも、アーサー様のお祝いに来てくれているのだ。ただ、相変わらずお料理とお酒にしか興味がない様だけれど…そうそう、他のお客様に迷惑がかからない様に、騎士団員専用スペースが設けられている。
その一角で飲み食いしてもらう事にしたそうだ。ちなみに騎士団員たちに見つかったメイソン様も、その一角で楽しそうに話していた。
私はと言うと、定期的に控室に戻りアーニーに授乳をする。その時、なぜか女性陣達がたまに様子を見に来る。そして、アーニーと遊んでいくのだ。別に今日でなくても、あなた達はいつでもアーニーに会えるでしょう?そう思うのだが、見られるときは見たいらしい。
そうしているうちに、あっという間にパーティーは終わった。
「それじゃあローラ、アーサー殿とアーニー殿と一緒に、必ず僕の結婚式に参加してほしい。もちろん、丁重にもてなすから」
「もちろんですわ。フェイズ殿下のご結婚相手に会うの、とても楽しみにしておりますね」
「ローラお姉様、お兄様の婚約者の女性、とても素敵な人なのよ。少しローラお姉様に雰囲気が似ているのよ。ね、ルル」
「ええ、私もリリアンナの事、大好きよ。よくお菓子をくれるの」
どうやらフェイズ殿下の結婚相手は、リリアンナ様と言う様だ。ルルが懐いているという事は、きっと素敵な女性なのだろう。
ファイズ殿下とカサブランカ様、ルルの挨拶が終わると、馬車に乗り込んでいくカールズ王国の面々。ゆっくり走り出す馬車から、手を振ってくれた。もちろん、私たちも手を振る。
「それじゃあローラ、アーサー兄さんが嫌になったらいつでも連絡をくれ。迎えに来るから」
「ふざけているのか、メイソン!ローラは永遠に俺の妻だ!二度とふざけた事を抜かすなよ」
すかさずメイソン様に怒鳴りつけるアーサー様。本当にメイソン様ったら懲りないわね…
「ローラちゃん、アーサー、アーニーが少し大きくなったら、モンサラ王国にも遊びに来てね。必ずよ!それじゃあね」
メイソン様とクロエ様、それからメイソン様のお父様が馬車に乗り込んだ。こちらも馬車が見えなくなるまで手を振った。
今日は懐かしい人たちとたくさん話が出来た。それに、皆の状況も分かったし!皆幸せそうで良かったわ。
アーニーを抱っこしながら、懐かしい面々と再会できた事を、心から喜んだのだった。
~あとがき~
これで多分、削除していた話は全て投稿出来たかと思います。
今後も時間を見つけては、番外編を投稿出来たらいいなと考えております。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
6,384
この作品は感想を受け付けておりません。
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。